テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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伝説童話守備特務課

第14話 - イモムシさん

2024年09月17日

#一次創作

#参加型募集

#ファンタジー/SF

#コメディ

#ミステリー

#オリキャラ

月海(ルア)@新垢

アリス・リデル

大きなキノコがいっぱいだ………

アリス・リデル

あ………………

イモムシ

………………………………

イモムシ

あんた、誰？

アリス・リデル

あ、あ、あの、あまりよく分からないんです、今のところ＿＿＿

アリス・リデル

少なくとも、今朝起きたときには自分が誰だったかは分かってたんですけど、でもそれからあたし、何回か変わったみたいで

イモムシ

そりゃいったいどういうことだね

イモムシ

自分の言いたいことも言えんのか！

アリス・リデル

はい、自分の言いたいことが言えないんです。

アリス・リデル

だってあたし、自分じゃないんですもん、ね？

イモムシ

｢ね？｣じゃない

アリス・リデル

これでもせいいっぱいの説明なんです

アリス・リデル

なぜって、自分でも訳が分からないし、一日でこんなに大きさがいろいろ変わると、すごく頭がこんがらがるんです

イモムシ

がらないね

アリス・リデル

まあ、貴方はそういうふうには感じてらっしゃらないかもしれないけど、でもいずれサナギになって

アリス・リデル

それからチョウチョになったら、多分きみょうな気分になると思うんですけど、思いません？

イモムシ

ちっとも

アリス・リデル

じゃあまあ、あなたの感じかたは違うかもしれませんけど、でもあたしとして言えるのは、あたしには凄く奇妙な感じだって事です

イモムシ

あんた、か！

イモムシ

…………はぁ

イモムシ

あんた、だれ？

アリス・リデル

ｶﾁﾝｯ💢

アリス・リデル

思うんですけど、あなたもご自分の事をまず話して下さらないと

イモムシ

どうして？

アリス・リデル

ｯ…………………

スタスタ(奥へ行く)

イモムシ

もどっといで！

イモムシ

大事な話があるんじゃ！

アリス・リデル

…………………………

スタスタ(戻ってきた)

イモムシ

カッカするな

アリス・リデル

それだけ？

イモムシ

いや

(数分後)

イモムシ

………で、自分が変わったと思うんだって？

アリス・リデル

ええ、どうもそうなんです

アリス・リデル

昔みたいに色んなことが思い出せなくて、それに十分と同じ大きさでいられないんです！

イモムシ

思い出せないって、どんなこと？

アリス・リデル

ええ、『えらい小さなハチさん』を暗唱しようとしたんですけど、全然違ったものになっちゃったんです！

イモムシ

｢ウィリアム父さんお歳をめして｣を暗唱してみぃ

アリス・リデル

えっと………

(※意外と長いです、飛ばしていいです) 『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人が言いました『髪もとっくに真っ白だ。なのに頑固に逆立ち三昧＿＿＿＿そんなお歳で大丈夫？』ウィリアム父さん、息子にこたえ、『若い頃には逆立ちすると、脳みそ破壊が怖かった。壊れる脳など無いと分かった今は、なんどもなんどもやらいでか！』『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人『これはさっきも言ったけど。そして異様なデブちんだ。なのに戸口でバク転を＿＿一体どういうわけですかい？』老人、グレーの巻き毛をゆする。『若い頃にはこの軟膏で手足をきちんと整えた。一箱一シリングで買わんかね？』『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人『あごも弱って脂身しか噛めぬなのにガチョウを骨、くちばしまでペロリ＿＿いったいどうすりゃそんなこと？』父さんが言うことにゃ『若い頃には法律学び全てを女房と口論三昧それで顎に筋肉ついて、それが一生保ったのよ』『ウィリアム父さんお歳をめして』とお若い人『目だって前より弱ったはずだなのに鼻のてっぺんにウナギをたてる＿一体何故にそんなに器用？』『質問三つ答えたら、もうたくさん』とお父さん。『何を気取ってやがるんだ！日がなそんなの聞いてられっか！失せろ、さもなきゃ階段から蹴り落とす！』

イモムシ

今のは間違っとるなぁ

アリス・リデル

完全には正しくないです、やっぱり

アリス・リデル

ことばが所々で変わっちゃってます

イモムシ

最初っから最後まで、間違いどおしじゃ

イモムシ

…………………どんな大きさになりたいね？

アリス・リデル

あ、大きさは別にどうでもいいんです