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上弦の月が輝くときに。

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上弦の月が輝くときに。

3 - 3.永遠に咲く黒ユリ

♥

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2024年09月01日

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六花

お母さん、もう私も高校生になりました

六花

…もうあれから9年か

久遠

六花、行くぞ

六花

あ、うん

永遠に咲く黒ユリ

六花

どんな人がいるかな〜

六花

楽しみ〜!

久遠

六花

お兄ちゃん、友達作ってね?

久遠

余計なお世話

六花

だって私、お兄ちゃんのぼっちの姿見るだけで涙出てくるから

久遠

は?

六花

うわ、容赦ねえ怖え

久遠

記憶は時間が忘れさせてくれる、なんてよく言う

俺の中の時間は止まったまま

今でも鮮明に覚えている

もうどうにもならないという絶望が押し寄せてくる感じ

後悔、怒り

六花

…お兄ちゃん?

六花にこんなことをさせるつもりはない

あくまで、六花には内緒で行う

俺の、生涯を捧ぐ復讐劇

六花の手を汚させはしない

六花

じゃあね、お兄ちゃん

久遠

ああ

これが私の教室と、クラスメイト…

当然だけど、知ってる人が誰もいない…!!

え、待って、もうグループ化してない?

嘘でしょ?

お兄ちゃんの心配してる場合じゃなかった?

   

あ、あの…

六花

え?

咲希

あ、えっと…

もしかしてお友達…?

咲希

ああ、話しかけるの本当に怖い…!!

六花

ああ、ぼっち卒業できた…

咲希

私、鈴掛咲希です

六花

ゆ、弓張六花ですっ…

咲希

なんかもうすでにみんなグループ化してて怖かったぁ…

六花

そう、本当にそう!

咲希

よろしくね、六花ちゃん

六花

うん!

六花には色々言われたけど、俺は別に友達を作る気はない

彩葉

あの…

久遠

…ん?

彩葉

もしかして君、ぼっち?

久遠

そうだけど…お前、ストレートに言うんだな

彩葉

あ、もしかして傷ついちゃった?

彩葉

ごめん!

久遠

いや、別に…事実だし

彩葉

もしよかったらさ、私と友達にならない?

久遠

…は?

彩葉

損はないと思うよ〜?

久遠

…別にいいけど

彩葉

私、白銀彩葉

久遠

弓張久遠

彩葉

よろしくね、久遠くん

久遠

…よろしく

六花

お兄ちゃん、お友達できた?

六花

いやあ、まあお兄ちゃんがお友達なんて…

久遠

できた

六花

そっかぁ、うんうん、できないよね…

六花

…え?

久遠

できた

六花

ええええっ!?

六花

お兄ちゃんと友達になるなんて…

六花

一体どんな男の子なんだろう…

久遠

いや、女子

六花

はああああっ!?

久遠

声大きい

六花

お兄ちゃんに友達…しかも女の子…

彩葉

あ、久遠くん

久遠

…白銀

彩葉

お友達?

久遠

双子の妹

六花

あ、えと、弓張六花です!

彩葉

六花ちゃんか

彩葉

よろしくね

彩葉

それじゃあまた明日、久遠くん

久遠

…ああ

六花

私、アイドルになる!

才華

いいね、いつか一緒にライブする?

六花

うん!

六花

…アイドル

お母さんは志半ばで殺されてしまった

私がアイドルになって…

お母さんの遺志を継ぎたい

でも、アイドルになる…

お母さんみたいに、ファンに愛の裏返しで殺されるかもしれない

理不尽なことに直面するかもしれない

でも…

お母さんの気持ちは、私が大切にライブ会場に持っていく

どうして犯人はお母さんを殺したのか知らないけど

私が犯人を───

殺してやる

これは死んでも終わらない

私の復讐

母さんの復讐に必要なものは何か

車のナンバーは今も覚えているが…

おそらく、もう車は売られて、スクラップにでもされているだろう

顔も声も覚えている

顔は整形しているかもしれない

声なんて、どうやって聞けば良いのか

あの頃…

母さんが殺された時、俺は弱かった

知識も力もなく、ただ大人の言うことに従うしかなかった

あの頃読んでいた本は、何のためだった?

何の役に立った?

知識を得るためじゃなかったのか?

結局俺は1つ、大切なものを失った

役に立たなかった

守れなかった

あの時、何か行動を起こしていれば、今も母さんは生きていたんじゃないのか?

例え───

俺の命がなくなろうと

俺は───

上弦の月が輝くときに。

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