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39 - 紫橙「暖かいですね」

♥

57

2021年10月31日

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No.side

いつも通りの会議の日、

珍しく遅刻してきた橙は 様子がおかしかった。

メンバー全員が気になり よく見てみると、

体中にいろんな跡や、傷があった。

橙くん!?

どうしたのその傷

怪我でもした?大丈夫?

お、おん、大丈夫やで、

なんともないから、

そう、答えた橙だが、

声は震えており、

どこか、怖がってるようにも見えた。

橙?大丈夫だとは思うが、

消毒はしねぇと早く治らねぇぞ

おん、分かった、

消毒する、

おっけ。

青、救急箱持ってきてくれ

はーい

渋々と言った感じだが、

橙は消毒はしてくれると言った。

桃も下手に刺激しないようにゆっくりと橙がしたいことを示す。

さすが最年長✨

桃くん、

これしか無かったんだけどこれでいい?

おう

それさえあれば十分だ

ありがとな

うん!

い''っ!!

大丈夫だよ、橙くん

ゆっくりと力抜いて

ありがと

いつもはツンツンしちゃう赤も橙が 怪我をしたら心配する。

よし。これでいいか

橙、終わったぞ

って寝てんじゃねぇか

大体の処置を終え、

橙に知らせようとすると、

足を消毒する為に赤の膝の上に

頭を乗せていた橙が 眠ってしまっていたのだ。

1人で怖かったのがメンバーを見て 安心したのか、

ぐっすりと眠る橙。

その無防備すぎる寝顔に桃が笑った。

おーい橙ー?

そんなに無防備な姿だと、襲われちまうぞ?

桃がおちょくるように言い放った 言葉が橙を狂わせた。

「嫌や。嫌や。」と叫び暴れ回る橙。

やっぱり何かあったのだ。

それでないと橙がこんなに 慌てるわけが無い。

みんなごめんね!!

取引が立て込んじゃってて。遅くなっちゃった

そこに、救世主の紫が 丁度よく到着した。

メンバー

紫くん!!

みんなどうしたの?

そんなに慌てて

これでやっと解決だ。と、 誰もが思っただだろう。

橙を唯一落ち着かすことができる彼氏の紫が現れたのだ。

だが、その願い、思いはすぐに 掻き消された。

彼女の橙の言葉によって。

紫くん、?

良かったな。橙、

これで安心だな

桃ちゃん、怖い、

あ?誰が?青か?

紫くん怖い、

は?

その場の空気が一瞬にして凍った。

みんなが驚き、信じられず、

誰もが言葉を発さないでいた。

そんな中、一番最初に口を開いたのは橙の彼氏の紫だった。

橙くん?何言ってるの?

紫だよ?

橙くんの彼氏の紫くんだよ?

嘘や!!またそうやって騙すんやろ!?

俺もう騙されへんで!!

紫くんをどこやってん!

出せや!!

俺の紫くん返せっ!!

ドガッ

ドサッ

っ!!

橙くん、?

橙、?

何やってんだ、?

みんな動揺を隠せないでいた。

それもそのはず、

橙といえば、

紫大好き人間と言っても過言ではないくらい紫のことが大好きで、 愛しているのだ。

その彼がいきなり彼氏のことを 嘘付き呼ばわりし、

挙句の果てには彼氏を 突き飛ばしたのだ。

これは夢なんじゃないかと 誰もが思った。

だが、それは信じ難い現実であり、 事実なのだ。

橙!!落ち着け!!

本物の紫くんだから!!

本物の紫くん、?

そうだよ橙くん

おいで

!!

橙は知っている。

本物の紫しか、橙に「おいで」などの 甘い言葉を吐かないことを。

紫くん!!

ギュッ

橙は本物の紫だと確信したのか、

一目散に紫の広げた腕の中、胸の中に飛び込んだ。

よしよし

橙くんいい子

もう大丈夫だよ

橙くんには俺がついてるからね

おん、おん、!!

ぎゅうぎゅう

橙は紫を力一杯に抱き締める。

橙くん力込めすぎww

そんなに強くしなくても俺は逃げないよ?

おん!!

紫くん大好き!!

一同は安堵のため息をついた。

やっといつもの橙に戻った。

やっぱり彼氏のパワーって 偉大なんだとここにいる ほとんどの人がそう思った。

だが、疑問は一切解決していない。

なぜ、橙の体には傷が 沢山できていたのか、

なぜ、橙自身の元気が無いのか、

この二つについてはどちらかが 分かれば両方わかったと言っても 過言ではない。

1番気になるのは、今は大丈夫だが、

今は大丈夫だが、数分前まで 彼氏である、紫を怖がったことだ。

紫と橙の仲良さなど、近くて見てきた

いいや見せられて来た桃達が 1番よく知っている。

紫くん、

落ち着いて聞いて欲しい

え?なになにww

怖いんだけどww

桃は、紫がブチ切れる事を、

自分自身が殴られるのを覚悟で 桃は紫に話を切り出した。

紫くん。橙さ、

もう紫くんとは居られないかもしれない

は?

桃の言葉を聞いた瞬間、

紫の顔には優しい笑顔は 残っていなかった。

紫の瞳に残っているのは、

激しく燃え上がっている怒りを纏った炎だけだった。

桃くん何言ってんの?

知ってるでしょ。橙くんがどれだけ俺の事を愛してるか

みんなにいっつも見せつけてるつもりなんだけど

今更何言ってんの?

俺は誰がなんと言おうと橙くんと別れるつもりは無いし

橙くんだってそんな気ないって前2人で確認したんだよ?

勝手に決めつけないでくれる?

紫の言う通りだった。

いつもみんなの前でイチャイチャし

橙くんは俺のと言わんばかりに みんなを睨んで。

この前2人で確認しているのもメンバーはこっそりと見ていたし。

でも、事実を喋るまで桃も 譲ることは出来ないのだ。

ちゃんと話聞けよ

橙な、今日入ってきた時、ボロボロの状態だったんだよ

怪我も沢山してた

でもそれ以上にキスマークの数の方が圧倒的に多かったんだ

なんでか聞こうと思ったんだけどよ

下手に刺激したらびびって話さなくなったら本末転倒だろ?

桃くんごめんね、

俺、焦っちゃってた

橙くんが俺から離れるって言われてさ、怖かったの

また、1人になっちゃうのが、

みんなには言ってなかったよね

昔にね交通事故で弟無くしちゃったんだ、

寂しかった、弟のことを大事にしてたつもりだし、

アイツだって喜んでくれてたから

悔しかった、守れなかった自分をめっちゃ憎んだよ

なんで一緒に行かなかったんだろ、一緒に行けてたら弟は死なずに済んだのに

とか、色々と思っちゃったの

思うだけじゃ何も変わらないのにね

それでさっきね、怒っちゃった、

言い訳かもしれないけどね、

俺の事情でみんなにも迷惑かけた

本当にすいませんでした

そう言った紫の目には涙が 溜まっていた。

その様子から、紫が本当に心から 謝ってるのがわかった。

頭も深く下げたまま上げない。

紫くん、頭上げてや

紫が頭を上げた瞬間に、 我慢できなかったのか、 1粒の涙が紫の頬を伝った。

その涙を優しく拭き取る橙。

橙くん

ありがとう

ううん

紫くんもいつだって頼ってや?

頑張ります(`・ω・´)ゝ

このカップルは時々どっちが彼氏なのか分かりずらいときがある。

でも、そこも彼らのいい所でもあるのをメンバーは知っているので口を挟む なんてことをする人は 誰一人として居なかった。

・・・

今しかないかもしれない。

桃は意を決して橙に話しかけた

橙、

桃くん

もう大丈夫、ありがとう

俺から聞くよ

紫くん、

紫の表情にはもう、迷いはなかった。

紫の顔には''覚悟''だけが 浮かび上がっていた。

どんな未来も受け止めるという 意思が強く、出ていた。

橙くん、教えて貰ってもいいかな

大丈夫、俺はどんな未来も受け止めるから

俺を信じて

紫くん、おれ、

ゆっくりでいいから

大丈夫、俺はここにいるよ

紫は無理には聞き出さなかった。

橙が言いやすいタイミングで、

その時が来るまで、紫は橙の背中を 呼吸に合わせて優しく叩く。

落ち着かせるためだと言う。

実はな、今日ここに来る途中にナンパにあってん

遊ぼうって誘われたんやけど、会議もあるし、

俺、紫くんと、メンバー以外の人に触られたくなかったから断ってんけど、

無視されて、無理やり、その、

ヤられたんだ?

お、おん、

橙が怯えるのもそのはず、

今の紫の目には、怒りだけが 静かに燃え上がっていた。

その目を例えるには獣の目が 1番かもしれない。

橙を傷つけた奴を見つけたらすぐに でも噛み殺してしまうかの様な。

ふぅ〜ん

そんなことがあったんだね〜

紫くん、おれ、怖くて、

紫くんに慰めてもらおうと思ってきたのに、

紫くんどこにもおらんくて、寂しかった、

橙くん、ごめんね

ちょっと取引が立て込んじゃってて

こんなの言い訳にしか過ぎないけどね

ううん。紫くんが優しいのは知っとるから

ありがとう

紫くん大好き///

んふふ。俺も♡

えへへ///嬉しい///

紫の獣のような雰囲気は どこにもなかった。

''なかった''て言うよりは 橙のおかげで''なくなった'' という方が正しいだろう。

それほど紫にとって橙というのは 大きな、かけがいのない存在なのだ。

ちょっと待て、

ひとつ聞いていいか?

どうしたの。桃くん

桃ちゃん?

まだ、解けてない謎が ひとつ残っている。

橙の事情はわかった。けどよ

なんで紫くんを見て怯えたんだ?紫くん関係ないだろ?

その俺を襲った奴らな、紫くんに頼まれたからって言っててん。

俺も信じられんくて。どういうことか聞いたら、

紫くんがこの事の主犯やって言われて、紫くんを見たら信じられんくて怯えてしまってん。

紫くん、疑ってごめんなさい

橙くん、そんなことで謝らないの

俺もう、怒ってないから

分かってるよ、橙くんが優しいことぐらい

だからもう泣かないで

可愛い顔が台無しだよ?

紫くんありがと///

これで無事解決だ。と思いきや、

紫にはまだやらなきゃ いけないことが残ってる。

よし、

紫くん、?どこ行くん、?

ん?橙くんを傷つけた奴とちょっとお話に行くだけだよ?

気をつけてな

怪我ないように

ありがとう

ちゅっ

え///

行ってくる

行ってらっしゃい///

紫が言う、''お話に行く''というのは ''殺りにいく''という意味らしい。

橙って愛されてんだね〜

赤も随分大事にされとるんやな

え?///

色々ついてるで?

腰も痛いねんやろ?

う、うん///

仲良くしぃや〜

余計なお世話だよ!!///

橙の言った通り、赤の首には キスマークがあり、腰も痛い。

あと、遠くで黄がニヤニヤしている。

そういうことですよ。

ん?どういうことかって?

まぁ、そこは想像におまかせしますよ

紫が帰ってきたのは30分後だった。

橙は気にしてなかったが、

気になった桃が何があったのか 紫に聞くと、紫からは、

紫「ん?何って、もう二度と橙くんに 近付けないように、ちょーと、 体に教え込んだだけだよ」

という返事が返ってきたと言う。

ちなみにその時の紫の表情は 過去一で笑顔だったらしい。

紫はそれを言った後すぐに、 橙と仲良く手を繋いで帰って行った。

その時の橙の表情は 満面の笑みだったらしい。

桃は自分だけ紫の闇を知った気がし、この真実は闇の中に葬った。

これ以来、興味本意で聞くことはもう絶対にしないと心に誓った桃でした。

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コメント

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めちゃくちゃ良かったです! 神作だぁ~(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

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