第5話「もうひとりの日向」
放課後・美術室 (窓の外は曇り。昨日よりも光が弱い)
日向
蘭
日向
蘭
日向
蘭
日向
(蘭は静かに頷き、スケッチブックを開く)
蘭
(昨日の絵——笑う日向——の背景が、少し違っている。 教室の机が1つ減り、窓際の花瓶が消えている)
日向
蘭
日向
蘭
(日向は無意識にスケッチブックに触れようとする)
結衣
日向
結衣
蘭
日向
(真白も駆け込んでくる)
真白
蘭
真白
日向
結衣
結衣
(空気が凍る。蘭の瞳が揺れる)
日向
真白
真白
蘭
蘭
(日向の手が震える)
日向
日向
(スケッチブックの中の“笑う日向”が、微かに微笑んだ)
蘭
蘭
蘭
(日向の頬を、涙が一筋落ちる)
日向
蘭
蘭
(夕陽が差し込み、スケッチブックのページが静かにめくれる)
次回予告:「消えない笑顔」 “現実の日向”と“絵の中の日向”。 二つの存在が重なり始める。 蘭が選ぶのは、どちらの“日向”なのか——。
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