沢山の人の声 、 虫の鳴き声 、 そして花火の音 。
本来なら花火を2人で観る予定だったが 集合時間になっても山田は来ず 、 寂しさを紛らわせる為 こむぎは屋台を見てまわっていた 、
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きょろ ヾ と辺りを見渡すが やはり山田は来ていない。 俺が集合場所間違えたんか?と一瞬思ったが そんなことはないはず 。 ちゃんと確認もしたし ..
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ホラ 、 とついさっき買ったばかりのチョコバナナを手渡した。
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「 ノリ悪いわ 〜〜 。」なんてぼやきながら山田は大きく口を開け チョコバナナを一口で4分の1ほど食べた
その間 、 ちらちらとこむぎからの視線を感じ じっと見つめ返すとやばっ、と言いたげな焦った顔で目を逸らした
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にまにまとこちらの表情を伺う山田に「 そないなこと考えとらんわ 。 そーちゃんやあるまいし 。」と適当に流すと「 ほら 、 早くせんと花火終わるで?」と軽く山田に手を差し伸べた
腑に落ちない、と言いたげな表情を浮かべながらも山田はその逞しい手に自分の手を重ね ぎゅっと握りしめた 、
花火が空に打ち上がる音 、 そして静かに散っていく様を見て山田がぽつりと「 綺麗 、」と呟く 。
すかさずこむぎが「 有難うなあ 、」と返すと「 お前ちゃうわ 。」とじっとこむぎの方を睨む 。
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と自慢げにそう言うと山田が「 ふは 、 耳だけなんや 。」と軽く吹き出す
暫く花火に見入っていたふたりだったが 花火もクライマックスになっていった頃 、 こむぎの方から山田の手首を掴んだ 。
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動揺しつつも手を振り解こうとする山田にこむぎが軽く寄りかかり「 逸れたらいけんやろ?、 俺はデカいからまだしもお前ちっこいやん 。」と笑いながら言う 。
「 何やと?! 」 と軽くキレる振りをしようとするこむぎが山田の手を強制的に恋人繋ぎのように繋ぎ合わせ 「 あ 、 ホラ もう最後やって 。」と呟く 、
「 側から見たら俺らどう思われてんねやろ。」とふと山田の頭に疑問が浮かんだ 。
兄弟…は、違うし。親子なわけあらへんし。…
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こむぎのタイムリーなひとりごとに一瞬頬を赤らめる山田だったが じっと目を瞑っているこむぎを確認すると こちらからも手を握り返した 。
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「 お前一言余計やねん 」とこむぎが軽く突っ込みを入れると そこからはふたりとも黙り込んでしまった 。
対照的に周りは盛り上がっていく。 祭り最後の花火が上がるみたいだ 。
夜も遅いし 昨日もまともに寝れてへんしで眠たげな山田に こむぎがラストの花火に負けへん程の声で
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と叫んだ 。
不意に恥ずかしくなって山田だが 花火が終わらないうちに俺も、と全身から力を振り絞り「 当たり前や ーー !!」とこむぎに負けない声量で返した 。
翌日 山田が喉を壊したのは言うまでもない