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ゆず
何もかも嫌になって家族が寝静まった夜中に俺は外に出た。
走って、とにかく走りまくって足がもつれそうになっても足は止めない。
そんな全力疾走にも限界があって、体力は尽きた。
足を止めるとそこには懐かしい公園があった。
叔父が家に来る度にこの公園まで来て家族の怒鳴るような喧嘩から逃げてきてた。
そんな思い出に浸りながら公園の敷地へ足を踏み入れた。
理玖(りく)
遊具が沢山目に入り、その風景はもっと小さい頃の記憶を刺激した。
理玖(りく)
こんな夜中に家が嫌になって全力疾走して情けない。
家族と向き合えないでいるからこうなってるんだ。と自分に言い聞かせても向き合う勇気は出ない。
理玖(りく)
俯きながらそんな一言を漏らすと視線の先手が見えた。
理玖(りく)
あまりにもビックリしすぎて跳ね上がってしまった。
美里(みさと)
目の前には綺麗な少年がいた。俺より年下だろうか。
理玖(りく)
美里(みさと)
理玖(りく)
少年は俺が返事をすると手を引いてこの公園唯一のベンチへ導いた。
美里(みさと)
か細い声で意志をしっかり伝えるこの少年はきっと勇気のある子なんだろう。と俺はそんなことを考えた。
理玖(りく)
少年は首を縦に振って俺と目をしっかり合わせて聞いてくれている。
理玖(りく)
そう言うと少年は口をギュッととじて俺の目を見て言った。
美里(みさと)
理玖(りく)
美里(みさと)