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僕は部活での大島先輩の言動に

悩まされていた……

その時だった

吉川先輩が声をかけてくれたのは

吉川先輩

ちょっと君ー!

吉川先輩

さっきからずっと呼んでるんだけど!

え?

僕ですか?

吉川先輩

そうよ!

吉川先輩

話があるからこっち来て!

は、はい……

吉川先輩

なんですか先輩

話って……

吉川先輩

今日の帰り家来れる?

え、え!?

なんで僕が!?

吉川先輩

いいから、とにかく家来れる?

ああ、まぁ、はい行けますけど……

吉川先輩

じゃ、帰りにまた来るね!

その時、先輩からほのかに香った匂いは

後の僕にとって

宝物となることを

この時の僕は知らない

(吉川先輩、可愛いなぁ)

(いい匂いするし……)

キーンコンカンコーン

吉川先輩

おーい、約束通り迎えにきたよー

あぁ、ありがとうございます……

吉川先輩

なんか元気ないね?

吉川先輩

どうかした?

い、いやなんでもないですよ!

早く行きましょ

吉川先輩

吉川先輩

わ、わかったわ……

吉川先輩

さ、入って

はい

可愛い部屋ですね!

吉川先輩

でしょ!

あの先輩、家族とかは……

吉川先輩

いや、一人暮らしなの

吉川先輩

吉川先輩

ちょっとワケがあって……

僕でよければ…は……

あっ……

なんか熱いな……

吉川先輩

え!大丈夫?

吉川先輩

やっぱ体調悪いんじゃないの?

い、いや……

だいじょ……

バタンッ

吉川先輩

え、ちょっと!

吉川先輩

大丈夫!?

数時間後

あれ僕……

吉川先輩

あ、やっと起きた!

吉川先輩

(眠ってる間ずっと寝言つぶやいてたのは、黙っておこう……)

あ、僕なんか喋ってました?

吉川先輩

え!?

吉川先輩

いや、なにも?

吉川先輩

あ、ちゃんと親には連絡しといたわ

え、どうやって……

吉川先輩

生徒手帳

あ、なるほど……

じゃあ、僕帰りますね……

吉川先輩

いや、もう夜遅いわよ?

僕は部屋の時計を確認した

PM 22:00

え!?

僕どんだけ寝てたの!

吉川先輩

今日は家泊まってきな

はい

ありがとうございます……

1時間前

吉川先輩

まさか本当に熱があるとは……

ふるた

せんぱい

きびしい

吉川先輩

え?

おおしま

せんぱい

やさしい

けど

こ、こわい

吉川先輩

こわい?

吉川先輩

そうかなぁ

吉川先輩

お!

かわいい

吉川先輩

おお!

いい匂い

吉川先輩

おおお!

大好き

吉川先輩

え、えぇぇ!!?

吉川先輩

まじで!?

吉川先輩

嬉しいんですけど!?

昨日はありがとうございました

吉川先輩

吉川先輩

ま、まぁね……

吉川先輩

まだ熱っぽそうだから、気をつけてね

はい

じゃあ、ま……

吉川先輩

待って!

え、先輩!?

僕は正直困惑した

でも

嬉しかった

だってこれが

先輩との最初で最後のハグだから

せ、先輩!

吉川先輩

好きだよ

吉川先輩

今度の土日空いてる?

あ、空いてるけど……

吉川先輩

じゃあ決まりね

吉川先輩

楽しみにしてるわ

吉川先輩

またね

今日はデートの日

集合場所は駅前広場だった

先輩まだかなぁ

吉川先輩

吉川先輩

ごめん!

吉川先輩

待った?

あ、いや……

待ってないよ

先輩の格好を見て僕は……

ますます好きになった

あ、先輩、デートどこ行きます?

吉川先輩

吉川先輩

どこでもいいわ

吉川先輩

あなたが私と行きたい所でいいわ

え、じゃあ……

吉川先輩

買い物デートねぇ

だめでした?

吉川先輩

いや、悪くないわね

吉川先輩

あ、そういえば私行きたい店あるの!

吉川先輩

ついてきて

あ、はい……

えーっとここは?

吉川先輩

香水ショップよ

吉川先輩

ここ私の行きつけなの

へぇ

どうりで先輩いつも……

吉川先輩

あ、これ!

吉川先輩

私のマイ香水!

画像はイメージです。

吉川先輩

最近使いすぎて減ってきたから

吉川先輩

また買おーかな!

あ、待って!

吉川先輩

え?

僕が買ってあげるよ

吉川先輩

本当に?

ああ

吉川先輩

じゃあ、お言葉に甘えて!

吉川先輩

ふぅー!

吉川先輩

今日は良い日だったなぁ!

僕のお金が……

吉川先輩

ごめんね!

吉川先輩

あの香水、一つ一万円なの……

またバイトがんばろ……

吉川先輩

でももっと好きになった!

吉川先輩

君のこと!

え?

本当?

吉川先輩

も、もちろ……

吉川先輩

うっ!

吉川先輩

先輩!!

死神

君が今見ている景色は幻想

なに!?

死神

もちろん、君が好きな先輩も幻想だ

ち、ちがう……

先輩は幻想なんかじゃ……

死神

そうか……

死神

ならば、証明してみせよう

死神

吉川先輩

吉川先輩

は、早くこの香水だけ…でも……

吉川先輩

カランコロン

先輩の姿は消え、 香水の瓶だけが転がっている

先輩……

吉川先輩!

戻ってきてよ!!

死神

無理だな

死神

君が好きな先輩はもう……

死神

いないのだよ……

クソッ……

ぼ、僕のせいだ……

死神

君のせいじゃないよ

死神

先輩は元々幻想だったんだよ

え?

死神

君が先輩と廊下で喋った時

死神

妙にいい香りがしただろ?

まさか……

死神

そう、そのまさかだ

死神

先輩の本体はこの香水なんだよ……

まじかよ……

死神

だからこの香水は君にあげるよ

死神

プレゼントだ……

死神

大事にしてやってくれ……

死神

じゃあな

死神

あ!

行っちゃった……

僕はこの時

ある決意をした

絶対に、この香水を手放さないと

僕は今

余命数ヶ月の難病を患っている

だから、 今こうして今までの想い出を振り返り、 ノートにまとめている

そのノートの名前は

「Do not forget the person you love」

意味は愛する人を忘れない

数ヶ月後

僕はもうすぐ死ぬ

だから、今あえて

会っておきたい人がいる

死神

呼んだか?

はい

死神

死神である俺を呼んだってことは

死神

もう覚悟はできたってことか

はい

早く連れていってください

死神

死神

香水は持たなくていいのか

あ、忘れてました

死神

ばかやろう

死神

俺が言わなかったらどうなってたんだよ

すいません

これもわざと

死神に香水を気づかせることでちょっとでも死ぬ恐怖を……

と、思ったがやはり……

死神

怖いか?

はい……

死神

香水をしっかり持っとけ

死神

そうすりゃなんとかなるはずだ

はい

死神

じゃあ、やるぞ

死神

死神

3

死神

2

死神

1

また会えたね

吉川先輩

そうね

私も嬉しいわ

先輩

ハグしていい?

もちろん

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