ボウッ……!
すまない先生
コク
すまない先生が途端に剣を手に取り、奴の足に切り付ける
コク
すまない先生
すまない先生
あの油だ。着火していないのに何故か燃えたのだ。
さらに驚く事に、その火がすまない先生の剣と手に乗り移った…いや燃え移った
不思議な事で、全く熱くない。むしろ希望と力を分けてくれた
火は水色に輝き、彼の期待に応えて激しく燃え上がった
すまない先生
チャギチャギン!!
いつもと感覚が違う。いつもより速く、威力が上がっている
この炎は何なのか。そう考えようとしたが、今は”目の前の敵と戦う”という選択を選んだ
コク
コク
すまない先生
コク、そして人数分のコピー。それをたった1人で相手しなくてはならない
まだ、完全に心は浮き上がっていなかった
すると……炎が、彼の「夢」に応えたのだった
ボオッ……!!
すまない先生
彼の炎が、倒れている味方に乗り移った。焦ったが、その前にコクが技を放つ
コク
すまない先生
すまない先生
ゴオオオオ!!
お互いの風がぶつかり合う。激しい音が一帯に響いた
炎に映る影に、3つの敵の影が見えた
すまない先生
チャギン!件を振るう。後ろを見ずに気配だけを辿って件を振るう。流石すまないと言える動きだ
その後、コクが左手を広げているのに気付き、背中に冷や汗が伝う
すまない先生
コク
スケさん
ブラック
ソイル
銀さん
佐藤
バナナ
ドオオオオン!!!
コク
コク
すまない先生
ブルー
カイ
カイ
皆が再び立ち上がっている。すまない先生は先程とは違う感情が溢れ出したが、今は戦う、という選択肢を選ばなくてはいけないときだ
立ち上がっている皆には、武器や手、そして傷口に炎が乗り移っている
すまない先生の顔が、1人の時よりも輝きを放つ
案の定、そこにコピー体がわらわらとやって来た
ウェザー
すまない先生
サイン
上から声が聞こえる。そこには巨鳥に化けたサインと、それに乗るヒリの姿があった
ヒリ
サイン
すまない先生
全員
彼らは向かう。まるで見えずに燃え広がる、小さな灯火の様に____。
コク
風が大地を切り裂く。その巨大な刃物とも言える風の前に、サインが躍り出た。正確に言えば巨鳥だが
大きく翼を広げ、竜巻を生み出す。風と風がぶつかり合い……まるで火花が散るような攻防だ
サイン
ヒリ
ゾン兄
ゾン兄
チャキジャキン!!
ブルー
ビュオッ!
炎が混ざった技を繰り出す。その威力は先程よりも格段に上がっている。コピーも簡単に倒せそうな勢いだ
グッ…バシッバシン!
チャギン!スッ…トオン!
ガヒュッ…グッバンバシン!!
マネー
ドオオオオン!!
ヒリ
2つのコンボが見事に決まり、コピーを消す。他の場所でも次々と消えて行く。
その中で小柄な体を活かしてブンブン飛び動き回るヒリは、中々の剣の腕前だった
マネー
ヒリ
ストレイ
ビュン!
赤ちゃん
ドリーム
バウン!
ゾンビ
ドオオオン!!
勢い余る程の攻撃に、ついに…奴ら、「コピー体」がすべて消えた
ブラック
エンダーさん
銀さん
カイ
ゴースト
ソイル
その言葉に応えて、武器に付いた炎が強く燃え上がった。
そして、それぞれの色に変わり、輝いた。まるで、「行け」と言っているような
コク
ゴオオオオ!!!!
見たことあるような技だ。これは…そう。
メンバーがほぼ全員やられた、あの技だ。しかも「極」となっている
体で感じた、あの痛み。脳裏に焼き付き、トラウマとなってしまっていた
体が石のように固まって、動かなくなる。ただ、汗が背中を伝うだけ
サイン
ブワアッ!!
現実に戻してくれたのは、サインだった。その風の音で、ようやく「今」が彼らの目に映る
そして…目を合わせ頷くと……奥義に向かって行った
ブルー
ウェザー
バナナ
ストレイ
佐藤
バナナ
マネー
ゾンビ
レッド
ドリーム
ソイル
スケさん
すまない先生
想いを直ぐに受け取り、コクへと足を踏み出す。風は冷たいが熱い。不思議だ
刹那、彼は奴の目の前で飛び上がった
コク
すまない先生
2人が技を繰り出す。
「____」の方が一瞬早かった
コク
バタン……
静かに、体が倒れ光と粒となって消えていく。まるで、今まで手に入れた「良い記憶」が溢れだしているかのように
すまない先生の炎を纏った剣が、奴の体を真一文字に切り裂いたのだ
光が差し込んだ。台風も止まり消えた。
もう、支配なんてものは消えた。
奴の存在と共に。
今、この日、この時間。
奴……コクは消えた。 絶望の中生まれた能力者達、そして失望する様な運命に囚われた兄弟によって。
もう、この世は決して……この様な道に進まないだろう。
彼らが、抜け道を造り出してくれたのだ
自由。喜び。平和。平等。笑顔。
手に入れたのは、いや…… 取り返したのは、大切な物だった
最低最悪なこの世界の決まりは、消え失せた
「記憶」というものに制御され、小さかった世界が、まるで鳥が翼を大きく広げたように広がった。
そしてその鳥は今飛び立つ。幸福な明日【ミライ】に向かって。
あの炎は未だ分かっていない。不思議極まりない物だ
もしかしたら、この世界に居る誰かが、助けてくれたのかもしれない。 それか____何年も何年も前に奴と戦い、敗北した者の「想い」なのか
その後の彼らは……亡くなってしまった
実際、傷は相当深く、体に刻まれていた。致命傷になっている者もいる。
あの炎は、一時的に痛みを感じ無くさせ、「正義」【キボウ】の力を与えたという物だったのだろう
炎が燃え尽きた時……彼らは───
──────
──────
──────
「笑っていたのかもしれない」
涙を流して、笑って。もしかしたら。希望に胸を踊らせながら。
静かに力尽きながら____
生き残った兄弟は、きっとこの世を幸福に導いてくれるだろう
彼らがあちらで笑い合うことと、この世の幸せを願って。
永遠に来なくていいよ、小さな世界。
いつかの空、遠い遠い……遠い遠い、果てしなく遠い空に
わらわらと、
わらわらと、
数十人の足音と共に
笑い声が
聞こえた様な気がした
本当に……幸せでいてね
君達が幸せで居なきゃ……
この世は、成り立たないから。
笑えなかった分だけ、いや、それ以上。
幸せで飽きるくらいに、笑ってね。
この位しか出来ないけれど。 願うことしか出来ないけれど。
能力でも視れないけれど。
心からの幸福を____願い続けるよ
別の場所、城から2人の国王が、空を見上げた
また、笑い声が聞こえた様な気がした
Goodbye,smallworld
ー[完]ー
誰も傷つかないでの、幸せを願って───
ありがとう。グッバイ。
コメント
5件
きゃぁぁぁぁぁっ!♡ 最高最高!最高すぎる!何あの表現!リーブの作品どれも最高だけど今回の「Goodby smallworld」好きすぎるんだが?(今から長くなるから読んでも読まなくてもおけ) すまない先生!凄いよ!体がほぼ動かないはずなのにコクに勇敢に立ち向かって…炎の力を借りているとしても私には絶対に無理だ あの炎すげぇ!生徒達が生き返った?!もう嬉しすぎて目からしょっぱい水が…( ;∀;)ヒリとサインも来てくれたし…皆の連携でコクを倒せて良かった!感動感動! 『キボウ』という名の炎ね…なんかかっこいい!最終的にヒリとサインを除いた皆んなは死んじゃったんだね…凄いよヒリも、サインも、皆も!天国の中での話がちょっと出てきてたね、あの会話している人達は誰だろう??すまない先生が居るということは分かったけれどw ヒリとサイン国王になったんだね!これから世界を守っててほしい!リーブの表現が神すぎて言葉がでない♪地の文の使い方、参考にさ せてもらいますわ!完結おめでとう! 長文失礼しました!
次回____あとがき