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ここが…僕のいた研究所だ、

体中の細胞が、ここに入るのを拒絶しているのが分かる。

大丈夫……怖くない…僕はもう、人間なんだ…大丈夫、大丈夫…

もしもまた、人間じゃなくなってしまったら?

ッ……

怖い

怖い

怖い

落ち着け…大丈夫、大丈夫…

見たところ、廃墟になってから何十年も経っているようだ。

そりゃそうだ…僕がみんな、殺したんだから…

大丈夫…博士はもういない…僕に痛いことする人達は、もういない…

分かっていても、足は竦んで動かない

ぁ…

急に力が抜け、その場にへたり込んだ。

ぅ…うぅッ…

おい、大丈夫か?!

えっ……?

聞き慣れた声に思わず振り返る。

司……くん?なん、で…

寧々から聞いた。それより、どうしたんだ?!

あ…えっと、

怖…くて。動けないんだ…

…まさか、お前にも怖いものがあったなんてな。

肩を貸してやろう。立てるか?

あ……う、ん。すまないね。

このくらい構わん。ほら、帰るぞ。

うん…けど、行かないと…

何故だ?そんなに震えて…無理しなくていいんたぞ。

あそこには…絶対何かあるはずなんだ。それでこそ、「能力」について分かることがあるかもしれない。

「能力」について…とは?

僕の推測だけど、「能力」は潜在的なものだ。つまり、僕らが「能力」を持ったのには何か理由があるはずなんだよ。

む…「能力」を持った理由なら、俺が国も何もかも全てを憎んで奪ってやる…と思ったからじゃないのか?

それは「能力」が"発動した理由"だよ。持った理由じゃない。

むぅ……なるほどな。

よく考えてみて。そもそも、「能力」ってなんだい?

むぅ…考えたこと無かったが、確かにおかしな話だな。

なんの為に「能力」なんてものがあるんだ…?悪魔や魔人ならまだしも、俺たちは人間だしな…

「能力持ち」の人間なんて滅多にいない。なら…何故、僕らには「能力」があると思う?

う…うぅむ…

僕が思うに、全て仕組まれたことだったんだよ。「能力」を発動し、「終焉」の秘宝で願いを叶えるまで、全てが…

ん…?となると、「終焉」の秘宝で願いを叶えさせた理由はなんだ…?

「終焉」の秘宝は、「終焉」の悪魔の魂を四つ封印したもの…願いが叶うとそれらは消えた…ということは、封印が解けた?

類?

………………もしかして、

なんだ?何か分かったのか?

…僕らはとんでもない事をしてしまったのかもしれない、

もしこの推測が正しかったら…

第二次悪魔大戦が始まる。

な…ッ?!

もしかして最初から…いや、会う前から…

…完敗だね。

なんだ?!全く話が読めんのだが?!

ねぇ、司くん。おかしいと思わないかい?

カイトさんは、「終焉」の悪魔に魔力を半分与えられたから、悪魔と同等の力を手に入れたと言っていたね?

ああ…確かに以前聞いたような…

いくら「終焉」の悪魔とは言えど、魔力を半分与えられたくらいじゃあ、せいぜい500年程しか生きられない。

悪魔の平均寿命は1000年だからね。

けど、カイトさんは700年以上は生きてる。

…つまりは、何が言いたい?

カイトさんは多分_

カイト

……ふー、疲れた疲れた

カイト

あー…けど、これでもう終わる。

カイト

長かったけど…彼女との約束をようやく果たせる。

カイトさんは…悪魔だ。

んなッ…?!

カイト

ここまで全て計画通り…

カイト

だけど…困った。類くんには気付かれたかもしれないな…

カイト

ふふ、流石僕の弟子。優秀だね。

カイト

けど…厄介なのは冬弥くんだな。

カイト

あの子は彰人くんに執着している…僕の計画には協力してくれないだろう。

カイト

いっそ彰人くんを使って脅す…?

カイト

……いいや、冬弥くんに手を出したら彼女に怒られるな。辞めておこう。

カイト

どのみち、人間界は終わりだ。

カイト

彼女が望んだ通り…悪魔と人間が共存出来る世界を作り直すんだ。

カイトさんが…悪魔…

その可能性が高い。

それで、第二次悪魔大戦とはどういう事だ?!

恐らく、近々悪魔達がまた人間界に攻めてくる。

600年前と同じようにね、

何故だ?!

「終焉」の呪いを僕らが解いてしまったからだよ。

「終焉」の呪いを……?

願い事、叶えたろう?

まさか、あれが……

まぁでも、僕らは気にすること無いと思うよ。

な、何故だ?!戦争が始まるのにか?!

だって、秘宝に願ったじゃないか。

「俺は…俺たち4人が、幸せになれる世界を創りたい。」

!!

ね?

たし…かに、願った、

だから、僕らに危害が加わることはない。それに、僕らが幸せになるためには1度この世界を滅ぼした方がいい…そうも思わないかい?

なるほどなぁ、、

確かに…それはいいなぁ…

…司くん。僕はね、君が好きなんだよ。敵味方関係無くね。

だから…君が何を選んでも、僕は君の意思を尊重するよ。

ねぇ、君はどうしたい?

……俺、は

俺たち4人で…幸せになりたい…

うん。

けど……誰かが死ぬのは…嫌だ、

うん。

だから…

戦争を止めて、俺たち4人で幸せになりたい!

…「強欲」の君らしいね。

フフッ、仰せの通りに。

類、その為にはどうしたらいい?

そうだね…まず、えむくん達の所へ戻ろうか。

帰ったら、即刻作戦会議だ。

えむ

えぇえぇええ!?!?

えむ

せ、戦争?!そんなの、やだよ!!

寧々

て、てことは、世界滅亡も有り得るって事?

えむ

やだやだぁ!!みんなと一緒にいる!!

2人とも、落ち着いて。

僕らが秘宝に願ったこと、忘れたのかい?

えむ

秘宝に願ったこと…?

「私…ずっと、みんなで楽しく笑顔で過ごしたい!」

えむ

みんなで楽しく笑顔に過ごすこと!

そう。だから僕らが戦争に巻き込まれることは無いだろう。

寧々

そっか、秘宝に願い事したから…

寧々

でも、だったら私たちには関係ない話だよね。

そう、そうなんだよ。でもね、

…俺は、人が死ぬのを見たくない

えむ

司くん…?

だから、戦争を止めて、その後に4人で幸せになる。

お前ら、手を貸してくれるか?

えむ

もちろんっ!みんなでニコニコ作戦だね!

寧々

ふーん…まぁ、司らしいね。

寧々

嫌だなんて言うわけないでしょ?あんたの無茶振りは今に始まったことじゃないんだから。

お前ら……

それだけ、君の人望は厚いんだよ。

フフ、我らが座長さん♪

…ああ!

寧々

それで、戦争ってどう止めるの?

……………類!

はいはい。

まず、僕らの能力を取り戻そうと思う。

えむ

能力を?

寧々

けど…どうやって?

恐らく、「能力」自体はまだ僕らの中に潜在しているはずだ。だから、それをもう一度目覚めさせる。

もう一度…あの思いを、体験するのか?

……ああ。そうなるね。

えむ

ぇ…

さぁ、どうする?

やるに決まってるだろう。

えむ

私もっ!やるっ!

うん、そう来なくちゃ。

寧々

ねぇ、私はどうすればいいの?

寧々

私は類の「能力」のただの依り代。私に「能力」は潜在してない。

そうさ。だから、寧々には別にやってもらいたい事がある。

寧々

分かった。どうすればいい?

ちょっとした"おつかい"をして来てくれるかい?

寧々

ちょっとした"おつかい"…?

うん♪

それで…どうやって「能力」を目覚めさせるんだ?

ここに、それぞれの「能力」に合った部屋を用意したんだ。

えむ

わ〜!扉が浮いてる!

この扉の先には、当時とは違うけれど、「能力」を発動させるための条件が揃っている。

なるほど…

期限は3日。耐えられなくなったらすぐに扉から出ること、いいね?

承知した!

えむ

了解っ!

じゃあ…お互い、無事を祈るよ。

司くんはこの扉、えむくんはこの扉だ。

よし……

えむ

れっつごー!

彰人

なるほどな。結局、何も分からなかったのか。

こはね

うん…

じゃあ、こはねのお母さんって誰なんだろう…?

こはね

分からないんだよね、

冬弥

もしかすると…小豆沢も、人では無いのかもな。((ボソッ…

彰人

え?

こはね

あ、青柳くん、それってどういう…?

冬弥

…分からない、

彰人

またお得意の"勘"か?

冬弥

そう…なのかもしれない、

うーん、ハッキリしないねー

寧々

あ、あの…!

こはね

あっ、く、草薙…さん?

冬弥

ピクッ

彰人

こら、冬弥ステイ!

冬弥

どうしたの?というか、1人って珍しくない?

寧々

えっと、あの、とにかく聞いて欲しくて…

寧々

青柳も…ごめん。あんたからしたら、私のこと許せないと思うけど、協力してほしい。

冬弥

こはね

協力って?何かあったの?

寧々

だ、第二次悪魔大戦が始まるかもしれないの…!!

第二次悪魔大戦?!?!

冬弥

?!

こはね

え!?な、なんで?!

寧々

とにかく説明するね、

こはね

か、カイトさんが悪魔?!

寧々

これは類の推測…だけど、かなり濃厚な仮説らしい。

冬弥

悪魔…

彰人

なんか気付かなかったのか?

冬弥

悪魔の気配は、した。けど、それは祖母の魔力を半分も持っているからだと…

寧々

そう。だから類も気付かなかったらしい。

寧々

(類…相当悔しそうだったな。「あれだけ近くにいたのに」って)

それで、協力って何すればいいの?!

寧々

私たちと、戦争を止めて欲しい

彰人

戦争を止める……

寧々

この戦争を止めるには「能力」が必要なの。だから……!

こはね

もちろん、協力するよ!

寧々

ほ、本当…?

こはね

うん!こんな能力だけど…少しでも役に立てるなら!

私もこはねに賛成!

彰人

ま、俺も異議なし

冬弥

彰人が協力するなら、俺もする

寧々

あ…ありがとう!!

寧々

とにかく…私たちの基地に来て欲しい。そこで類に作戦聞かなきゃ。

こはね

分かった!

よしっ!世界救うぞ!!

…って、意気込んで来たけど、、

ヒュッ、ヒュッ…ゲホッ!

えむ

ぅ"ッ……グスッ、ヒグッ

カハッ、ゴホッ、ゴホッ!

ど、どういう状況…?!?!

彰人

おいおい…な、何があったんだ?

寧々

えむ!!類!!司!!大丈夫?!?!

えむ

ね…ねちゃ、ヒグッ

寧々

何があったの?!

扉から部屋に入って…能力を目覚めさせようとしたんだ、ゲホッ

…再び目覚めさせようとすると、体が拒絶反応を示すんだ。だから、1度目覚めた時よりも、条件がしんどくてね…

寧々

わ、分かったから!取り敢えず落ち着いて…!!

寧々

お、お水とか持ってくるから!!

すまない……

(凄いな…自分たちの野望のために、そこまで…)

(…悔しいだろうな、)

能力「共感ーシンパシーー」発動

ゲホッ……ん?

ゴホッゴホッ……おや、

えむ

あれれ?

え?!な、何?!

こはね

あ、杏ちゃん!今の…?

驚いた…「共感」は魔術も無効化出来るのか!

え?!え?!

今のは君の能力だろう?

そ、そうですけど!使おうと思った訳じゃなくて…えっと、そもそも私の能力は相手の心臓部分に触れなきゃ発動しないし…

ふむ…けど、今のは確かに能力だ。

えむ

杏ちゃんすごーい!!

え、えへへ。そうかな?

彰人

けど、発動条件を無視するなんて出来るのか?

フフ、何言ってるんだい?君は僕達の能力を見たことが無かったかな?

彰人

はぁ?

冬弥

確かに…類さん達は、どこでも自由に能力を発動していたような、

こはね

た、確かに…けど、青柳くんも自由に発動してた気がするけど…

そういえば、そうかも!

冬弥

いや、「虚空」も一応は条件付きだ。

彰人

え、そうなのか?

冬弥

ああ。ただ、その条件を簡単に満たしてくれる人が近くにいるから、自由に発動しているように見えるんだろう。

じゃあ、なんで類さん達は無条件に能力が使えるの?

簡単だよ。君らより能力の扱いに慣れてるからさ。

僕らを大人とするなら、君たちはまだ赤子だよ。能力の扱いに関してはね。

彰人

…確かに否めねぇな

こはね

ど、どうすれば…

大丈夫。僕達がちゃんと教えてあげるから。

え、初耳だぞ

今決めたからね。

教えるって?

まぁ待ってよ。その前に僕らは、「能力」を目覚めさせなきゃいけないからさ。

…ああ、そうだな。

えむ

…頑張る!!

寧々、僕の部屋にメモがあるから、それの通りに動いてくれるかい?

寧々

う、うん!分かった!

じゃあ…行くぞ!!

えむ

おー!

こはね

行っちゃったけど…大丈夫かな、

なんか…カイトさんの試練思い出すね

彰人

うわ……確かに

冬弥

やめてくれ…思い出したくない、

続く

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コメント

5

ユーザー

あかまるさんは何故こんな伏線を張ってちゃんと回収できるのか、文章力、想像力、ひらめきが沢山あるのか。 師匠ぉぉおぉぉ!←なんでやねん☆

ユーザー

ワンダショが苦しんでるとしんどい………いつも明るいから余計💦💦💦寧々ちゃん、ワンダショを助けてあげて〰️〰️➰➰➰‼️‼️‼️‼️😭😭😭😭😭😭

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