ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
…冬の日、俺はただ暇潰しがてらに散歩をしていた。 その先で数匹の猫の霊が集まる段ボール箱を見つけた。
ゼル
ゼル
猫は一斉に振り向くと、俺を見るなり、樹の陰に隠れた。 仕方ないので、俺は鎌で樹をなぎ倒し、猫達に話を聞いた。
俺は猫語は知らん。 だが、霊体なら人語を話す為、分かる。 猫達は怯えてはいたが、俺がしばらく自分は猫達を傷つけないと説得すると、話をしてくれた。
猫は3匹いて、 白の一匹は車と衝突した事故死。 三毛の一匹は風呂場での溺死。 黒の一匹は飼い主による虐待死(主に殴られたりしたらしい。)
ゼル
ゼル
猫達は皆、 「恨んでいない、大好きだ」 そう答えた。 殺されたのにも関わらず、飼い主を愛する、ある意味馬鹿かもしれないが、それほどまでに飼い主が好きだったのだろう。
ゼル
俺は、その猫達を少し撫でると、質問をぶつけた。
ゼル
すると、 「やり直すのなら、主さんと一緒にいさせてくれ。」 そんな、暖かい、優しい言葉だった。俺はそれを了承し、猫達を冥界に連れていった。
その後、俺は三匹の飼い主を呼び出した。 ソイツからは動物の悪霊が沢山憑いていた。正直それだけでも、ざまぁみろと嘲笑う所ではあったが、猫達との約束通り、俺は
飼い主を殺害した。
「やり直すのなら、主さんと一緒にいさせてくれ。」 つまり、主を殺して冥界で永遠に会わせてくれという事。 彼等が飼い主をどうするかは分からない。 どうでもいい、罪を受ければいい。 俺は飼い主の魂を冥界の猫達がいるの所にぶちこむと、そこで封印した。
…まぁ、これで動物の大量虐殺事件は終わった。 それにしても、なんとなく疲れた。 俺は自分に憑いた犬の霊を撫でると、冥界へ行くようさし、別れた。
『思い』 それは時には恐ろしいモノになる。 憎悪、憤怒…それらは生きる者に存在する力でもある。 しかし、今回は猫達の思いは強かった。 恨むのではなく、直接手を下す凄まじい怒りと恐怖。 恨みはなく、怒り狂っていたと言える。何故自分達が飼い主の思い一つで殺されなければならないのか。 理不尽さと疑問で沢山だっただろう。
それを解き放つ時がようやく来た。 薄々猫達からは凄まじい憎悪は感じてたいた。 しかし、怒りで薄かった。 気づけなかったわけではない。 気づかないフリをした。 それが、猫達にとって最後の幸せだったから。 大好きと言ったのは、殺したい程に大好きだったから。 …そう考えれば、思いはおぞましいモノになる。
思いと言う名の憎悪はまさに、
不滅
そう言える。 憎しみが強ければ強い程、消える事のない憎悪…。 俺はこれはとても好きだ。 その憎悪は実に面白いからだ…。
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
コメント
10件
拡散ありがと…
俺もさ、昔家に帰ったらさ、ダンボールに血まみれの1匹の猫の死体があったんだ、可哀想だった、泣きそうだった、家の目の前に置かれてた、ほんとに、やめてほしい