3月5日。
僕たち西宮中の3年生は
あと1週間で卒業する
寂しい
嬉しい
いろんな気持ちが交差するなか
1番モヤモヤしてるのは
紛れもなく
りおんのこと。
りおん
彪太郎!おっはよ〜!
りおん
彪太郎
おはよ!
彪太郎
って、朝から何飲んでん!
りおん
タピオカ〜
彪太郎
いや、分かってるけど!
りおん
飲む?
るか
はあ?
るか
るか
そんなん、るかが許さへん!
るか
なぁ〜、彪太郎!
りおん
…ごめん、だれ?
彪太郎
ああ、俺の妹やねん。
彪太郎
近くの小学校に通ってるんやで!
りおん
よろしくね!おかっば似合う〜♡
るか
…べーだ!
彪太郎
るか!
彪太郎
ちゃんと自己紹介せな、これから一緒に行かんで!
るか
…分かったよ。
るか
岡﨑るか、11歳です。
るか
小学5年生。
りおん
るかちゃん、よろしくね!
るか
…うん。
彪太郎
るか、この道やろ。
彪太郎
じゃあな!
彪太郎
るか
バイバイ…
りおん
また会おうね!
るか
…。
彪太郎
ごめんなぁ〜。
りおん
彪太郎、お願いがあるんやけどさ…
彪太郎
ん?
りおん
幼馴染でこんなん言うの、めっちゃ恥ずかしいんやけど…
彪太郎
ん?
りおん
あのな、りおん、彪太郎の第2ボタンが欲しいねん!
彪太郎
…え?
彪太郎
なんで?
りおん
そ、そんなんわかるやろ!
彪太郎
まあ…ええけど。
第2ボタン?
なんか意味あったっけ?
でも…
りおんが欲しいなら!
彪太郎
でもなんで?
彪太郎
第2ボタンってなんかあった?
りおん
…別にないで。
彪太郎
ふうん…
彪太郎
あっ!分かった!
りおん
え?
彪太郎
あれや!あれあれ!
りおん
…?
彪太郎
俺たちが中学入学したばっかりのとき、りおんが寝ぐせついてて。
りおん
うん。
彪太郎
そのとき、いつもと同じノリで喋ってたら
りおん
うん。
彪太郎
そのときりおん、長い髪で
彪太郎
それが第2ボタンに引っかかったんや!
りおん
…分かっちゃったかぁ〜!
りおん
( 本当はちょっと違うけど…)
りおん
まあ、そう言うことだから!
彪太郎
高校違うもんな…
りおん
うん…
続く