テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
花梨
148
久々の科捜研は、以前とは少し空気が違い “人が減った静けさ” があった。
深緒は白衣へ袖を通しながらフロアを見渡す。 空席。使われていないデスク。段ボールが積まれた机。
松田深緒
十年前の改ざんに関わっていた人間達は一斉に姿を消した。逮捕。依願退職。異動。表向きの処理は様々でも、もうこの場所へ戻ってくることはない。
所長殺害と科捜研の改ざんの関連性は表には出なかった。
警察組織への信頼低下を防ぐため。今後の捜査への影響を最小限にするため。
——それが、公安が下した“正しい判断”。
頭では理解している。でも。
松田深緒
ぽつりと零れる。深緒は静かに視線を落とした。 科捜研は、変わってしまった。
その時。
高橋
振り向くと、高橋が山ほどの資料を抱えて立っていた。
松田深緒
高橋
その声が、静かな室内に少しだけ活気を戻す。
松田深緒
高橋
げっそりしている。深緒は思わず笑った。
高橋
高橋
松田深緒
高橋は周囲を見回して、小さく肩を落とした。
高橋
松田深緒
高橋
苦笑混じりの声。深緒も小さく笑う。
松田深緒
高橋
そこで、不意に後ろから声がした。
先輩
二人が振り返る。白衣姿の先輩が、コーヒー片手に立っていた。少し疲れた顔。でも、その目は死んでいない。
高橋
松田深緒
先輩
深緒は少し目を細める。
松田深緒
先輩
松田深緒
先輩
先輩は肩をすくめる。高橋がふと思い出したように口を開いた。
高橋
松田深緒
高橋は先輩を見る。
高橋
松田深緒
先輩は面倒くさそうに眉を寄せた。
先輩
松田深緒
高橋
先輩
先輩
ぶっきらぼうな言い方。深緒は少し笑った。
松田深緒
先輩
松田深緒
先輩が嫌そうな顔をする。その反応が少し面白くて、深緒は肩を揺らした。
先輩はコーヒーを飲みながら、静かに科捜研を見回す。
先輩
低い声。
先輩
深緒と高橋が顔を上げる。先輩は静かに続けた。
先輩
先輩
松田深緒
先輩
先輩は少しだけ笑った。
先輩
その言葉は、不思議なくらい真っ直ぐ胸に落ちた。高橋が、小さく「はい」と返事をする。
深緒はしばらく黙っていた。それから。
松田深緒
小さく笑う。
松田深緒
空っぽになった席は、まだ埋まらない。失ったものも多い。それでも、前へ進くしかないのだと。そう思えた。
その時、解析室の奥から誰かの悲鳴が響いた。
モブ
全員がそちらを見る。数秒の沈黙。
先輩
松田深緒
高橋も吹き出した。静かだった科捜研に、少しずつ笑い声が戻っていく。
コメント
6件
面白すぎて1話から一気見しました!!物語の構成も、内容も何もかもが上手すぎて尊敬します…!!もっと早くこの作品に出会いたかった、!!
このほのぼのが続いてほしいと思う自分が…いるんだよねぇ 続きが気になる!頑張れ!