岩本照×♡♡

もう止まらない。

後から後から伝う涙。

タラタラと流れ続ける真っ赤な血。

それは案外綺麗なもので、見惚れてしまう。

左腕から絶え間もなく流れてる血はキラキラと輝いていた。 月の光に 照 らされて...。

翌日

足元に目を向けると、血だらけの腕とゴミ箱。

私には彼氏がいる。

鍛え上げられた身体。 アクロバットを難なくこなす身体能力。 180cm越えの高身長。 そして何より...

ギャップがエグい。

腹筋バッキバキで180越えの大男がさ、 チョコレートをクッシャクシャの笑顔で幸せそうに食ってんのよ？ なんかシルバニアファミリーで遊んでるし、 バッタめっちゃ苦手だし？

私にはもったいないくらい魅力に溢れた人。

ほんと、こんな私にはもったいない...

何とか、いつも通りのリビングに戻した。

着替えて、髪型と整えたし、

あとは、腕の手当をして...

ピンポーン

少し大きめの服きてるから隠れてはいるけど...

バレない、よね...？

ｶﾞﾁｬｯ

ｷﾞｭｯ

今のとこバレてないかな、？

ひかるはこんな私にも甘い言葉をくれる。

え、、泊まる、？

一緒に居れるのはすんごい嬉しいけど...

傷、気付かれない、かな...？

ひかるは一応、私に自傷癖があるのは知っている。 でも、この頃増えてきているのは知らない、はず。 心配かけたくない。

やばっ、ボーッとしちゃってた...

可愛い...か笑

申し訳ないなぁ。 こんな血だらけの私にさ、

可愛い、なんて

ひかるはこの腕見たらなんて言うかな...

照side

今日の♡♡、なんか変。

ボーッとしてる。

ｷﾞｭｯ(バックハグ)

もしかして、、♡♡

無理して笑ってる、、

ﾎﾟｽｯ(♡♡の肩に顔を埋める)

照side

ﾎﾟｽｯ

自分がどれだけ溜め込んでるか分かってないの？

30分後...

手首から二の腕まで傷がびっしりとあった。

手当はしていないようで、 塞がりきっていない傷と固まった血が痛々しかった。

あぁ、見られてしまった。

汚いよね、ごめんね？

こんな私でごめん...

あぁ、申し訳ないな。

ごめんね、ひかる。

ありがとう。

大丈夫だね。きっと。

ひかるは私の傷さえも愛してくれる。

ひかるとなら、私は大丈夫。

気付けば外はすっかり暗くなっていて 差し込んだ月の光が私たち2人を照らしていた...