セイが来てからしばらく経った。 ホムラとセイは仲を深め、訓練や日常生活を共にするようになった。
ただ、お互いの詳しい過去を知っている訳ではなく、二人の間でそれは「気になってはいるけど触れられないもの」になっていた。
いつかは話したいと思ってはいても本人たちにとって苦しい思い出であり、他人に話せばその人も苦しくなるとわかっていたために、なかなか切り出すことは出来なかった。
らっだぁ達はそれに気づいているようだ。
らっだぁ
仲良くやってるみたいだね。
ホムラ
体の動かし方を教えて貰ってるよ。
らっだぁ
ホムラ
ふとした時の考えとか、言動とか。
それもあってすげえ一緒にいて楽しい。
らっだぁ
ほぼ兄弟やん。
ホムラ
…だからこそもっとあいつのこと知りたいんだけど…。
ホムラ
らっだぁ
ゆっくりでいいんじゃない?
らっだぁ
焦らなきゃいけないような相手でもないだろ。
ホムラ
みどりいろ
ホムラモ一緒ニシタイナ。
らっだぁ
ほかのみんなは?
みどりいろ
らっだぁ
なにしたいの?
みどりいろ
ホムラ
らっだぁ
ホムラ
でかい声出しちゃう…。
一方その頃…
ほかの4人はレストランで食事をしていた。
セイに話があると言われ、ばどきょーと、暇そうにしていたレウとコンタミ一緒に出かけているのだ。
金豚きょー
話ってなんや?
外に出ないと話されへんってことやんな?
セイ
俺この間、ホムラの部屋に行ったんだけど、その時初めて家族の写真見せてもらったんだよ。
セイ
それが唯一あいつが持ってる写真らしいんだ。
セイ
そう言いながらセイはホムラの家族写真をスマホで見せた。
コンタミ
セイ
セイ
画面をスワイプして見せた写真には、ホムラの家族写真に写っていた女性と全く同じ顔が写っていた。
レウクラウド
セイ
セイ
セイ
セイ
セイ
金豚きょー
兄弟ができたってことやろ?
セイ
それってあいつの母さんが不倫したってことじゃん…。
セイ
あいつはそれを知らないかもしれないけど、俺が嫌なんだよ…。
コンタミ
それが分かれば多少どうしたらいいかの見通したつかもよ?
レウクラウド
コンタミ
セイ
確証が生まれれば、あいつに言える、、言わなきゃいけない気がするし。
金豚きょー
弟だって分かればもっと嬉しいんちゃう?
セイ
あいつに嫌われるのが怖い。
不可能である可能性が少しでもあるなら、足がすくんで動けなくなる。
レウクラウド
セイ
…それは命を落としてでも仕事を全うしろって叩き込まれてるからかも。
セイ
人間はいつか死ぬ。
セイ
かと言って死にたいと思うわけでもなく、ただただ言われたことをやるだけの生活だった。
セイ
変わらなきゃって思うけど、刷り込まれたものはなかなか消えないもんで、ふとした時に頭に囁きかけてくる。
セイ
それはホムラに会えたから。
あいつは俺の事を認めてくれるし、生きててもいいって思える。
そんなふうに思わせてくれるあいつを悲しませるのはちとキツい。
セイ
ここまで一気にまくし立て、そこから黙り込んだ。
金豚きょー
後悔する前に行動に起こした方がいい。
金豚きょー
だけど、人間いつか死ぬって言ってるように、正直いつ死ぬかわからん。
金豚きょー
金豚きょー
色々大変なことはあるけど、それ以上にここにいて良かったって思える。
あの時断ってたら絶対に後悔してた。
金豚きょー
金豚きょー
金豚きょー
これから先、何を選ぶにしてもな。
コンタミ
どうせなら楽しく生きたいよね。
レウクラウド
もし本当のことを打ち明けてホムラに嫌われても、それはセイのせいじゃないし。
レウクラウド
セイ
セイ
セイ
俺はその空気を感じたことがほとんどないから戸惑っちゃってんのかな?
コンタミ
それは言えてるかもね。
コンタミ
セイ
でもその前にちゃんとホムラに説明する。
セイ
金豚きょー
金豚きょー
金豚きょー
セイ
ばどきょーに頭をわしゃわしゃと撫でられて、セイは恥ずかしそうにその手を振り払った。
その日の夕方、セイはホムラと屋上にいた。
ホムラ
みどりくんにホラゲー付き合わされてさ…。
ホムラ
セイ
ホムラ
どした?
セイ
セイはホムラと自分の関係を、写真を見せながら説明した。
セイ
ホムラ
ホムラ
感染しちゃうからとかいう理由で…。
ホムラ
セイ
俺はお前の母さんが不倫してできた子だぞ…?
ホムラ
ホムラ
ホムラ
だけど本当に血の繋がった兄弟なんて初めてだから。
ホムラ
俺とお前が兄弟だからって親友であることには変わりないっつの!
そう言ってセイのおでこにデコピンをした。
セイ
ホムラ
セイ
ホムラ
お前を置いてったり、ひとりぼっちにしたりしないから。
セイ
作者
作者
作者
作者
開く時はぱっと開くのに、ふとした時に開こうとしてもぜんっぜん開かん!なに!?
作者
まあ何とかします!
作者