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引っ越し初日の夜。 シャワーを浴び終えて、髪を乾かそうとしていた時だった。
ピンポーン。
凪
この家の住所、誰にも教えてない。 宅配も頼んでない。 ていうか、カーテンすらまだつけてないのに。
怪しい──と思いつつ、インターホンを覗くと、
イケメンが2人。
1人は黒髪で、やたら整った顔立ち。 もう1人は明るい茶髪で、笑顔がやたらとまぶしい男。
凪
俺は、慎重にチェーンをかけたままドアを開けて、警戒しながら聞いた。
凪
すると黒髪の方が、まっすぐこっちを見て、無表情に言った。
?
凪
?
茶髪の方が、目尻をくしゃっとさせて笑った。
?
凪
?
凪
?
黒髪の男──颯真と呼ばれたほうは、うなずいた。
颯真
凪
すみません、ほんと誰ですか。 脳内で“通報”の2文字がよぎる。
でも──
颯真
海翔
颯真
海翔
俺の肩を抱いて、軽く玄関の中に押し込んでくる茶髪。
海翔
颯真
2人は、まるで“昔からそうしていた”ように俺に話して、 軽く手を振って帰っていった。
そしてドアが閉まった瞬間。 俺は、その場に座り込んだ。
呼吸がうまくできなかった。
なんで。 なんで2人の声、顔、目の色が── こんなにも、懐かしいんだよ。
俺は、何を忘れてるんだ。
そして、 ──どうして、忘れたのに あの2人の声で、 心臓が、こんなに痛いんだ。
凪
颯真
海翔
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー