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一方その頃。 桃達は、 本格的に動き始めていた。
水が録音をまとめる。 SNSのスクショ。 動画。 暴言。 教師の隠蔽。 全部。
紫
紫が低く言う。 水は唇を噛んだ。
水
その現実が重い。
赫はスマホを握りしめていた。
画面には、 笑っている黄の写真。 以前、 偶然撮ったもの。
その笑顔が。 今はもう、 苦しそうにしか見えなかった。
赫
緑
緑
その言葉に、 空気が止まった。
黄は、 少しずつ壊れていた。
夜。
眠れない。
目を閉じると、 声が聞こえる。
「死ね」 「キモ」 「邪魔」
耳鳴り。 動悸。 呼吸が苦しい。
朝になる。
鏡を見る。 顔色が悪い。
でも。
黄
学校へ行く。
そこしか、 居場所がないから。
皮肉だった。 自分を壊す場所しか、 居場所がない。
ある日。 授業中。
突然、 黄のノートが窓から投げられた。 教室が笑う。
クラスメイト
黄は立ち上がる。 笑わなきゃ。 空気を悪くしちゃダメ。
廊下へ出る。 階段。
ふらつく。 視界が滲む。 頭が痛い。 息が苦しい。
”もう無理かも” 初めて、 そう思った。
その瞬間。 足を踏み外す。
黄
身体が傾く。 落ちる。
ガシッ。
誰かが腕を掴んだ。
緑
低い声。 緑だった。
黄の呼吸が乱れる。
黄
緑
緑は静かに言う。 でも。 その声は少し震えていた。
あと少し遅かったら。 そう考えてしまったから。
その夜。
桃のスマホが鳴る。 水からだった。
水
短い文。 でも、 それだけで十分だった。
桃はベッドから起き上がる。 嫌な予感が止まらない。 胸がざわつく。 呼吸が浅くなる。
”間に合わないかもしれない” その感覚が、 ずっと消えなかった。
翌日。 朝。
黄は学校へ来なかった。
桃の顔色が変わる。
桃
教師
担任が適当に答える。 軽い声。 その瞬間。 赫が立ち上がった。
赫
教室が静まる。
教師
赫
教師
赫
空気が張り詰める。 緑は静かにスマホを見る。
緑
紫
紫
桃は震える手で、 黄に電話をかける。 出ない。
もう一度。
出ない。 胸が冷える。
桃
誰も反対しなかった。