br
shk
家中から漂う暗い雰囲気
最近、nkが部屋に引きこもっているから
理由は分からない
kr
声のでかいkrも、常人並みの声の大きさ
みんな静かに椅子に座って食事をとり始める
美味しいはずの食事もなんだか寂しい
黙食が続く
賑やかさの欠片もない
暫くすると、食事を終える人がでてきた
kn
knが手を合わせ席を立つ
kn
彼はいつも、食事を終えるとnkの部屋の前にご飯を持っていく
でも、大抵ご飯は残ったまま
コンコンッ
軽くドアをノックする
kn
彼の名前を1文字だけ言うと、声が止まる
あれ...俺...誰の部屋に来たんだっけ
これは誰のご飯だっけ...
全身が固まる
記憶が曖昧になっている
ガチャッ
少し、ドアに隙間ができる
茶色い髪にパンダのパーカー
kn
久しぶりに見た気がする
生きていたことに安堵する
だけど
なんで...俺...
nkのこと...忘れてたんだろ
彼のことを愛しているはずなのに
忘れるわけがないのに
kn
彼の顔は見えなかった
無理に話すのはよくないと思ったので、俺はこの場から去った
〈knの奇病〉 無自覚 『忘愛症候群』 想いを寄せている者を忘れてしまう 治療法︰???
nk
knの様子がなんだかおかしかった
いつもは、ノックした後にすぐに「ご飯置いとくね」と言ってくる
けれど、今日は違った
名前すら、呼んでくれなかった
それに、表情を見ると驚いていたように見えた
俺が久しぶりに姿を見せたからだろうか
それとも────
nk
knが去った後、久しぶりにご飯をとってみた
nk
krのご飯は温かくて懐かしくて、涙が零れてくる
nk
みんなに会いたかった
nk
醜い姿になっていたから
nk
幻滅されるのも
nk
br
kn
さっきより明らかにおかしいkn
kr
krも同じことを思っていたらしくknに尋ねる
kn
わかりやすい動揺
必ず、なにかがあった
sm
smは突然、水色の名前を言う
kn
knは目を逸らし俯いた
sm
もしかしたら、knが話すことでなにかがわかる
smはそう思い、聞き出そうとしているのだろう
kn
聞き取ることの難しい彼の震えた声
kn
青色は拳を強く握り目元で涙を揺らす
sm
負の感情で溢れた空間
ぶつかり合い、落ちていく
以前の仲の良さはどこへ行ってしまったのか
これではただの
───心の殺し合いだ
kr
krがknとsmの間に割って入る
kn
熱が冷めた様子のknは振り返らずに部屋へ向かった
kr
krがsmの手に触れようとする
sm
smは素早く手を脚の横から動かす
それも、krを拒絶するように
kr
下手な笑顔
戸惑っているのが伝わってくる
sm
smは、短く返事をした
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