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ー本編に入る前にー
今回の物語は、アンチである松本の回想の話です
なぜ彼らを嫌っているのかがわかります
グループやメンバーを侮辱する具体的な言葉はありませんのでが安心ください!
また、最近橙くん以外のメンバーが登場していませんが、直々登場します!(あと1〜2話後くらい)
では、本編です
今は夕方の6時
松本
最悪だ
なんでアンチの俺と奴が同じ病室なんだよ…
松本
え?俺の過去話を聞きたいか?
…はっはーん、アンチは黙ってろって?
黙ってねーからよ
あれは数年前のことだったな
俺には高校からの彼女ちゃんがいてな
まじで美人で頭も良くて優しい完璧な彼女ちゃん
自分で言うのもあれだが学力は学校でトップ、顔も良し、リーダー的存在だった俺
学校中で『お似合いカップルぅぅ』って言われてたもんだ
高二のときに俺から告白して、一緒に勉強して2人で同じ大学に受かって、同じ学部に入って…
俺と彼女ちゃんは、ずっと一緒だった
『卒業して俺が就職して、生活が安定したら結婚しよ』
そんなこともいった…
なのに、事態は急に悪化した
まるで、俺の体調のように、な
俺は彼女ちゃんに言った通り、大企業に入って生活を安定させることに努めた
その努力のおかげで収入は24の頃には安定してきた
だが、そのころ彼女ちゃんはあるグループにハマってしまった
そう、あいつらだ
あの子は…橙寄りの箱推しだった
全員に恋してたと言っても過言ではないと思う
最初、彼女ちゃんから『好きなグループがいて!推しなの!』って聞いたときは、微笑ましいことだと思った
彼女ちゃんは真面目でそういう世界には興味を示さなかったから
でも…
彼女ちゃんは段々デートの誘いを断るようになった
最初の方はちゃんと『推しの放送で…』『ライブで…』と理由を言ってくれた
そのときに、いつも『でも松本くんのことが一番だから!』って言ってくれたからまだ許容できた
でも、段々と理由も言わずデートの誘いをフル無視するようになって
どんどん疎遠になっていった
そのときの俺は純粋無垢で彼女ちゃんの盲目だったから『きっと忙しいだけだ、俺のことが一番なのは変わらない』と信じきっていた
そんな状態が半年続き、初めて彼女ちゃんからデートのお誘いがきた
…正式には、デートじゃなかったけど
俺はこれを勘違いして、ルンルンだったんだよなぁ
プロポーズをしようとも思っていた
150万の指輪も買っていたし‥
でも…
あの日の帰り際、俺がプロポーズしようと彼女ちゃんの名前を呼んだとき
彼女ちゃんは長い髪をなびかせ、冷たい声で言い放ったんだ
『松本さん、別れましょう』…って
俺は手に持っていた指輪の箱を落として、聞いた
『なんでなの…?』って
そしたら、彼女が彼女はこう言った
『あなたよりも大切で、大好きな人たちがいるの』
…この日から3日後に俺は知る
彼女ちゃんの、俺との思い出をあげていたTwitterのアカが…完全にあいつら専用のアカになっていたこと
俺関連のツイートは全て消されていたこと…
そのアカで推し…橙への、グループへの愛を盛大に綴っていたこと…
俺のことを笑いものにして、『グループが、橙くんが好きすぎて7年付き合ってた彼氏と別れたwそれだけ推しへの愛が勝ってたんだよね!』と固定ツイートにしていたこと…
そのツイートが、400いいねを超えていたこと…
んまあ、これが俺のこのグループを嫌いになった理由だ
ただの一方的な嫉妬でしかないんだけとなw
嫉妬というか、怖いんだよ、あいつらが。
あいつらは
俺から大切なものを奪っていくんだって言う恐怖でな…
松本
松本
今、彼女ちゃんは楽しそうに推しへの愛を語り続けてる
…白血病になったことは相当悲しんでたが。
俺がもし彼女ちゃんに白血病だって言っても『がんば』としか言わないだろう
それすらも愛してしまう俺はヤバいストーカーなんだろうな
まあ、それでもいい
俺が恨んでいるのは彼女ちゃんではなく、彼女ちゃんを奪った橙であり、グループだからだ
ただ嫉妬しているだけだから、ネットに誹謗中傷の書き込みをしたり、ライブに行って最低行為をしたり…とかはない
これでも謎の正義感はあるからな
でも、こうやって毎日のように掲示板で同じアンチ仲間の言葉を見て死ぬほど頷いたりしてる
書き込んだり、ツイートしたりするのは流石に無理だ
誹謗中傷やただの噂、しょうもないことで騒ぎ立てる奴のことも嫌っている
…今、推してる彼女ちゃんが傷ついてしまうからだ
嫌いになってから最初の半年はアンチ垢のツイートにいいね!やリツイートをしたり、軽く掲示板に書き込んだり、イライラした時は専用垢でキツく意見していた
でも、彼女ちゃんの『アンチは嫌いです!やめてください!グループのみんなもあなたと同じ人間です!』というツイートを見て、すぐさまやめた
それからは、ほぼアンチとは言えない状態でいる
まあ、低評価とかは別にアンチ行為ではないからやり続けているけども
やっぱり、ネットの活動者を同じ人間として見るのはなんか難しい
…ほんと
松本
松本
松本
恐る恐るカーテンを少し開ける
目の前には、硬直してこっちを見てる橙が…
橙
松本
橙
人生終了のチャイムが鳴った気がした