エレナだけはせめて生かしたい。
人を殺しておいて俺は幸せになるなんて、そんな図々しいこと考えてはなかった。
ただ一心にエレナを助ける方法を探した。
ネイ
!!
ネイ
見つけた…!!
俺は地下倉庫から保存食を次々取り出し、床に置いた。
ネイ
…よし。
何とか一人分はスペースがあるだろう倉庫。
エレナ
…何してるの?
エレナが近寄って来た所を見計らってその倉庫にエレナを押し込み、扉を閉める。
エレナ
…!?
エレナ
ネイ!?何する気!?
閉めた扉があかないように上から荷物を置いて開けられないようにした。
エレナ
ネイ!?ネイ!!
ネイ
エレナ、今までありがとな。
エレナ
…え?
ネイ
エレナに会えて、いいこと無かった俺の人生だったけど楽しかったよ。
エレナ
いや!!いや…。
ネイ
少しの間、お別れだ。
エレナ
そんな事言わないで…
ネイ
なあ、頼み事していいか?
ネイ
笑ってくれ。
エレナ
…無理よ。
ネイ
笑えって。
エレナ
…
ネイ
…そっか。
それから、会話は無かった。
突然、すさまじい音とともに家が崩れた。