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狂華

さて…と

狂華

そろそろ覚悟を決めるか

狂華

……やるか

狂華

不葉様?

不葉

狂華?

狂華

おう、入ってもいいか?

不葉

いいよ

狂華

…よっ

不葉

昨日ぶりだね

狂華

昨日は話しすぎて悪かったな

狂華

ついついはしゃいじまった

不葉

楽しかったなら良かった

狂華

そっちは大丈夫か?

狂華

神祖様が寝込んだからって落ち込んだりしてないか?

不葉

大丈夫だよ

不葉

銀木犀がいないくらいでそんな落ち込んだりしないよ

狂華

本当か?

不葉

もちろん

狂華

俺はよ

狂華

不葉が心配なんだよ

不葉

…不葉

狂華

今は俺的にプライベートな時間だ

狂華

ダメだったか?

不葉

いや?

不葉

別にいいよ

不葉

ただ…他の人からそんなにその名前で呼ばれないから新鮮で嬉しいだけ

不葉

銀木犀しか呼んでくれないんだ

不葉

他の人は「不葉様」とか「不滅」とか「忌み子」とか…

狂華

……

不葉

だから、そう呼んでくれるのは嬉しい

狂華

なら、良かったよ

狂華

…だからさ

狂華

少し、これも許してくれないか?

不葉

えっ?

狂華が手をこちらに伸ばしてくる

何故かとてつもなく避けたくなった

が、間に合わず頭を掴まれる

不葉

狂華……?

狂華

……許してくれ、不葉

辛そうな顔で喋る狂華

そして、この世界の術を発動させる

狂華

花詞・狂い咲き

不葉

っ……?

狂華

…ごめん、不葉

狂華

ほんの少しだけ身体貸してくれ

狂華

……おいおい

狂華

年相応ならもっと明るい頭の中してろよな

狂華

……さて

狂華

幼少期、月華接触前…っと

狂華

ここら辺か……?

不葉

はぁ…はぁ…はぁ…

不葉

逃げなきゃ……

不葉

早く……早く……

狂華

(おっといきなり修羅場か?)

狂華

(何から逃げてる……?)

不葉

もう……戻りたくない

不葉

あそこは…息がしずらいよ…

狂華

(……?)

狂華

(過去……だよな?)

狂華

(今の不葉からは想像出来ないほど素直だ)

狂華

(むしろどこで曲がったんだ?)

不葉

……はぁ

不葉

疲れちゃった……

不葉

あそこだけは…っ

不葉

うっ……

狂華

(おいおいマジかよ……)

狂華

(気持ち悪くなるほどストレスを与えられていたのか?)

狂華

(誰が……?)

不葉

はぁ……はぁ……

不葉

もうやだ……

不葉

あそこには自由が無いよ……

不葉

もう……苦しいよ……

狂華

(……こりゃあ)

狂華

(本当に何があったんだ?)

「魔女様」

こらこら、そこの坊ちゃん

不葉

あっ……だれ……

不葉

嫌だ!!!帰らない!!!

不葉

僕に期待したって何も出来ないよ!!

「魔女様」

私は何も言ってないよ

「魔女様」

それに私はもう城の人間じゃないよ

不葉

……じゃあ、誰

狂華

(……誰だ?こいつ)

狂華

(どっかで見たことあるような…)

「魔女様」

私は君を救いに来たんだよ

不葉

……救い?

不葉

僕の魂を奪おうとする人じゃないの?

狂華

(魂?)

狂華

(ここにも神祖様はいたのか……?)

「魔女様」

いや、その人達じゃない

「魔女様」

だから、私と取引をしない?

不葉

……取引?

「魔女様」

うん

「魔女様」

私は君を助けてあげよう

「魔女様」

その代わり君は城へ戻るんだ

不葉

……なんで

不葉

あそこには戻りたくない

「魔女様」

大丈夫だよ

「魔女様」

私がなんとかしてあげる

不葉

……本当?

「魔女様」

うん、本当だよ?

「魔女様」

私は君を助けるからね

狂華

(誰だ本当に……)

狂華

(ま、こいつが黒幕で間違いないな)

狂華

(さて……この続きを……)

突如、光り出す視界

世界から、存在を否定されたような

そんな気分で、目を閉じた

狂華

……

目が覚めると不葉の部屋だった

狂華

……はぁ

あれ以上は無理かと判断し

不葉をベットの上に寝かせる

無理をさせたので暫くは起きないだろうと思って

狂華

……誰なんだろうねぇ

独り言を吐いていた

不葉

……ここ、どこ?

気がつくと真っ白な世界に漂っていた

動くことすらままならずふよふよと浮いていた

……なにか、大切なことを忘れているような気がする

不葉

……どこだろ、ここ

梔子

ここは貴方の深層世界

梔子

初めまして

梔子

私は梔子(くちなし)

梔子

よろしくね

不葉

……君、前にもどこかで?

梔子

いや?初めて会ったよ

不葉

……あれ、そう?

不葉

前にも君にあったことがあるような気がしたんだけど……

梔子

まぁまぁ

梔子

そんなことどうでもいいでしょ?

梔子

私は君とお話をしに来たの

不葉

……話?

梔子

うん

梔子

君、もう少ししたら運命的な出会いをするよ

不葉

……運命的な出会い?

梔子

うん

梔子

君の将来を決めるものだ

不葉

……なんだろうね

不葉

君と初めて会うのに信じたいと思ってしまうんだ

梔子

そりゃ有難い

梔子

だからね

梔子

それを見逃さないんだよ

梔子

君の力を信じていいよ

梔子

その力は君に応えてくれるから

不葉

……うん、分かった

梔子

それじゃあ

梔子

時間らしいからまた会えたらね

不葉

うん、また会えたら

梔子

……

梔子

あれが「不滅」…

梔子

記憶力もいいらしい

梔子

……後で向こうの世界の人に話したらすぐバレるんだろうな

梔子

私の正体と現れる理由を

梔子

君はやっぱり知らないんだね

梔子

白い花は死の概念から咲くことを

梔子

……あと、もって数十日かな

第20話・赤き彼岸の華

枯れる前の夏、最期は優しい香りで

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コメント

3

ユーザー

なるほど……!!不葉さんの記憶の中に入り込むのね……!! 記憶の中の不葉さんも結構辛そう……あんなに必死に逃げようとしてるだけじゃなくてストレスの症状がめちゃくちゃ出てる……💦 黒幕らしき人物を見つけることは出来たけど、これといった収穫はあまりなさそうだったよね……一体あの人は何者なんだろう……🤔🤔 ん……?え、もしかして梔子さんって……? しかも、もってあと数十日なんて……そんな……

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