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香織
香織
香織
さっきまで激しく吹いていた風が急に止んだ気がする。
香織
男性が指さす方向にあるのは、 真っ暗な教室。
もう何年も使われていないように見える。
香織
香織
香織
そう考えると、急に怖くなってきた。
どっからどう見ても、私より歳上。 逃げても追い付かれそうだ。
香織
恐る恐る教室の中へ一歩、一歩、 と足を踏み入れた。
すると、
'' ドンッ!!!! ''
物凄い力で体を押し倒されて、私は転げた拍子に近くにあった椅子で腕を打撲。
痛さと驚きで、顔をゆがめる。
教室の扉が勝手に閉まった。
真っ暗だ。 真っ暗なのに、 男性の顔だけが何故かぼんやり明るい。
ニタニタ笑っている。
男性の口角はくいーっと上がり続け、 そのまま目の下まで裂けた。
香織
両目がくりくりっと震えだし、 徐々に大きくなっていく。 彼の眼球から白目がなくなって、 真っ黒な穴が空いていく。
(人間じゃなかったんだ...!)
香織
'' ボンッ!!! ''
大きな音が鳴って、思わず目を瞑る。
フゥー、フゥー、と苦しそうに息をする声だけが聞こえてくる。
何かを引きずるようにして こちらに近寄ってくる その音。
ズリズリッ...ズルッ...
・・・
突然、音がやんだ。
ゆっくり、目を開けてみる。
(・・・?)
(居なくなった・・・?)
右を見て、
左を見て、
・・・やっぱり居ない・・・
消えた・・・?
ゾワゾワッと背中が冷えた。
ゆっくり、ゆっくり、後ろを振り返る。
(!!!!!)
香織
香織
香織
もう何も見たくない。 もう何も聞きたくない。
耳を塞いで、 顔を膝に埋めた。
一瞬、地面がぐらっと揺れた気がして 死を覚悟すると、
「大丈夫か?」
誰かの声がすぐそばで聞こえた。