ドット
消えたって・・・どういうことですか⁉︎
レイン
もう一度やってみる。
そう言って、レインは何度も呪文を唱えたが、変化はなかった。
レイン
くそっ!何でだ⁉︎
ランス
それなら、反応が消えた場所を捜しましょう。まだ近くにいるかもしれません。
レイン
・・・・・分かった。
北の森に着いた五人は、マッシュとレモン、ランスとドット、レイン、のメンバーに別れて捜索を始めた。
マッシュ&レモン
マッシュ
フィンくーん!
レモン
いたら返事してくださーい!
マッシュ
・・・・・・この辺りにはいないのかも・・・。
レモン
一体どこにいるんでしょうか・・・。
ランス&ドット
ドット
フィン!どこだー!
ランス
この辺りにはいないのか・・・・もう少し奥の方を捜してみるか。
ドット
そうだな。
レイン
レイン
フィン!いたら返事をしてくれ!
レインは何度も何度もフィンの名前を叫んだが、返事が返ってくることはなかった。
レイン
はぁ、はぁ・・・
レイン
くそが、何でだ・・・?
レイン
誰か見つけたか⁉︎
ドット
どこにもいなかったです・・・。
レモン
私達も見つけられませんでした・・・。
レイン
一体何があったんだ・・・。
エルター
あの、どうかなさいましたか?
マッシュ
!
ドット
!
ランス
!
レモン
!
レイン
!
マッシュ
貴方は誰ですか?
エルター
随分大きな声が聞こえたので、気になってしまって・・・誰かを捜しているんですか?
ドット
はい!友達を捜しているんです!特徴は髪が黒と金のツートンカラーで、顔にソバカスがあるんですけど・・・一週間前から行方不明になってて・・・。
エルター
もしかして・・・フィン君のこと?
レイン
知ってるのか⁉︎
エルター
ええ、知ってるわよ。さっき会ったばかりだからね。この子でしょう?
そう言ってその女は手に持っている水晶玉を見せた。その水晶玉には、安らかな顔で眠っているフィンの姿が見えた。
フィン
・・・・・・・・。
目の前が明るくなったのを感じて、フィンは目を開けた。
フィン
すごい・・・子供の頃住んでいた町がそのまま再現されてる・・・。
フィン
確か、エルターさんが言うには、一時間経ったら記憶が消えて、この世界の住人になるって言ってたから・・・あと少しだね・・・。
記憶が消えるまでの一時間、この街を散策しようと、フィンは歩き出した。
マッシュ
え・・・?何ですかそれ・・・。
レイン
貴様!フィンに何をした⁉︎
エルター
私は何もしてないわ。これはフィン君の意志で行ったことよ。
ドット
は⁉︎どういうことだよ⁉︎
エルター
順を追って説明しましょう。私がフィン君に初めて会ったのは一週間前の夜。空を飛んでいたら、泣いているフィン君を見つけてね、何があったのか聞いたのよ。そうしたら、他の生徒から劣等生や出来損ないって言われてるみたいでね、お兄さんからも冷たい態度を取られてるから辛かった、って言ってたわ。
レイン
は・・・?
エルター
お父さんとお母さんが生きていたら、こんなことにはならなかったのに、とも言ってたわね。だから私はフィン君が望む理想の世界をこの魔法の水晶玉の中に造ったの。この写真を参考にね。
そう言ってエルターは、一枚の写真を見せた。
レイン
どこでその写真を・・・。
エルター
まだご両親が生きていた時に住んでいた家で見つけたそうよ。確か、もう空き家になってるって聞いたわ。
エルター
というか、なぜレイン様がここにいるの?お友達のみんなが捜しに来たのは分かるけど・・・。
レイン
弟が行方不明になってるんだ!捜すのは当然だろ!
エルター
フィン君のことを嫌っているのではないの?
レイン
違う!俺はあえてフィンと距離を取ったんだ!
エルター
あえて距離を取ったの?どうして?
レイン
フィンに害が及ばないようにするためだ!神覚者になると決めた時、身内に危害が及ぶ可能性があると言われたからだ!
エルター
あら、じゃあフィン君は勘違いをしちゃったってことなのね。
エルター
でもねぇ、そのやり方じゃあフィン君が勘違いするのは当然だと思うわよ。
レイン
俺は・・・・・なんて酷いことを・・・。
エルター
・・・・・・・・・。
エルター
もしかしたら・・・今のレイン様の気持ちが、ちゃんとフィン君に伝われば、フィン君の心境に変化が表れるかもしれないわね。
エルター
ねぇ、貴方達はフィン君を助けたい?この現実世界に連れ戻したい?
レイン
当たり前だ!
エルター
いいわ。じゃあ、貴方達にチャンスを与えましょう。
フィン
(落ち着くなぁ、ここ・・・)
フィンは町の外れにある花畑にいた。
フィン
(やっと幸せに暮らせるんだ、家族四人で永遠に・・・)
その嬉しさの反面、友達にはもう会えないという寂しさが、少しずつ込み上げてきた。
フィン
(でも、皆にはもう会えないんだよね・・・)
フィン
マッシュ君、ランス君、ドット君、レモンちゃん・・・。
フィン
こんなダメな僕だけど、友達になってくれたありがとう・・・。
フィン
兄様、迷惑ばかりかけてごめんなさい・・・。
フィン
僕は、いなくなるね・・・。
何でそんなこと言うの?
フィン
———っ・・・!
声が聞こえた。高等部に進学してから毎日聞く声だ。
フィン
(そんな訳ない・・・・ここはエルターさんが僕のために造ってくれた理想の世界。そんなことある訳がない・・・・・)
自分にそう言い聞かせながら、声がした方を向いた。
フィン
え・・・・?何で・・・?






