私には秘密がある。
それは私達・彼方家が 有名な陰陽師だということだ。
この事は家族の他に、 幼馴染しか知らない。
どうしてバレてはいけないかって?
知っての通り、今の時代に 陰陽師が存在すると知れ渡ったら、 それなりの被害を 受けそうだからだ。
彼方恵奈
ハク、いってくるね!
ハク(柏珠)
あぁ、いってらっしゃい
いつも通り妖狐の柏珠(はくじゅ)に 挨拶をしていると、 仲良しの座敷わらしが こちらへ歩いてくるのが見えた。
私はこの座敷わらしのことを “ちとせ“と呼んでいる。
彼方恵奈
おはよう!ちとせ
ちとせ
あっ、恵奈さん…!
ちとせ
おはようございます…(*´︶`)
ちとせは私の家に住んでいて、 朝早い時間から 見回りに出かけているので 毎回学校に行く時間に会うのだ。
彼方恵奈
見回り、お疲れ様!
ちとせ
ありがとうございます…!
ちとせ
恵奈さんも学校、楽しんできてくださいね(*´▽`*)
彼方恵奈
ありがと!
彼方恵奈
いってきま〜す!
これが私の少し変わった日常だ。
私の幼馴染は超がつくほどの ハイテンションだ。
でも私はそういう人の傍に居る時が 一番落ち着く。
円城寺仁(ジジ)
ねぇねぇ恵奈!あのさ!
彼方恵奈
ん〜?
円城寺仁(ジジ)
こないだ、うちのクラスで校長ってヅラっぽくね?って話になったんだけど、
円城寺仁(ジジ)
確かめに行こうっつって、クラスの奴が髪引っ張ったら、
円城寺仁(ジジ)
ホントにヅラだったんだよ!w
円城寺仁(ジジ)
ウケるっしょ?!
彼方恵奈
何それ!wそんなことあんの?!w
円城寺仁(ジジ)
あるある!
彼方恵奈
え〜、めちゃくちゃ楽しんでるじゃ〜ん!
私は仁が笑ってると、 私も笑える。
嬉しくて思わず口にした言葉が 仁には私が寂しがっているように 聞こえたのか、さっきの 元気な声とは違う優しい声で 反応してくれる。
円城寺仁(ジジ)
でもやっぱり俺は恵奈が居ないと寂しいな〜
彼方恵奈
放課後いつも会ってるじゃん笑
円城寺仁(ジジ)
え〜ッ!?それで満足なの?!
円城寺仁(ジジ)
ちょ待!じゃあ、俺の片想い〜?!?!
彼方恵奈
片想いって笑
私と仁はいつもこんな風に 2人でバカ騒ぎして楽しんでいる。
仁と居るとあっという間に 時間が過ぎていく。
いつも気づいたら外はもう暗く、 仁が家まで送ってくれる。
彼方恵奈
いやぁ〜、いつも申し訳ねぇです(´>∀<`)ゝ
円城寺仁(ジジ)
こんな夜道をキャワウィ〜子1人で歩かせるなんて、俺にはできないからね!
彼方恵奈
も〜!冗談は程々にね!笑
彼方恵奈
じゃあまた明日!ニコッ
円城寺仁(ジジ)
うん、また明日っ!ニシッ
この時間を守る為なら 命だって賭けると、私は誓った。