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20 - 悪い子

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2021年07月27日

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お兄ちゃんの話は辛そうなことばかりだった

痛い

気持ち悪い

苦しい

辛い

決して明るい話ではない

さっきの部屋はその部屋

だから入って欲しくないの

そう、なんだ、、

ごめんね

謝んなくていいよ

それより、紫くんの話聞きたいな

俺…?

約束したよ

ん…

嫌はなしね

わかった、

俺はね______

紫くん、、、大丈夫なの、?

大丈夫、じゃない?

俺は、辛くないよ

もう、何もわかんないから

捨て台詞のように呟いて顔を伏せた

そう、なんだ…

だから俺がわかんなかったんだね

ごめんね、桃ちゃん

でもね、聞いて

俺…ちゃんと思い出したよッ

へ、?

お兄ちゃんみたいになりたい

それ……

俺が10歳の時に言ったこと

俺は、今何歳なの?

離れたのが1年前、

1年前の年齢は15歳、

じゃあ5年前だね

桃ちゃんは、かっこよくなれるって言ってくれたよね

嬉しかったな、

ちょっと困ってた顔、可愛かった、

可愛いって、、

ぁ、

ん?

帰んなきゃ、、

え、まだ2時だよ?

外に出るのは1時から3時までだから…

また…会おうよ、お兄ちゃん

あ、うん…またね

死ぬ前にいっぱい話せてよかった

助けてくれないかなぁ…

願っても何もなんないけど

帰りたくない

っ!

お母…さん…

っ……

痛いっ…

やめて、お母さんっ…

痛い、痛いよっ…

うっ、、

ゲホッゲホッ…

死んじゃうよ…

やめっ…

…!

何度殴れば済むんだろう

何度蹴れば済むんだろう

何度暴言を吐けば済むんだろう

何度否定すれば済むんだろう

お母さんは、いつも俺に愚痴をぶつけてくるけど

それで何が変わるの?

俺だって辛いのに

お前の話なんか、

聞きたくないのに

考えるのがめんどくさくなって

意識を飛ばした

あっ、父さん…

おかえりなさい、、

へ、、、?

あっ…やめてっ…

んっ…

あっ、んんっ…

やだっ、やだっ…

やめて父さんっ…

はっ…んん、

はぁ、はぁ、

だめっ…だめっ…

痛いっ…

ううっ、

ひっ、あっ、やめっ…

何回目だろう

嫌だと言いながら喘いで

抵抗しようとして押さえつけられて

あまりに酷いと首締められて、

俺は、おもちゃじゃないのに

父さんを気持ちよくするための道具じゃないのに

痛い

中に出されて気持ち悪い

吐きそうでたまらない

どうして生まれたんだろう

俺は、父さんのおもちゃになるために生まれてきたのか、?

違う、、幸せになるために生まれたんだ

幸せになるために生まれたのに、

どうしてこんなに苦しいの?

誰か助けてよ

助けてよ

誰かの声が聞こえる

誰なの?

桃ちゃん…?

助けてってなに?

俺は、何をすればいいの?

俺は、どこに行けばいいの?

まず、ここはどこなの?

真っ暗で何も見えない

ほんとに死ぬんじゃないかなー…w

お母さんは、なんで俺を産んだの?

サンドバッグが欲しいから?

なら、お店で買ってよ

俺は、人間なのに、

吐き気がする

ゲホッ…ゲホッ

ベトベトしてる、

それに、血の匂いがする

これ、、血??

明かりがないから何も見えない

自分の口から出たのはなんなのかもわかんない

今は朝だろうか、それとも夜だろうか、

今更だけど、ここはすごく寒い

今ここで死ぬなんて、とてもありそうな状況

どうしたらいいんだろう

少し辺りを歩き回ってると、包丁らしい物をみつけた

何故置いてあるのかはわかんない

使い道があるかも分からないけど

武器として一応持っておこう、

ガチャっと言う音がした

お母さんが入ってきたのか?

僅かな光で誰なのか確認する。

やはりお母さんだ

また、辛い時間がくる

嫌だ、

そういえば、包丁を持ってるじゃないか

この際殺しちゃえば、、

なんて、

こんなこと考える俺は

悪い子だ

ゲホッ…

うっ…苦しっ…

はぁっ…ゲホッゲホッ

やめてお母さんっ…

息ができなくて、声も出せない

ただただ、苦しくて痛いだけ

このまま、、死んじゃうなんてやだ

こんなやつ、、どうでもいい

俺は包丁を母に突き刺した

どこに刺したかは分からない

けど、

痛そうな声を上げていた

逃げ、よう

今のうちに

はぁッ…はぁッ

うっ、ゲホッゲホッ

桃、ちゃん…

桃ちゃんに会いたいッ…

ゲホッゲホッ

咳き込んで

意識失いかけて

前通った道を思い出しながら

ただひたすら必死に走った

玄関の前に着いた時、絶句した

なに、この血…

嫌な予感しかしない

恐る恐る扉を開けると、

あっ…

うそっ…

桃ちゃん…?

冷たくなって倒れてる桃ちゃんがいた

服がはだけてて、

首には手で絞められた痕がついてる

胸に何かを刺した痕もついていた

不思議と涙は出なかった

せっかく会えたのに、酷いよ

俺も死ねばよかった

どうして、俺は解放されないんだろう

そろそろこの世界から解放してよ

あ、悪い子だからか

桃ちゃん…

俺、どうすればいいと思う?

答えないか、

ははは…

こういう時って何をすればいいんだっけ、桃ちゃん

警察、だっけ?

もうわかんないよ

…………

あ、もしもし、

人が死んでます

悪い子でごめんなさい

今、そっちに行くから

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