初兎
探すんやんな?
初兎がこの場にいる全員に 確認するように声をかけた
悠佑
ほとけの居場所全然
わからんねん
ないこ
てっきり、俺や初兎を知ってたように ほとけの居場所も知ってるのかと 思っていた
ないこ
もう無理じゃない?
無理ゲーなんじゃないの?!
悠佑
ないやろ〜
軽々と言ってくれるが、日本には 一億人以上人がいるのだ
ないこ
初兎
知っとるよ
ないこ
わかんな……え
初兎
あんまりにもさらっと言うもんだから 流されそうになった。 初兎はキョトンとしている。
ないこ
初兎
一度固まり、考えてから質問すると 本当に、軽い感じでまた返された
ないこ
ないこ
ないこ
思わずめっちゃくちゃメタイ発言を してしまったが、仕方ないと思う 俺は知らなかったんだし。
悠佑
見つかるに
こしたことないやろ
アニキもかるーい感じで受け止めてる
ないこ
オーバーリアクションをとっていた 自分が恥ずかしく思えるくらい、 全員ほとけに関して軽かった
初兎
悠佑
何故かそこで意見が一致しているのが ちょっと悔しく感じる自分がいた
悠佑
初兎
考えすぎると良くないんよ?
ないこ
別に、難しく考えてるつもりはないが この二人を見ているとそうなのかもと 思いつつあった。
初兎
電話すればええんやろ?
ないこ
やっちゃってよ!
俺は考えることをやめた
ないこ
とりあえず、かけてみた結果だけ 報告しようと思う。
ないこ
全然大丈夫だそうだ
初兎
無理やったな〜
悠佑
笑ったわw
ないこ
もう会えるんでしょ?
悠佑
あとにじかん…っつって
寝たからなww
こんなに簡単で大丈夫なのだろうか 後々大変な奴が出てくるんじゃ ないかと不安でしかない。
ないこ
なんというか……
初兎
ネタ枠やね
ないこ
なんだかもう力が抜けてきた。 もう寝てしまおうかと悩んでたとき 初兎が口を開いた
初兎
俺とアニキで
二人っきりになれるのに
小さな声だった。 それこそよく口の動きを見ていないと わからないくらいには。
ないこ
何言ってんのお前!!
初兎
ないこ
刺すような痛い視線が、本気で あることを告げてくる。
ないこ
阻止するから!!
悠佑
俺と初兎がもはや喧嘩になりそうな ところにアニキが挟まってきた
ないこ
先ほどまでふよふよと浮かんで 何かを考えてる様子だったアニキは 多分、俺の大声が気になったのだろう
初兎
悠佑
アニキに向かって初兎が言った。 妙に明るげであったのが怖い。
初兎
暇やし、俺の店でも
見てってよ
悠佑
悠佑
ないこ
初兎の何も反応はなにもなく、 アニキを見つめているだけだった
初兎
紹介するからついてきて
悠佑
初兎
言うんや!可愛いんやよ?
悠佑
二人で会話をしている。楽しそうだ この部屋の扉を初兎が開けた。 でも、俺は何故か立ち止まっていた
ないこ
初兎も、アニキが今でも好きなんだ
ないこ
獲られるのは、嫌
ないこ
死んだ相手にどう対応すればいい?
ないこ
悠佑
アニキに名前を呼ばれて、 俯いていた頭をあげる。
ないこ
今はこの気持ちを置いておこうと、 一つそう考えた。