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コメント
1件
らんくんがんばれ!!
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
rara🎼
rara🎼
第57話『断片の灯』
朝。
眩しいほどの光がカーテンの隙間から差し込んだ。
らんは腕で目を覆い、布団から上半身を起こす。
らん
昨日の影の告白がまだ胸に残っていた。
偽りの記憶。
それでも守るためだと告げたもう一人のらん。
あの声を思い出すと、不思議と心は重くならなかった。
らん
洗面所に向かい、顔を洗う。
鏡の中には影は現れない。
今朝は静かだった。
リビング。
いるまが既にコーヒーを淹れていた。
いるま
らん
いるまのスマホの画面には、動画が再生されていた。
そこには自分もいた。
きっと、過去に撮ったものだろう。
らん
その楽しげな姿を見た瞬間――胸の奥がちり、と疼いた。
らん
不意に、別の光景が頭をよぎった。
――スタジオの床。
こさめが練習着姿で立っている。
鏡の前で軽く足を運びながら、笑ってこちらを見た。
こさめ
こさめ
らん
らん
こさめ
こさめ
こさめ
後ろからすちが顔を出す。
軽やかにステップを踏んで見せながら、肩を竦める。
すち
すち
らん
こさめ
こさめが得意げに笑った。
――そこに、控えめに声が重なる。
みこと
振り返ると、みことが穏やかに指を差していた。
少し照れながらも、確かな視線。
らん
こさめ
こさめの声が、鮮明に響いた。
らん
気づけば、リビングのソファに戻っていた。
額に汗がにじむ。
コーヒーを片手に、いるまは心配そうにこちらを見ていた。
いるま
らん
いるま
らん
言葉にすると、胸が熱くなる。
嘘ではない。
あの笑顔も、あの声も、確かに自分の記憶の奥にあったものだ。
昼。
何となく、思い出した記憶で、ステップを踏んでみる。
驚くほどそれは自分の身体に馴染んでいて、多少のミスはあれど初心者とは思えない動きが出来た。
ステップを踏み、腕を伸ばす。
だが――頭の中に、再び声が響く。
こさめ
こさめ
らん
また、こさめの声だ。
笑いながら、鏡越しにこちらへ指摘してくる。
らん
映像ではない。
偽りではない。
それは確かな“記憶”の手触りを持っていた。
すち
踊るリズムに合わせて、すちが横で軽く口笛を吹いている姿。
みこと
少し離れた場所で、みことが真面目に振りを確認している姿。
その全部が、らんの中に蘇り始めていた。
らん
胸が締め付けられる。
だが同時に、強く生き返るような感覚もあった。
午後。
パソコンを開き、動画アプリを立ち上げると、おすすめにこさめの歌ってみたが流れた。
開いてみれば、やっぱりこさめの声で。
儚くも強い、歌声で。
らん
呟いた声は、誰に向けるでもなく空へ消える。
だがその瞬間、心の奥で微かな声が返ってきたように思えた。
こさめ
こさめ
幻聴かもしれない。
だが、涙がにじんだ。
らん
らん
夕方。
いるまが買い物から戻ってきた。
袋を置き、冷蔵庫にしまいながら言う。
いるま
らん
いるま
いるまはそれ以上、何も言わなかった。
ただ短く頷くだけ。
その沈黙が、らんにとって何よりの支えだった。
夜。
布団に横たわると、影の声が静かに響いた。
もう一人のらん
らん
もう一人のらん
影は淡々と告げる。
もう一人のらん
もう一人のらん
もう一人のらん
らん
もう一人のらん
もう一人のらん
らんは目を閉じ、静かに笑った。
らん
らん
胸の奥に確かな灯がともった。
それは、失われた日々が再び自分の中に息づき始めた証だった。
第57話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
rara🎼
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