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涌井 明里

私って、

涌井 明里

本当に凌くんの彼女なのかな……?

桐山 凌

……は?

桐山 凌

明里は正真正銘俺の彼女だ

涌井 明里

…っじゃあなんで

涌井 明里

凪沙ちゃんばっかり優先するの?

涌井 明里

彼女である私の気持ちは無視してもいいの?

桐山 凌

……

桐山 凌

言えよ、じゃあ

凌は明里の腕を掴む手をぎゅぅ……と強くした。

涌井 明里

っ!

桐山 凌

明里は心の中で自分の気持ちを溜め込んでばかりだ

桐山 凌

明里の気持ち、言葉で伝えてくれねーとわかんないだろ!

涌井 明里

……

言ったよ

適当にあしらったのはそっちじゃん……!

私の気持ちを本気で受け止めてくれないのは 凌くんだよ!

涌井 明里

…じゃあ言うけど!

明里は凌が掴む手をバッと振り払った。

涌井 明里

凪沙ちゃんは

涌井 明里

凌くんのことが好きなんだよ!

桐山 凌

……は?

涌井 明里

私、嫌だよ

涌井 明里

凌くんのことが好きな女の子と一緒にいて欲しくないんだよ……

桐山 凌

…………

凌は少し沈黙した後、口を開けた。

桐山 凌

そんなわけ、ないだろ

涌井 明里

……え

桐山 凌

俺らいとこだぞ?

桐山 凌

物心つく前から一緒にいた幼馴染でもある

桐山 凌

凪沙はそんなこと、思ってない

涌井 明里

……っ

凌くんのそういう、都合のいいように自分だけを信じて人に影響されないところ__

大好きで、大っ嫌いだよ!

涌井 明里

凌くんは……

涌井 明里

私が凌くんを信用してないって言ってたけど

涌井 明里

本当に私を信用してないのは凌くんでしょ……?

涌井 明里

私の話に聞く耳持ってくれないじゃん!

涌井 明里

何一つ信じてくれないくせに!!

桐山 凌

……そんなこと!

涌井 明里

じゃあ。今、決めて

桐山 凌

……は?

涌井 明里

私と凪沙ちゃん

涌井 明里

どっちが大切なの

こんな質問するなんておかしいってわかってる

でも、『明里』っていう答えが欲しい

そして安心したい

ただ、それだけ__

桐山 凌

……

凌は黙って明里を見据えていた。

桐山 凌

…………

桐山 凌

どちらか大切なんて分からない。

桐山 凌

明里と凪沙

桐山 凌

ただ、俺にとって2人は

桐山 凌

同じくらい大切な人だ

重い鈍器で殴られたような衝撃が走る。

息の仕方を一瞬忘れてしまった。

涌井 明里

……はは

涌井 明里

じゃあ私、凌くんの"彼女"でいる意味ないじゃん……

凌くんの一番になれない"彼女"なんて肩書き

必要なくない……?

桐山 凌

……さっきから

桐山 凌

彼女、彼女って……

桐山 凌

俺は明里が"桐山凌の彼女"だから好きなわけじゃない

桐山 凌

そんな肩書き、あってもなくてもお前が好きだよ

涌井 明里

……っ

涌井 明里

(知ってる、知ってるけど)

彼女って立場がないと、安心できないんだよ……

桐山 凌

…………

桐山 凌

はぁ、……

涌井 明里

……え

涌井 明里

なんでため息つくの?

桐山 凌

…明里さ

桐山 凌

ちょっと、めんどくさい。

涌井 明里

…は

桐山 凌

…自己肯定感低いって言うか……重いというか

桐山 凌

俺の"1番"に囚われすぎ__

涌井 明里

バカ!!

明里の怒鳴り声に凌は肩を震わせた。

涌井 明里

私、凌くんが大好きだから重くなるんだよ!

涌井 明里

なんでそんな言い方するの!?

桐山 凌

……

桐山 凌

だから、

桐山 凌

明里は"恋愛感情"を正当化しすぎなんだよ!

涌井 明里

……何言ってるか、

涌井 明里

わかんないよっ!

明里は拳をぎゅっと握りしめた。

涌井 明里

私は凌くんのこと一番に思ってるのに

涌井 明里

誰よりも大好きなのにッ!

桐山 凌

……!

明里はそう言い残し、凌から背を向けて走っていってしまった。

桐山 凌

ちょっ…………

桐山 凌

…………

桐山 凌

……クソッ

涌井 明里

はぁっ……はぁ……

明里は息を切らしてその場に止まった。

涌井 明里

(いっぱい走ってきちゃった……)

後ろを振り返っても、凌の姿は無い。

すると、ザー……と小粒の雨が降り出した。

涌井 明里

……はは

涌井 明里

最悪だ……

涌井 明里

ぅ……

でも丁度いいや

泣いてるの、バレないから。

明里はその場にしゃがみこみ、声を殺して泣いていた。

街行く人たちは明里のことを少し心配しながら歩き去っていく。

涌井 明里

(もう、全部やだ…)

私がやっぱり全部悪いんだ

でも、どこが悪いのか分かんないよ……

重いところ?

重かったらなんでダメなの……

ザー……と雨は明里の身体を打ち付けていく。

すると、傘が明里を雨から守るように差し出された。

涌井 明里

……?

明里は顔を上げる。

水木 陸

明里さん……

涌井 明里

……り、陸くん…っ!?

涌井 明里

なんで__

陸は明里と目線を合わせるようにその場にしゃがみこんだ。

水木 陸

なんで泣いてるの?

涌井 明里

っ!

涌井 明里

……っう

涌井 明里

っ、う……うぅ……

明里は安心感から一気に涙が溢れ出す。

水木 陸

え!え!え!

水木 陸

とと、とりあえずどこか店……入ろっ!

陸は慌てて明里の手を取った。

店員

お客様……

店員

良ければタオル……どうぞ

店員さんは明里に白いタオルを差し出す。

涌井 明里

涌井 明里

あ、ありがとうございます

明里の全身は酷く濡れていた。

店員

はい。では、ご注文決まりましたらお呼びくださいね

店員さんはニコッと笑って行ってしまった。

涌井 明里

……はぁ

涌井 明里

ごめんね、陸くん

涌井 明里

なんか、迷惑かけちゃって

水木 陸

大丈夫。迷惑なんかじゃないよ

涌井 明里

何か用事とか__

水木 陸

ああ。光のプリン買いに来たけど、

水木 陸

明里さんの方が何倍も大切だし

涌井 明里

……

水木 陸

それで?

陸の目つきは真剣になる。

水木 陸

なんで1人で泣いていたの?

水木 陸

何か、あった?

……言ってしまってもいいだろうか

陸くんは関係ないのに

涌井 明里

…………

水木 陸

『私の前だけでも素直になってみて欲しい』

涌井 明里

…?

水木 陸

『1つ、どんな小さくてもいい』

水木 陸

『溜まった辛い気持ちを吐き出す場所があれば』

水木 陸

『少し気も楽になると思う』

涌井 明里

……それって__

水木 陸

ははっ

水木 陸

1年前、初めて明里さんと会った日

水木 陸

練習試合の時だね

水木 陸

明里さんが俺に言ってくれた言葉だよ

涌井 明里

(陸くんのボールが当たって、気絶して……)

涌井 明里

(保健室で話してた時だよね)

涌井 明里

(懐かしい……)

水木 陸

俺があの時、どれだけ救われたか

水木 陸

どれだけ嬉しかったか__

水木 陸

明里さん

水木 陸

あの時の言葉、そのまま今の君にお返しするよ

涌井 明里

ジーンと心が温かくなる。

陸くんは優しいな……

涌井 明里

…ありがとう

涌井 明里

実はね__

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コメント

7

ユーザー

明里ちゃん頑張れ。 もうちょっとお互いの声に耳を傾けて。

ユーザー

あー、喧嘩になっちゃったこのまま別れちゃうのかな?😭

ユーザー

こういう時に助けてくれる人ってなかなかいないよね... 陸くん優しい...!やっぱり前出てきた「傘」、登場したね✨️

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