僕があの夢から覚めて、 約数十分の時が流れた
何故かは分からないけど、 あの夢が上手く思い出せない
あの夢で感じた風や、 『ーーくん』と名乗っていた彼の 声は、今も思い出せるのに
あの景色はどんな感じで、 どんな体験をしたかが、 はっきりしない
@ 白
ちなみに僕の膝の上には ぐっすり眠ってるゆーくん
赤ちゃん曰く、泣き疲れたって 言ってた
ゆーくんは若干猫毛だから ちょっとくすぐったい
@ 青
@ 白
@ 青
@ 白
@ 白
取ったらいいで
@ 白
兄ちゃん呼んでや
@ 青
パタパタと棚へ駆けてく まろちゃんを見守る
後ろをチラチラ見て誇らしげな 顔をしているのが本当に愛らしい 僕に弟最高すぎる
@ 白
@ 白
@ 白
@ 白
@ 青
その瞬間、まろちゃんが足を 踏み込もうとした踏み台に、亀裂が 走った
踏み台は綺麗に2つに割れ、 破片が飛び散る
あれを踏んでいたら、と 考えると思わずゾッとする
@ 青
まろちゃんは困惑と不安と恐怖で 思わず顔を顰め肩を震わす
@ 白
僕は急いでゆーくんを寝かして まろちゃんの所に寄る
まろちゃんの足元には小さな 破片が散らばっている
あの破片塗れの床を裸足で踏むのは 想像するだけで痛い
@ 白
@ 白
@ 青
まろちゃんは震える手で 僕の手を握る
@ 白
足持って来て
@ 青
@ 青
@ 白
@ 白
@ 白
もうよく分からんわ まろちゃんは無事なんだし、 それで良いや。誰も怪我してない その事実だけでいい ただこれだけや
僕を愛す人がいて、 僕が愛している人がいる
その事実だけが、僕の嫌な現実を 忘れさせてくれるんや
世界中の全員に嫌われても 皆がいるなら、このずぶ濡れな 世界にも、傘をさせる
だから、明日も生きていこうかな
どれだけ神様に嫌われていても