愛柰
嘘でしょ…そんな…
私はトイレの中で泣き崩れた。
愛柰
せっかく友達が出来たのに…
そんな…
そんな…
そう、その子が放った言葉は
「あの子…幽霊なんだよ…」
愛柰
きっと虐待されて、死んじゃったんだろうな…
私は涙を無理矢理止めると、トイレから出た。すると
風見 月
あ、愛柰ちゃん。おはよう☀
月ちゃんが立っていた。
風見 月
愛柰ちゃん?大丈夫?
月ちゃんはいたって普通だった。
愛柰
あ、あのさ、
私は「あの事」を言おうとした。 でも……
きっと月ちゃんは知って欲しく なかったと思った。
私と友達でいて欲しいから なのかもしれない。
愛柰
やっぱ、なんでもない。
風見 月
そっか。
私はとっさに言葉を引っ込めた。 しかし、教室に入っていく 月ちゃんの顔は悲しそうだった。
まるで秘密を知ってしまったことを 気づいているように……
愛柰
る、月ちゃん、お弁当
一緒に食べよう!
一緒に食べよう!
私はお昼休み、食事に誘ってみた。
風見 月
うん!
話しかけると笑顔で月ちゃんは対応 してくれた。
だが食事中…
風見 月
ねぇ、愛柰ちゃん…
愛柰
?な、何?
月ちゃんの顔は曇っていた。
風見 月
知ってるんでしょ?
愛柰
えっ!?
風見 月
私が………だってことを。
風、周りの音でよく 聞こえなかったが これだけはわかっていた。
月ちゃんは、自分の正体のことを話していたんだと……