紫
私は、ただがむしゃらに 走っていた。
神様…!!どうか…
どうか、もう一度だけ…
奏に会わせて 下さい…っ!!
…ん?
…あれは、もしや?
伊織くんでしょうか!?
伊織くん、手を合わせて、 何かを唱えてる…?
しかも、瞳が黄金色…?
もしかして、 伊織くんって…!?
…ってそんな事考えてる 場合じゃない!!
紫
紫
伊織くん
伊織くんは私を見つけると
眉間にシワを寄せる。
…もしかして。
…これ、私が知っちゃ、 ダメだったのかな…っ!?
…でも。きっと。
伊織くんなら。
受け止めてくれる…はず!!
はず、じゃない。 絶対、だよ…っ!!
紫
走りすぎて、息が切れる。
…でも、そんなの。気にしてる暇はないのです…っ!
紫
紫
紫
だめだって事くらい、 自分でもわかってる。
生意気な事だって、 自分でもわかってる。
でも…。
ちょっとだけ、伊織くんに 期待してる自分がいる。
眉間にシワを寄せていた 伊織くんの顔には
いつの間にか シワは消えていて。
代わりに、とびっきりの笑顔があったんだ…!!
伊織くん
伊織くん
伊織くん
伊織くん…。
ありがとう…!!
伊織くんの術の事、 人に言うわけ、無いよ…!
私を助けてくれる、恩人様に 失礼な真似なんて…
絶対しない!!
紫
紫
伊織くん、光樹くん…
ありがとう!!
…私、
絶対後悔なんてしない…!!
伊織くん
伊織くんは、私の手を握る。
紫
伊織くん
紫
もう、覚悟は出来てる。
行けるよ、大丈夫。
いつでも かかって来い…!!!
伊織くん
伊織くん
伊織くん
強い風がびゅうっと吹いて、
途端に私と伊織くんが 宙に浮く。
紫
そして強い風と共に…
私たちは前に、前へと 進んで行く…!
は、速すぎて、ちょっと 怖い…かも…?
ううん、やっぱり、 怖くなんかない!!
だって…。
奏に…。
奏に会うため だもんっ!!
伊織くん
紫
伊織くん
伊織くん
紫
伊織くん
伊織くん
いつもと違って、黄金の瞳の 伊織くん。
でも。
いつも以上に、優しく 笑ってくれた。
…ありがとう。
私、絶対幸せになるから…!
伊織くん
伊織くん
伊織くんが指差すのは…。
黒い大型の車。
…間違いない。
あれは、 奏の車…!!
紫
伊織くん
そう言うと、伊織くんは 私の返事を聞く前に
手を合わせ、呪文とやらを 唱えていた。
伊織くん
伊織くん
伊織くん
伊織くん
伊織くん
ひゅうっと風が吹く。
そして私は…
コメント
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もう術使えすぎて惚れました←は?
奏くん時を止めることも出来るんだ……!!!すごい!!!! 紫ちゃんはどうなるのかな……?