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「夜って良いよね」
…なんて
彼が言ってたっけな
心の中のショーウィンドウに飾ってある言葉
脳にきちんと記憶されている
イヤフォンを耳に預け
夜の街を歩く自分に酔いしれながら
そんなことを考えていた
イヤフォンから流れてくる音楽
彼が好きな曲だったっけ
頭蓋骨の隅から隅まで
彼が好きだった曲で満たされている
夜の景色に感動する
こんなにも綺麗だったのかと
老若男女問わず、様々な人達が
この夜景に励まされてきたことだろう
都会の夜景はやや明るい
よく田舎の夜景は美しいと言われるが
自分自身、都会の夜景も素敵だと思う
人が行き交う街の夜景
店の看板に取り付けられたライトが美しく煌めく
彼と私の関係が他人同士になった時も
この夜景は私を励ましてくれた
…でも
まだ心の傷は癒えていない
心の中の深い傷
誰かが絆創膏を貼ってくれたら治るのかなあ、なんて
そんなことを考えてる
彼を忘れるわけないのにね
彼を忘れない限り傷なんて治らないのにね
誰かが絆創膏を貼ってくれても治らないんだろうな
夜空の奥の方に見えてきた小さな光
もうすぐ朝が来る
何時間もこの場所にいたのだろう
私は何度この夜景に励まされているのだろうか
もうすぐ朝が来るのに離れられない
日が完全に昇るまで
私は動けそうにない