ヒール。〚完結〛

俺はゼリーを取ろうとして

久々に気がついた気がした。

良くないことは分かってる。

分かってたけど、気付いたら

ナイフに手が伸びてたんだ。

前の傷跡が薄く残ってる。

その傷を深めるように、新しく傷をつけるために

俺は前みたいに、刃を手首に当て

横にスライドさせた。

じわじわと痛みが広がると共に

少しずつ血も出てきた。

少しテンションが下げだけど

少し雑めに包帯を巻いて

袖で隠して、ゼリーを持って部屋を出た。

カオスだな　なんて思いながら

ゼリーを口に含んだ。

でも、前みたいな美味しさは感じなかった。

チーノはそう言いながら

デスソースを持ってきた。

そう押されデスソースを食べた。

でも、辛さは全く無い。

今日も医務室へ行くのは正直気が引ける

最近は毎日の様に行ってるし

そろそろ流石に申し訳なくなってきた。

みんなから浴びせられる

一言一句全てが、全部俺にとっては重かった。

ちゃんとしなきゃなって

プレッシャーに耐えなきゃいけない。

去り際にそうみんなに言い放った。

いいんだ。これで。

これでいいんだ。

俺は、いつまで経っても悪者だから

みんなのこと、突き放すようなことしか言わないからさ。

なんで、こんな言葉が出てきたんだろって

自分で自分を殴りたくなった。

いつまで経っても成長できない自分に

嫌気がさしていた。

俺はみんなから逃げるように

自分の部屋へ走った。

その場その場で

みんなに言ったことを、

言った後に後悔した。

なんであの場で謝らなかったんだって

なんであんなことで言ったんだって

自分で自分を責め立てた。

俺はずーっと無能だから

この軍には必要ない

悪者だから。

この軍には、居ちゃダメなんだ。

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