海斗
ふぁ〜…
海斗
…何だ、まだ朝の5時じゃん。
海斗
なんでこんな時間に起きたんだろう
その時…
海斗
…ん?なんだか臭うな
海斗
もう、なんだよこんな時間に。
一階から異臭がした。
海斗
うぇっ…なんというか…生臭いような…?
海斗
下へ行ってみようかな。
海斗が短い廊下を歩いているとき、隣からうるさい鼾(いびき)が聞こえた。
陽菜
ぐごおおお
陽菜
…ん?海斗、どうしたの?
海斗
相変わらず鼾がうるさいなお前は…、
陽菜
えへへ〜ごめん!
陽菜
それにしても、一階からなにか臭わない?
陽菜
お父さんとお母さんはまだ寝てるはずだし
海斗
…行ってみるか
海斗
(なんだろう…嫌な予感がする。)
海斗
(もしかして、不審者が入ったのかな…)
そして、二人はできる限り物音をたてずに、息を殺して一階へ続く階段を降りた。
グチャ…グチャ…
海斗
…待って
海斗
何か聞こえる。
陽菜
…なんだか気味が悪いね
陽菜
まるで…、何かが何かを食べているような…
海斗
おい…!変なこというなよ。
陽菜
ごめん、変なこと言ったかも
陽菜
それにしても、やけに肌寒いな…
陽菜
お母さん達、大丈夫かな?
海斗
きっと大丈夫だよ、無事を祈るしかない。
海斗
…じゃあ、開けるよ。
ガチャ…ギィ…
海斗
うわっ!なんだよこれ…!
リビングには物が散乱し、窓ガラスが割られていた。
海斗
えっぐ…
陽菜
そうか、肌寒かったのは
陽菜
窓ガラスが割れて、外の空気が入ってきてたからか。
陽菜
どうしてこんなことに?
陽菜
誰かが…入ってきたってことよね?
海斗
そうだ、隣の寝室は!?
ガララッ
陽菜
…誰もいない
海斗
そうか…
海斗
一体、俺達が寝てる間に何があったんだろうか。
グチャグチャ…
海斗
(音が近いな…)
海斗
(キッチンの裏からだな)
海斗
(臭いもそこから来ている)
海斗
(もしかしたらまだ不審者が隠れている?)
海斗
(だとしたら危ないな)
海斗は、その場にしゃがみ込み、ポケットからケータイを取り出す…
海斗
(陽菜はいつもマナーモードにしてるはず)
陽菜
…あれ?
陽菜
海斗から何か来た…
海斗
陽菜
海斗
キッチンの裏に、誰かいるかもしれない
海斗
音も、臭いもそこから来てる。
陽菜
あ、そう
陽菜
それで、どうしてケータイで送ってきてるの?
陽菜
直接話にいけばいいじゃない
海斗
バカヤロー!不審者に気づかれたらどうするんだ?
陽菜
確かに。
海斗
これからキッチンの裏を見に行く。お前は寝室に隠れてろ。
陽菜
うん、わかったよ
海斗
…ふぅ
海斗
よし。
海斗はキッチンの裏をこっそり覗いた。
その瞬間、音が止んだ。







