___ガラガラ
誰にも気づかれないように
そーっとドアを開けたつもり、
だったのに.
男子
男子
男子
女子
女子
女子
あんな子いたっけ!?
クラスメイトからの視線が
ヤリのように突き刺さる.
はぁー……。
やっぱり、これだけ可愛い
優実が隣にいると視線が
集まるのは当たり前か.
すると、クラスの男子が
近づいてきて優実に話しかけた.
男子
松田 優実
急に名前を聞かれた優実は
不思議そうに首を傾げた.
松田 優実
優実が遠慮気味に
そう呟いた瞬間.
女子
男子
クラスからの大歓声が上がった.
うるさい……。
耳を押さえながら
辺りを見回した.
クラスの男子たちは
顔を真っ赤にさせて、口を
ポカーンと開けながら
優実を見ている.
ふふっ…今さら気づいたの?
優実はメガネを外すと…
めちゃくちゃ可愛いんだから.
松田 優実
松田 優実
松田 優実
近くにいた男子に
話しかける優実.
鈍感な優実は、首を傾げながら
上目使いでそう問いかけた.
あーあー……。
あれ、絶対一目惚れだよ.
その男子も、周りも
全員顔真っ赤だしね.
日向先輩も大変だなぁ…と
心のなかで呟きながら
やれやれと手を振る.
文化祭実行委員会
文化祭実行委員会
委員長の言葉に、私と優実は
目配せしながら
頷いたのだった.
◇
◇
矢澤 愛莉
やっと午前の部が終了した.
横を見ると、優実も
グッタリしている.
松田 優実
松田 優実
松田 優実
優実の言葉に、うんうんと頷く.
ほんとにその通りだった.
『おかえりなさい、ませ……
ご主人、様っ』
一生分の勇気を振り絞って
そう言っても.
『うわぁ……君めっちゃ
可愛いね. 連絡先教えてよ』
大学生くらいのチャラい男に
気持ち悪い笑みを
浮かべながら腕を触られるし.
『あぁ……えっと.
そういうのはちょっと』
やんわり断ると.
『はぁ!?客にそういう
態度はないだろ!』
そうやって逆ギレされるだけ.
もう……一生、メイド役なんて
やりたくない.
さっきまでの事を
思い出しながら、はぁーっと
深いため息をついていると.
奥山 翔空
奥山 翔空
休憩室のドアから
誰かが私の名前を読んだ.
矢澤 愛莉
クルッと振り返ってみると
そこにはクラスメイトの
奥山 翔空(オクヤマ トア)君.
奥山君は、クラスの中では
"王子様"と呼ばれていて
クラスの女子人気も
NO.1のモテ男子.
だけど私は……あの
張り付けたような笑顔が
どうも苦手だ.
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
矢澤 愛莉
"ちょっと行ってくるね"と
優実に目配せすると、私は
奥山君の後へと
着いていった.
連れて来られたのは
人気の少ない数学準備室.
文化祭だからか
人通りは全くない.
……ちょっと、怖い.
話が終わったら、すぐに
優実のとこに戻ろう.
そう、心の中で決めたとき.
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
まさかの、奥山君からの告白を
受けてしまった.
奥山君が私の事を……好き?
予想外の奥山君の行動に
少し目を丸くしてしまった.
……でも、ちゃんと断らないと.
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
私には、湊人がいる、し.
『あーちゃん!』
告白を断っているこの状況でも
湊人の笑顔を思い浮かべて
しまう私は……もう湊人に
溺れているのかもしれない.
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
矢澤 愛莉
奥山君…急に声が、低く…。
矢澤 愛莉
本能的に危険を感じ
奥山君にクルッと背を向けた
その時.
奥山 翔空
そんな奥山君の声が
聞こえたと思ったら
手首を引っ張られ
床に押し倒されていた.
矢澤 愛莉
な、なにっ……?
慌てて上を向くと
奥山君は冷たく、不適に
微笑んでいた.
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
きたんでしょ.
奥山 翔空
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
必死に抵抗しても
奥山君も男の人だ.
力が叶うはずがない.
すると、奥山君は
バカにしたようにフッと
広角を上げた.
奥山 翔空
奥山 翔空
奥山 翔空
その言葉に、私の中で
何かがプチンと切れた.
矢澤 愛莉
奥山 翔空
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
奥山君をキッと睨みながら
そう言い放つ.
私の事は、どれだけ
悪く言われても構わない.
だけど……湊人の事を
悪く言うのは絶対に許さない.
奥山 翔空
奥山 翔空
耳元で囁かれる奥山君の声に
ゾッと背中に悪寒が走る.
矢澤 愛莉
どれだけ大きな声で
助けを求めても、人通りが
全くないこの教室では
誰にも届かない.
もう奥山君に対して
嫌悪感しか感じない.
奥山 翔空
そう言いながら、奥山君は
顔を近づけてくる.
い、や……っ!
触ら、ないでっ………。
必死に身体をねじりながら
抵抗しても、腕を
押さえられてるせいか全く
身動きが取れない.
助けて…助けてよ…っ.
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
今出る最大限の声で
そう叫んだ瞬間.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
突然、ドアが勢いよく
開かれたと思うと、今一番
会いたかった人が
明らかに冷たいオーラを
放ちながら
そこに立っていた.
矢澤 愛莉
そしてあっという間に
吹っ飛んでいく奥山君の身体.
篠宮 湊人
優しく微笑んでくれる湊人に
安心して涙が溢れる.
矢澤 愛莉
矢澤 愛莉
違う……こんなことが
言いたかったんじゃない.
"ありがとう"って
言いたいだけなのに.
こんなことを言っても
湊人を困らせるだけだよ.
ギュッと目を瞑った私に
届いたのは.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
そんな、優しい言葉.
矢澤 愛莉
私の目に溜まった涙を
優しく拭い取ってくれる湊人.
そして湊人は、相手を
凍らせてしまうんじゃないか
と思うくらい鋭い視線を
奥山君に向けながら.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
冷たく、そう言い放った.
驚く程低い湊人の声に
ビクッと肩を揺らした奥山君.
篠宮 湊人
湊人は、釘を指すように
低い声で言葉を紡いでいく.
奥山 翔空
奥山君は、湊人には敵わないと
察したのか吐き捨てるように
そう言いながら
走って行ってしまった.
すると、安心したのか
身体の力が抜けてフラッと
身体が横に傾いた.
倒、れる……っ.
痛みを覚悟して、ギュッと
目を瞑ったその時.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
腕を引き寄せられ
温かい温もりが身体を包んだ.
矢澤 愛莉
抱きしめられたと
理解するのに、そんなに
時間はかからなかった.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
矢澤 愛莉
篠宮 湊人
篠宮 湊人
矢澤 愛莉
謝罪の言葉を繰り返す私を
じっと見つめる湊人.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
篠宮 湊人
そして湊人は
優しく目を細めながら
頭を撫でてくれる.
それが気持ちよくて
湊人に身体を預けながら
甘えるように
胸をスリスリした.
篠宮 湊人
篠宮 湊人
ポツリと呟かれた言葉は
私の耳には届かなかった.
♡きたら続き出します!! 読んでくれて📖 ありがとです!!☺︎ ぜひ他の作品も 見てみてください!!☃
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コメント
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やばーそれこそ、胸きゅんだーニヤニヤかんが、止まらなかった♥
ほんとにキュンキュン(*´`)♡する!!

もっとエロいのかいて