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なぁ鬼神丸

鬼神丸

……

鬼神丸

なんだ?

俺に主導権を渡す考えはまとめてくれたか?

鬼神丸

ふざけたことを言うな

鬼神丸

僕は僕だ

鬼神丸

君に体を譲る気はさらさらない

まぁ、別に同意が得られなくても俺はお前の体を奪えるけどな

鬼神丸

くっ……

とはいえ、いつでもできる訳では無い

それはお前も気付いてるはずだ

鬼神丸

僕の気が高まった時

鬼神丸

いわゆる興奮状態であったり

鬼神丸

傷を負うことで自分をコントロール出来なくなる時

鬼神丸

とにかく総括して言えるのは

鬼神丸

”僕が不安定な時”その時は君が現れて、肉体の主導権を奪うことが可能…

その通りだ

俺という枷がいることでお前は常に俺に気を張ってないといけない

そんな状態で相手と戦闘なんて無理だ

正直俺という存在が足枷になってる

が、俺を否定することは出来ない

何故ならお前が受ける罵詈雑言は俺が全て受けているからだ

俺を否定し仮に消せたとして

お前は世の中の罵詈雑言を受けきれる訳が無い

なんせ俺はその罵詈雑言の捌け口として生まれた存在だ

俺を消してもまた別の人格が生まれる

鬼神丸

……

鬼神丸

なら、僕が君を受け入れろと?

受け入れてしまえば楽だぞ?

ミツルギとの戦闘を得て貴様は体感したはずだ

今のお前では何も出来ない、と

鬼神丸

……確かに僕は弱い

鬼神丸

それは戦闘においても精神面においても

鬼神丸

けど、まだ僕は上を目指せる

鬼神丸

ミツルギさんはあの時僕を殺せたはず

鬼神丸

けど、殺さなかった

鬼神丸

その理由は僕の成長速度を見据えてるから

鬼神丸

藍色の悪魔と恐れられてるあの人から

鬼神丸

お墨付きをもらってる

鬼神丸

だから僕は君に体を譲渡する訳にはいかない

はぁ……

認められたのはお前じゃなくて俺だ

ミツルギの求めてる相手は俺なんだよ

そして、お前が成し得ようとしてる理想を実現させるために必要なのも俺だ

俺とお前で違うものは何か?

それを前話したよなぁ?

躊躇の有り無しだ

お前の掲げる理想は共存だ

だからこそ他者を傷つけることを拒む

”俺ら”の人生は常に誰かに傷付けられて生きてきた

それでもなおお前は人を…妖を信じ極力傷つけず生きている

だが俺はそうじゃない

忌み嫌われてきた分鬱憤が溜まってる

だから俺の邪魔するなら誰であろうと斬る

この判断の違いが俺とお前の差だ

鬼神丸

………

鬼神丸

今後僕は躊躇はしないつもりだ

鬼神丸

君や蓮爺が言ったことは正しい…

鬼神丸

僕は共存の道を選んだ

鬼神丸

それは両者が傷つかないこと

鬼神丸

そう考えてた

鬼神丸

でもやっぱり現実はそうもいかない

鬼神丸

なら僕が出来ることは必要悪を斬るのみ

鬼神丸

今の世があるのは必ず血や汗が沢山流れて生まれた世界だ

鬼神丸

なら僕もその歴史に沿って進む

鬼神丸

けど、血を流すのは僕が生きてるこの時代で終わらせる

鬼神丸

これが今僕ができる最善の手

…………

言うようになったなぁ?

なら、少し俺も協力してやろう

鬼神丸

なに?

簡単に言えば利害の一致に過ぎん

俺はミツルギとやり合いが出来ればそれでいい

お前は共存の道を進むんだろ?

その過程で必ずぶつかる相手だ

そこまでの間は力を貸してやる

鬼神丸

君を頼れと?

別に騙す気はねぇよ

お前の身体の主導権を奪うのはあくまでミツルギとやり合うためだ

お前も”人”である以上完璧にはなれない

俺と違いお前は戦闘に向いてない

だから、どれだけ戦闘面を強化しても限界はある

そこでその戦闘面を俺がカバーしてやる

基本的にはお前が主体だ

だが、戦闘になれば俺を使え

お前の目的のために俺を使え

俺もお前を目的のために使う

悪くはねぇ話だよなぁ?

鬼神丸

………

逆に俺はお前のように甘ちゃんな考えは持ちえてねぇ

対象者を殺る殺らないの選択はお前に委ねよう

鬼神丸

力に溺れろと…そう言いたいのか?

お堅い頭だねぇ

いいか?よーく考えろ

楓ノ里の連中もお前を使ってるだけだ

世の中はそういう風に回ってるんだよ

なのに不思議なことに、使い使われの関係だと言うのにギクシャクはない

分かるか?

鬼神丸

…………

鬼神丸

分かった…

鬼神丸

君を僕は使う

鬼神丸

だから君も僕を使え

よーやく根負けしたか

なら、これからよろしく頼むぜ鬼神丸よ

鬼神丸

あぁ……

鬼神丸

不服だがよろしく頼む”僕”

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