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悠太
…はい、今日はこれで終わり
美由
え、もう！？
悠太
もう、って…
悠太
これでも美由がもっと伸ばして欲しいって言ったから1時間も伸ばしたんだよ？
美由
そ、そうだっけ…？
悠太
しらばっくれるなー！
悠太
勉強のし過ぎは体に悪いし、たまには息抜きも必要だよ？
悠太
分かった？
美由
はーい
ムニュ
美由
んっ…
悠太
よおし、これで充電完了！
悠太
じゃあね、美由
美由
(ほっぺを揉むとか…ずるい…)
悠太は私の家庭教師。 イケメンで優しくて私の大好きな人。
21歳で17歳の私と3歳しか離れてないから、私は「悠太」って呼んでる。
美由
(いつかは悠太に告白したいなぁ…)
悠太
…はーい、今日はここまで！
悠太
宿題は29ページの2問目だけね！
美由
えー、少ないって！
美由
もっと出してくれないと！
悠太
美由は勉強し過ぎだから減らしてあげてるんです！
美由
すぐ終わっちゃってつまんない！
美由
終わらないやつがいいー
悠太
駄々をこねんでええ！
悠太
優しい俺が減らしてるんだから我慢してよね
美由
どこが優しいんじゃ
美由
ケチケチ悠太
悠太
なんだって？ガリ勉ちゃん
美由
ガリ勉ちゃん言うなー！
本当は宿題なんて少なくていいんです
貴方が私を見てくれるなら宿題なんていりません
貴方と一緒にいたい
悠太
こんちはー
美由
あ、悠太！
悠太
お…美由から出迎えなんて珍しいね
美由
どういう意味よ、それ！
悠太
だって、いつも俺が来ると美由寝てんじゃん
美由
もう！そんなのはどうでもいいの！
美由
…それより、今日は何の日だ！
悠太
え？なんか記念日だっけ？
美由
分からずや！
美由
今日は週に一回の質問タイム！
美由
聞きたいこといっぱいあるから早く上がって！
美由
はいはい、早く座って！
悠太
やけに張り切ってるなぁ
美由
じゃっ、お待ちかねの質問ターイム！
悠太
じゃじゃん！
美由
悠太は彼女がいますか！
悠太
……！？
悠太
え、っとぉ…それは…
美由
なになにー？
美由
やましい事でもあるのかっ！
悠太
……る
美由
え？
悠太
彼女、いる
美由
え……
悠太
え！？な、なんか悪かった…？
美由
あ、ううん。別に。
美由
彼女いるにしても…悠太暇だなーって
美由
…彼女さんと…デートとかしない…の？
悠太
……そ、れは…
悠太
じ、実は、明日…なんだ
美由
明日…って家庭教師あるじゃん…
悠太
あ、え、家庭教師終わったあと！
美由
そ、そっか…
美由
楽しんでね…！
美由
(彼女さん、居たんだ…)
美由
(なんか…すごいショック…)
美由
(まあ、性格も良くてイケメンなら彼女いない方がおかしいよね…)
自分でも知ってたつもりなのに
傷つくことを受け入れたつもりなのに
自分の好きな人に好きな人がいるって思うと
好きな人は自分を見てくれてないって思うと
なんだか…胸が苦しくなる
美由
…彼女いるのに…優しくしないでよ
恋の終わりを告げるように 夕方のヒグラシが泣いている
カナカナカナ…
悠太
………で、ここがＸ同じ数になるからYは124…
悠太
って、美由！？
美由
……ふぇ…？
悠太
めっちゃ顔赤いじゃん！
美由
あ、あぁ…これはぁ…ちょっと風邪気味でぇ…
悠太
ちょっとどころじゃないよ…！
ピタッ
美由
…ひゃっ！
悠太
え、わぁっ！
悠太
熱いじゃないか！
美由
(悠太の手が私のおでこに…)
美由
大丈夫…ですよぉ…
悠太
と、とりあえず…！
悠太
背中に乗って！
悠太
俺病院に連れてくから…！
美由
…やだ…
悠太
え？
美由
悠太ん家がいい…
悠太
……。
美由
(大きくて…落ち着く…)
美由
ん…あれ…
美由
どこ…？
悠太
あ、美由！
悠太
大丈夫！？
美由
う、うん…大丈夫なんだけど…
美由
ここは？
悠太
え、美由が俺ん家がいいって言ったから連れてきてやった
美由
え…！
美由
私そんなこと言ったっけ！？
悠太
うん
悠太
やだぁっ…悠太んちぃがいいー♡って
美由
それは盛りすぎやろ
悠太
バレたか
美由
まさか自分がそんなこと言うとは…
美由
恥ずかしい…
美由
恥ず死する…
悠太
ま、照れてる美由も見れたし良いってことよ
悠太
……可愛かったよ？美由
美由
…っ！
美由
やめてよ！
美由
てか、彼女居るならほかの女堂々と家連れ込んじゃいけないでしょ！？
悠太
それは美由が言ったからさ
美由
でも……！
悠太
ねえ、
悠太
なんで俺ん家がいいって言ったの？
美由
そ、それは…
美由
(好きだなんて言えないし…)
悠太
どうした？顔、赤いよ？
美由
…だだよ
悠太
え？
美由
悠太には、彼女が居るから…言っても無駄だよ
悠太
……っ
悠太
…好きです！美由のことが
美由
…え？
悠太
彼女が居るのは嘘だよ
悠太
ずっと前から美由が好きだった
美由
じゃあどうして…
悠太
怖かったんだ
悠太
美由のことが好きすぎて自分が暴れちゃいそうで
悠太
だから、嘘をついて…自分を抑えてた
悠太
…ごめん
美由
謝らないで…だって私も悠太のことが…
美由
あっ…
美由
言っちゃった…
悠太
…ふふ
悠太
…じゃあ、俺と付き合ってくれますか？
美由
…はい！
悠太
やったー！！！
美由
喜びすぎだって！
私の恋は実った
これから私は悠太と幸せになるんだ
悠太
…ねえ、終わらない宿題出していい？
美由
え〜、今？
美由
…いいよ？
悠太
──俺とずっと一緒にいてください…！
美由
──！
美由
…はい！もちろん！
悠太
…じゃあ、目を瞑って
ゆっくりと瞼を閉じる
これが幸せなんだと 心から思う
ガチャ
美由
…え？
周りを見ると全身が金具で固定されていた
美由
な、なにこれ…！？
美由
外してよ！
悠太
なんで怒るんだよ、せっかく一緒になれたのに
悠太
さっき宣言したじゃないか
【宿題】をやるって
【宿題】をやるって
美由
ちがっ…そういう意味じゃ…！
悠太
終わらせないよ、宿題なんか
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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