紗羅
魔叉琉…
魔叉琉
警部、
俺に捜査させてください
俺に捜査させてください
藤野警部
だがこの状況は
魔叉琉
証拠が見つからなければ
逮捕してもらって
逮捕してもらって
魔叉琉
構いません
魔叉琉
犯人かもしれない可能性が
少なからずあるのは
少なからずあるのは
魔叉琉
理解してます
魔叉琉
警察の人がどなたか
近くにいれば
近くにいれば
魔叉琉
問題ありませんよね
藤野警部
稔君…
紗羅
警部、私からも
お願いします
お願いします
紗羅
魔叉琉が犯人だとしたら
紗羅
私が証拠を見付けて
解決したいんです
解決したいんです
紗羅
他の誰かになんて
譲りたくない
譲りたくない
魔叉琉
紗羅…
紗羅
なんて、わがままですけど
紗羅
私も一緒に捜査する…
これじゃ駄目ですか
これじゃ駄目ですか
藤野警部
……俺も正直
藤野警部
稔君が犯人だとは
思えない
思えない
藤野警部
許可するよ
魔叉琉
ありがとうございます
紗羅
ありがとうございます!
2人が一礼した時
扉が開き また見知った人物が現れた
高峰刑事
藤野警部
紗羅
高峰刑事!
高峰刑事
またお前らか
高峰刑事
んで?
高峰刑事
噂じゃ犯人、
コイツだって?
コイツだって?
魔叉琉
憶測で逮捕すれば
冤罪で訴えますよ
冤罪で訴えますよ
高峰刑事
怖
藤野警部
そうだ高峰
高峰刑事
なんです?
藤野警部
稔君と碧くんの捜査を
見ててくれないか
見ててくれないか
高峰刑事
はあ?!
藤野警部
ほら…一応今は
魔叉琉
俺が1番の容疑者なんで
高峰刑事
……あー
高峰刑事
まあ…
助けてもらったしなぁ
助けてもらったしなぁ
魔叉琉
ありがとうございます
高峰刑事
まだ俺は何も
魔叉琉
そしたら、ボウガンの
仕掛けられてた位置
仕掛けられてた位置
魔叉琉
教えてください
高峰刑事
……はぁ…
高峰刑事
森沙都子の
立って話していた場所の
立って話していた場所の
高峰刑事
ド真ん前だ
紗羅
ド真ん前…
魔叉琉
確かボウガンは
蝋燭の炎で
蝋燭の炎で
魔叉琉
紐が切れるように
設置されていましたよね
設置されていましたよね
高峰刑事
そうだな
魔叉琉
沙都子さんの
話すタイミングと
話すタイミングと
魔叉琉
話す位置を事前に
わかっている人物
わかっている人物
魔叉琉
となると…
魔叉琉
少なくとも
森製薬関係者だな
森製薬関係者だな
藤野警部
会場設置に
携わることが出来たのは
携わることが出来たのは
藤野警部
森一族の中でも
健司、沙都子、雅彦…そして
健司、沙都子、雅彦…そして
藤野警部
秘書の佐藤宏樹だったかなぁ
おっと失礼、独り言だ そう言って藤野は会場を出ていく
紗羅
警部…!
魔叉琉
ありがとうございます!
高峰刑事
まったく、
面白いことするよなぁ
面白いことするよなぁ
魔叉琉
でもこれで
だいぶ絞れた
だいぶ絞れた
紗羅
確か停電前の皆の位置は
紗羅
沙都子さんが前の真ん中
紗羅
沙都子さんから見て左側に
待機の健司さんと
待機の健司さんと
紗羅
秘書の佐藤宏樹さん
魔叉琉
雅彦さんは俺らの
テーブルの近くにいたな
テーブルの近くにいたな
その時 廊下から大声が聞こえ
3人は身を固くした
魔叉琉
なんだ?
佐藤宏樹
話があるんです!
警官
勝手に入るな!
佐藤宏樹
でも捜査してるのは…
紗羅
この声……
魔叉琉
佐藤さんだ
魔叉琉
高峰刑事
高峰刑事
わかってる
高峰は面倒くさそうに 頭を搔くと
未だ言い争う2人に 声をかけた
高峰刑事
…おい、どうした?
警官
高峰刑事…
警官
あの、コイツが
佐藤宏樹
捜査されてるのは
あなたですか!?
あなたですか!?
高峰刑事
あぁ…はい、まあ
佐藤宏樹
話があるんです!
警官
おい!
高峰刑事
……
高峰刑事
良いです、来てください
高峰刑事
警部に一応
伝えといてくれ
伝えといてくれ
警官
は、はぁ…
困惑する警官を背に 2人は会場内に戻る
魔叉琉は やっぱり と 頷いた
佐藤宏樹
話っていうのは
ええと
ええと
佐藤宏樹
あの…あまり
洩らさないで欲しいんですけど
洩らさないで欲しいんですけど
高峰刑事
それは勿論
佐藤宏樹
実は…社長に脅迫状が
届いてまして
届いてまして
魔叉琉
っ…!?
高峰刑事
詳しく
佐藤宏樹
僕が停電した時
咄嗟に社長の前に出たのは
咄嗟に社長の前に出たのは
佐藤宏樹
それのせいなんですけど
佐藤宏樹
その……
佐藤宏樹
次の社長を
沙都子さんにするな、
沙都子さんにするな、
佐藤宏樹
その発表を行おうとすれば
命はない、と……
命はない、と……
紗羅
つまりあの時
健司さんは
健司さんは
紗羅
次の社長の発表を
する予定だったんですか
する予定だったんですか
佐藤宏樹
ええ…
高峰刑事
なるほど
高峰刑事
ありがとうございます
戻って大丈夫ですよ
戻って大丈夫ですよ
佐藤宏樹
は、はい
緊張した面持ちで出ていく その背中を見てから
高峰は魔叉琉に視線を向ける
高峰刑事
なんか閃いた顔してんな
魔叉琉
はい
魔叉琉
おそらく紗羅も
紗羅
勿論
魔叉琉
沙都子さんが
社長にならないことで
社長にならないことで
紗羅
得する人物は
魔叉琉
もうあの人だけだな
紗羅
そうね
紗羅
あとは証拠……
魔叉琉
ワインの中身が
入れ替えられてたとして
入れ替えられてたとして
紗羅
それを出来たのは
紗羅
「あの場所」にいた…
魔叉琉
それはそう
魔叉琉
じゃあどこで
入れ替えるかって話だな
入れ替えるかって話だな
紗羅
あの時御手洗で
捨てて帰ってくるような
捨てて帰ってくるような
紗羅
そんな時間は無かったよね
魔叉琉
となるとこの会場内だけど
魔叉琉
ワインを捨てても
問題無い場所……
問題無い場所……
紗羅
ワインの色は赤よね
魔叉琉
……それだ
魔叉琉は歩いて 開いた扉の影になる場所に行く
屈んでそのカーペットに ハンカチを当てた
高峰刑事
なんだ、何かあったのかよ?
紗羅
どう?
魔叉琉
ふっ…ビンゴ
魔叉琉
鑑識の人呼んで
ここのカーペット
ここのカーペット
魔叉琉
調べてください
続く