神様の音楽を求めて～神鳴村の神様～【参加型】

それから我と奏は時間が合えば話をすることが増えた

音楽の話、好きな食べ物の話、家の話…

奏はお喋りが好きでわからないことも自問自答して一人で騒いでいて

おかしな奴だが賑やかになった気がして楽しくはあった

その時ふと楽譜が気になった

なんとなくで楽譜に手を伸ばしてみた

そこには何度も書き直したあとも見えてこう思った

こんなに努力してるのになぜ理解されないのか…

こんな才能を無駄にしてもいいのかと…

夢中になってしまった

歌うつもりなんかなかったのに…

音楽と言うのは不思議なものなのだな

辞めたくても辞められない楽しいものなのだな

奏の気持ちが今よくわかった…

それから毎日のように朝から夕方まで2人で曲を作った

いいフレーズを思い付いたらそれを書いてみる

違ければ消してまた探し直す

その時間が何よりも幸福で何よりも楽しかった

初めてあの能天気な奏が本音を弱音として口にした

奏は心の奥底では音楽を続けたいと思っているのだ

いつか本当に音楽が世界で認められたらよいのに…

家柄とか気にせず好きにできたらよいのにな…