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人物乗っ取りアプリ

そろそろお気づきですか?

ドキッ

私は、少しドキッとする。

沙恵(さえ)

え?

沙恵(さえ)

どういうことですか?

人物乗っ取りアプリ

※このメッセージは自動的に送られているものです。
そのため、返信を頂きましてもご返答しかねますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。

沙恵(さえ)

ちょっと、それやめてください

沙恵(さえ)

ちゃんと説明してもらわないと、わかんないじゃないですか

人物乗っ取りアプリ

※このメッセージは自動的に送られているものです。
そのため、返信を頂きましてもご返答しかねますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。

沙恵(さえ)

(だめだ...全然こっちの話も聞いてくれない...)

私は少しムシャクシャしながら、 アプリを閉じた。

次の日

担任の先生

皆さん、おはようございます

私が学校に到着してすぐ、朝礼が先生によって始められた。

担任の先生

えー、今日は表彰があります。

担任の先生

このクラスの深瀬 蘭さんが、全国高校生人権小論文で、2位を獲得しました。

担任の先生

深瀬、本当におめでとう!

沙恵(さえ)

(あー...なんか、そんなようなもの書いたっけ...)

沙恵(さえ)

(にしても蘭は本当にすごいなぁ...)

パチパチパチパチ

教室全体に、拍手が広がる。 この拍手は全部、蘭に向けられた物だ。

ありがとうございます

蘭が立派な賞状をもらい、頭を下げた瞬間だった。

どこからか、ヒソヒソ話が聞こえる。

クラスメイト

蘭ちゃんって、本当に凄いよね

クラスメイト

本当にね、凄いよね...

クラスメイト

でもさ、あんなに完璧な蘭ちゃんなのに、なんでずっと沙恵さんと一緒にいるんだろう

クラスメイト

え!それ私も思った

クラスメイト

なんか地味っていうか...ちょっと釣り合ってない感あるよね

クラスメイト

本当にね

.....は?

この人達は、何を言ってるの...?

貴方達も、私と同じ凡人ではないか。 誰と仲良くなったところで、蘭ほど完璧な人はいないじゃないか。

私は、非常に腹が立った。

しかし、私は腹が立ったことを無理やり飲み込んだ。

朝礼が終わり、蘭が私の所へやってくる。

沙恵!一緒に次の授業行こ!

沙恵(さえ)

......

沙恵?

どうしたの?

私は、何も知らない蘭に、イラッとする。

沙恵(さえ)

別に、何でもない

なんか、顔色悪いよ?

具合悪いの?

沙恵(さえ)

......なんでもないって

沙恵(さえ)

ちょっと用事があるから先行くね

...え?

ちょっ、沙恵!

私は、蘭を避けるように次の教室へ向かった。

帰りの会

そして、なんとなく蘭とギクシャクしたまま、1日が終わってしまった。

担任の先生

...以上で、先生からの連絡を終わります。

担任の先生

以上!号令!

クラスメイト

きりーつ

クラスメイト

気をつけ、礼

担任の先生

はーい、皆さんさようなら〜

ガタガタッ

各々、同じクラスメイトが帰っていく。

沙恵(さえ)

(はぁ...蘭とギクシャクしたまま終わっちゃったな...)

沙恵(さえ)

(後で謝らなきゃ)

担任の先生

あ、高橋!

沙恵(さえ)

...はい?

担任の先生

ちょっと話があるから、ちょっと化学室へ来てくれ。

沙恵(さえ)

...はい、わかりました。

沙恵(さえ)

(はぁ...将来のことについてなんだろうな...)

沙恵!一緒に帰ろう

沙恵(さえ)

(あっ...蘭...)

謝らなくてはならない。 頭では理解しているけど、 私は心が追いつかなかった。

どうしても蘭と、 目を合わせることが出来ない。

沙恵(さえ)

....ごめん、私先生に呼ばれてるから。

え.....どうして......

私は後ろめたさを隠すように、 その場を去った。

化学室

担任の先生

おお、待たせてすまんな

先に化学室に来た私に、先生は少し慌てながら私の前に座る。

担任の先生

多分気づいてると思うが、将来のことについてちょっと話したくてな

沙恵(さえ)

(はぁ...やっぱりな)

担任の先生

将来の夢は決まったのか?

沙恵(さえ)

いえ...

私は下を見る。

担任の先生

うーん...
深瀬から、何かアドバイスを聞いたらどうだ?

沙恵(さえ)

えっ?

沙恵(さえ)

(なんで、今蘭の話が出てくるの?)

担任の先生

深瀬は将来の夢も決まってるみたいだし。それに、何でも話しやすいだろ?

沙恵(さえ)

......そうですね。
相談してみます。

心の中とは真反対なことを、私は先生に言った。

すると、担任の先生はホッとした顔だった。

担任の先生

そうか。
また何か進展があったら教えてくれ。

担任の先生

あと、相談とかあったら聞きたいと思ったんだが...何かないか?

沙恵(さえ)

いえ。特にはないです。

私は嘘をついた。

担任の先生

そうか。じゃ、今日は帰っていいぞ

私は満足顔をしている先生を置き去りにし、化学室を出た。

私は、自分自身が嫌いなことを、改めて実感した。

沙恵(さえ)

(こんな自分に、一体なんの価値があるんだろう...)

沙恵(さえ)

(いや....そもそも、蘭が完璧すぎるのではないか?)

沙恵(さえ)

(だから、自分自身が醜く映るんだ)

沙恵(さえ)

(こんな気持ちになるのは、全部蘭が悪いんだ。)

そんな考えを巡らせながら、私は教室に戻った。

教室に戻ると、そこには蘭と高野くんの姿があった。

沙恵(さえ)

....!?

カーテンに移された影は、抱き合っていた。

沙恵(さえ)

(うそ..........どうして.......)

沙恵(さえ)

(私が高野くんを好きだってこと、蘭知ってるくせに....!!)

私がその場に立ち尽くしていると、蘭が私に気づく。

.......さ、沙恵!

沙恵(さえ)

.............蘭、さいってい

えっ、ちがっ、これは!

沙恵(さえ)

もういいよ

私は込み上げてくる涙を見せたくなくて、必死にその場から逃げた。

沙恵!待って!

沙恵(さえ)

ハァ、ハァ......

いつも、蘭と一緒に帰っていた道。

沙恵(さえ)

.......うぅっ....

私は、涙が止まらなかった。

沙恵(さえ)

(どいつもこいつも、私を馬鹿にして...!!)

沙恵(さえ)

(どうしていつも、蘭ばっかりなの!)

沙恵(さえ)

(私だって、何にでもなれるんだから...!!)

沙恵(さえ)

(.....そうだ、蘭になろう。)

沙恵(さえ)

(あの人物乗っ取りアプリを使って、蘭になればいいんだ!)

そう考えた時、蘭からLIMEが届いた。

沙恵、さっきのは誤解なの。話を聞いて欲しい。

応答なし

応答なし

おねがい、電話に出て

応答なし

応答なし

応答なし

応答なし

沙恵、おねがい

あのいつも完璧な蘭が、焦って私の機嫌を取ろうとしていることに、

私は少し愉快だった。

沙恵(さえ)

悪いけど、私蘭と話すつもりない。

沙恵(さえ)

だって、抱き合ってたことは事実じゃん。

違うの、聞いて

沙恵(さえ)

やだ、言い訳は聞きたくない。

沙恵(さえ)

蘭のこと、信じてたのに。

沙恵(さえ)

私が高野くんのこと好きだってこと、蘭は知ってたのに。

沙恵(さえ)

もういいよ。

沙恵(さえ)

もう、私に関わらないで

私は少しスッキリして、アプリを閉じた。

その代わりに、私はあのアプリを開く。

人物乗っ取りアプリ

アプリのご利用、ありがとうございます♪

人物乗っ取りアプリ

本日は、どの方を乗っ取りますか?

沙恵(さえ)

同級生 深瀬 蘭

私は、蘭の顔を思い浮かべながら、自分の部屋に横たわり、手を合唱をさせた。

沙恵(さえ)

(蘭になって、人生を私は謳歌するんだ!)

人物乗っ取りアプリ

人物乗っ取りアプリ

同級生 深瀬 蘭

人物乗っ取りアプリ

承知いたしました。

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