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それからしばらくの間、 天ちゃんは訓練に来なくなった

真冬

(だけど……)

あいつ……また配信してたな

そっすね……

まるでいつも通りというように、 ゲーム配信をしたり、雑談配信や、 月末の歌枠配信も普通にしている

彼なりに気を紛らわせようとして いるなら、僕らは無干渉の方がいい

だけど、配信内での天ちゃんは、 あの時みたいにいつも通りだった

……いや、怖いくらいに普通過ぎた

何回かみんなで家にも行ったけど、 その時も様子は同じ

遠回しに、配信の頻度について 聞いてみても……

「今は活動の仕事もないし、 家にいても暇だからさ」

……って、軽く答えられただけ

真冬

(単純に人間の防衛本能が働いてるだけには、全然思えない……)

ガチャッ

シャノン

み、みんなっ!!

百瀬

うわっ。って、96猫さん?

そんな慌ててどうした?

シャノン

ほらっ、前にみんなで見つけたあの白紙の本!

シャノン

あれの解析が終わったって、さっきノア様から聞いたの!

百瀬

えっ、マジ!?

シャノン

そう、だからみんなも……。

シャノン

……って、そうだ、つっきー今お休み中だっけ……

真冬

うん……でも、せっかくなるせ君の鍵の謎が解けそうだし……

百瀬

あ〜……いや、全然俺は天月君がいる時にでも……!

彼方

お前だけでも行ってきたら? 俺らはまた天月がいる時に聞けばいいし

百瀬

え、いいんすか?

まず自分の家系に関することだし、俺は全然良いよ。坂田は?

う〜……っいや、めっちゃ気になるけどまた今度にします。天月いないのに抜け駆けもよくないし……!

真冬

あはは、さかたん本音隠しきれてないよ?

なるせ君は、自分の家のことを 知りたくてここにいるって、 前に聞いたことがある

ここにそっくりな建物も、 白紙の本も、どちらもなるせ君が 持っていた鍵で見つけたもの

闇属性自体が特殊な一族でもあるし、 何より自分自身が関わっている

結界慣れっていう、乗り越えるのが 大変な壁があっても、行動せずには いられなかったんだろうな

百瀬

じゃあ……行ってきます!

シャノン

うん、行ってらっしゃい!

〜百瀬 side〜

魔法空間から出てすぐ、 全速力で走って中心部まで行く

百瀬

はぁ、はぁ……あっ、ノアさん!

軽く息を整えつつ周りを見回すと、 丁度ノアさんを見つけた

ノア

モモセ。他のみんなは?

百瀬

あー、俺だけです。今天月君がいないし、みんなはまた今度でいいって

ノア

そうか。じゃあ早速だけれど、こちらに来てくれるかな。

ノア

……これは、物凄い発見だよ

百瀬

物凄い……?

いつもの応接室に通されると、 後から来た部下の人に、 例の本を渡された

百瀬

(……ん? 前見つけた時、こんなタイトル書かれてたか……?)

百瀬

ひ、開いていいっすか?

ノア

あぁ、いいよ

一度深呼吸をして、 ゆっくりとページをめくっていく

百瀬

うわ……!

あの時白紙だったページには、 しっかりと文字が刻まれていた

百瀬

(多分魔法界の言葉だろうけど、魔力のおかげでちゃんと読める……)

百瀬

……。

百瀬

……?

百瀬

……は……? な、何だこれ……!

予想もしていなかった内容に、 思わずページをめくる手が早まる

パタン

そうして、あっという間に 読み終えてしまった

ノア

きっと“これ”が、モモセの家が血を繋いできた理由だろうね

百瀬

はい……

この本を見つけた建物が、 みんなの魔法空間の見た目とそっくり だったのも、今なら納得がいく

鳴海家がずっとこの鍵を継いで、 俺がここに“戻ってきた”のは……

百瀬

(きっと、全部これの為だ……!)

百瀬

……あー、そうか、俺らがみんな“歌い手”なのも、ちゃんと意味があったんすね

ノア

そうだね。私も最初、カナタと会って、“歌い手”をしていると聞いた時は驚いたよ。

ノア

これは偶然なのか、必然なのか……もしかしたら、運命だった、なんてこともあり得るかな。

ノア

とにかく、モモセ。この本の内容は、できるだけ早くみんなに伝えた方がいい

百瀬

はい、俺もそのつもりです

ノア

だからこの本は、みんなのところへ持っていって欲しい

百瀬

えっ、いいんすか? これ絶対大事なやつじゃ……

ノア

それなら心配はないよ。解析中の資料と共に、写しも取らせてもらっているからね。

ノア

それに、仲間にも関わることだ。特にショウタには。

ノア

直接見せてあげた方が早い。行っておいで、モモセ

百瀬

……! ありがとうございます!!

本を持って、応接室を出……

……っと、危ね、これ忘れてた!

百瀬

あっ、これ解析してくれた人にも、ありがとうって伝えといてくださいっ!

ノア

ふふ、あぁ、伝えておくよ

百瀬

急げ急げっ……!!

また全速力で、来た道を走って戻る

これは俺だけじゃない、あの空間に 集まった人全員が関係してる

いや、あの7人全員が、集められる べくして集められた人達なんだ

百瀬

(だってもう、本のタイトルが言ってる……!)

百瀬

走れ俺ぇ〜っ!

〜真冬 side〜

ガチャッ

百瀬

みんなっ!!

しばらくみんなで待っていると、 本を抱えたなるせ君が帰ってきた

彼方

おかえり

百瀬

あ、ただいまっす……っじゃなくてこれ! みんな早く!

え、どしたどした?

ちょっ、落ち着けなるせ……

百瀬

とにかく読んでくださいっ!!

シャノン

わ、分かった分かった!

なるせ君に本を渡されて、 みんなで表紙を見る

そこには、前にはなかった、 こんなタイトルが書かれていた

「ー7つの音色ー」

百瀬

その本の中身……。

百瀬

──予言書っすよ

魔法使いは何を唱う? ー7つの音色ー

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