ルイ
〜〜〜♪

ルイ
どうしたんだ?さっきから全然攻撃当たってねぇぞ?

ルイ
まぁそりゃそうだよな〜氷を使って自分の分身作ってるし

辺りには霧が立ち込められ、そして瑠衣と同じような人影がたくさんいる
杖道
氷を使って自身と同じ頭身の仏像を作り、そして霧を出すことで本物か分からないようにする……

杖道
やはり瑠衣も記録者として成長しているんだな

仁
やめろおっさん、おっさんくさいぞ

杖道
ぐッ……

ルイ
……俺は記録者なんかじゃねぇよ

ルイ
俺は、俺は……すみれたちの仲間だ

仁
…………

とはいえすぐにいつものような好奇的な目に戻ってしまうのだが
ルイ
でもよ、やっぱり千里眼って強いんだな

ルイ
炎と氷っていう最強能力持っているのに、互角なんだし

ルイ
そう……これでもお前と互角なんだよッ……

仁
だったら本気出してみろよ

ルイ
はっ?

仁
俺に勝ちたいんなら、本気でかかってこいって言ってるんだよ

仁
何事も全力で後先考えないのがお前だろ

ルイ
なに?楽勝すぎて敵に情けをかけるのか?

ルイ
本当嫌なやつだな

杖道
ま、待て……ってことは

杖道
瑠衣はまだ手加減をしているということか?

ルイ
そうだぜ?

ルイ
本当は行けるところまで行ったら本気出したかったんだけどな

ルイ
でもいいぜ、そこまで俺のことをバカにするんだったらさ

ルイ
俺の本気、見せてやる

その瞬間、瑠衣の瞳の色も、雰囲気も、何もかもが変化した
と同時に隣にいたはずの恩師がいないことに気がついた
仁
おっさん⁉︎

仁
瑠衣、お前何をした

ルイ
俺の異能を「化合」させたんだ

仁
はぁ?

ルイ
俺の異能は氷と炎

ルイ
他のやつには後でやる予定だったらしいけどよ、俺だけ特別に2能力制になったんだ

ルイ
2能力は別々に使うだけでも体力を結構消費するし何より代償が大きい

ルイ
でも別にいいさ、こうやって仁が来ることなんて分かりきったことなんだからよ

ルイ
1つ目の異能と2つ目の異能、そして俺自身が持つ異能の器

ルイ
それらをバランスよく、まんべんなく使うことで力は最大化される

ルイ
それが異能の化合だ

仁
……その分代償も体力の消費も激しいんだろ?

ルイ
まぁな

ルイ
でも、お前を倒すことができるんだったらさ

ルイ
俺の人生、悔なんかねぇよ

ルイ
もしこれで俺の命が朽ちてもそれで……

仁
いいわけねぇだろ

仁
俺たちはお前を連れ戻すためにここにきたんだ

仁
なのに「俺の命が朽ちてもいい」だと?

仁
ふざけたこと言うな、お前らしくねぇ

仁
お前はホークアイズの記録者だろ

ルイ
…………

ルイ
うるせぇよ

仁
はっ?

ルイ
俺はよ、ずっとお前が憎たらしかった

ルイ
あの時の俺は自分が1番強いって思ってた

ルイ
物理戦闘において、誰にも負けねぇって思ってた

ルイ
でも……違った

ルイ
お前は俺よりもずっとずっと強くて

ルイ
この街で1番頼りにされていて、人望もあって

ルイ
俺にないものを全部持っていてさ

ルイ
本当、お前のことが大っ嫌いだったよ

ルイ
だからずっと思ってた

ルイ
「あぁ〜俺って仁やおっさんにとっての影なんだ」って

仁
影?

ルイ
そう、2人がより輝けるように、活躍できるように

ルイ
そのためだけに存在する……引き立て役

ルイ
主人公の存在価値を高めるためだけに位置付けられた配役

仁
そんなわけッ……

ルイ
そんなわけあるんだよ‼︎

ルイ
俺は、ずっと……ずっと……

ルイ
お前らと同じ位置にいたかった‼︎

ルイ
仁みたいな人に……なりたかった

ルイ
だからお前をここで倒せば、消せば

ルイ
俺も……お前と同じようになれるだろ?

仁
……………

仁
本当に、それだけなのか?

ルイ
はっ?何言ってるんだ?

仁
俺にはお前の本心を視ることはできねぇ

仁
だけど何年一緒にいると思ってる

仁
嘘ついているくらいすぐにわかるに決まっているだろ

仁
言いたいことがあるんならちゃんと言え

仁
本当に、ただ単に俺に勝ちたいだけなのか?

仁
もっと何か……その奥にまだ何かあるんじゃないのか?

ルイ
…………はぁ

ルイ
まじで腹たつ、俺の全部を見透かしているような感じしてさ

ルイ
俺はさ?本当は、仁に勝って……

ルイ
みんなに、認めてもらいたかったんだ

ルイ
パリにいたころみたいに表向きの、心のこもっていない言葉でじゃない

ルイ
俺のことを知らないこの見知らぬ土地で、みんなに認められたかった

ルイ
この街で1番になって、歓声を浴びたかった

ルイ
……なんて、ただの自己満足だよな

ルイ
自分より強い人に勝手に嫉妬して、こんな卑怯な方法で上になろうだなんて

ルイ
でも俺には……それしか方法がないからさ

ルイ
だからよ、仁

ルイ
俺のために……お前が朽ちてくれ

仁
ちッ…さっきから黙って聞いていれば

仁
ふざけたことを言いやがって

仁
そのバカな頭に、一発入れてやるよ
