夜も更けているけれどなんとなく寝る気にはなれない。ぼーっとしながら二人でベッドに座っている。
朝陽
ねぇ
杏
…何その顔
朝陽がちょっといたずらっぽい笑顔で私の方を向いた。絶対何か企んでる時の顔だ。
その笑顔のまま朝陽が私に迫る。
朝陽
………
杏
な、何…
私はただ後退りすることしかできない、鼻先が触れそうなほど近くに来たところで朝陽がその笑顔のまま言った。
朝陽
今から俺と楽しいことしない?
杏
…言うと思った
私はいつも朝陽のその笑顔に流される。
杏
あー!また負けたー!
朝陽
本当に杏は弱いなぁ
あの笑顔は「俺と朝までゲームしよう」の顔だ。そして私はいつも勝てない。
杏
お願い!もう一回!
朝陽
いいよ、何度でも
杏
次は負けない
そして朝陽はわかってる。いつもそれを朝まで続けるのが私だということも。