桜

女性に何かつまめるものをと 部屋を出た時 廊下に翔太くんが居た

翔太くんは この前顔を出した家来と抱き合った後 微笑みあっていた

え…なんで…

女性の事を思い出し 急いで食べ物を持って部屋に戻った

俺達は紅葉がよく見える道を歩いた

暫くして どこからか聞き慣れた声が聞こえてきた

最悪… なんでいつも 翔太くんの隣はあの人なの？…

なんで俺じゃ…

最低だな と自嘲した

家来がこちらに気づいた

なんでこっちに気づくんだよ…

何故か苛立ち始めた 堪らず立ち去ろうとした時

未だに慣れない呼び方

上の名前で呼ばれると 距離を置かれているようで嫌いだった

早くこの場から立ち去りたい…

俺は女性に 行きましょう と声をかけ 足早にその場を立ち去った