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初めて, 小説で 泣きました⋯ 🍗くん と 🍫さん 関係なく この作品があったら 泣いてたと思います 素敵な 作品 ありがとうございましたッ
感動する素敵なお話をありがとう ございました😭✨️ 1話1話とても感動していつも 泣いてました🥲 これからも応援してます💪❤️🔥
もう最後ら辺からめっちゃ号泣しました! ハンカチが必須でした 笑 なんかetさんももし病気になってもみんなには言わないような気がする… 最高でした!こんな終わり方もとっても感動するしいいなと思いました!
苦しくも愛しい季節が 今年もまたやってきた
yan
波打ち際にしゃがみ込んで 抱えていた花束を海に浮かべる
雲ひとつない青空の下、それが波に さらわれていくのを眺めながら
隣に立つurが声を漏らした
今日は中学の同級生である 夕日etの誕生日であり、命日だ
ur
ur
yan
ur
ur
ur
urが言っているのは俺が毎年この日に etさんと訪れた海に流してる花のことだ
yan
ur
yan
"あなたに会いたい"
沖に流されていく赤に込めた 想いを受け取るのは1人でいい
ur
おかしそうに言われるのは悔しいけど それは自分でも思うことなので無視する
ただの願望なんだ
どれだけ頑張っても俺は水平線の 向こうに行くことはできない
だからこそ、願いを込めた花束なら 空にいるetさんに届くんじゃないかって
yan
ur
yan
yan
彼女と過ごした時間に想いを馳せ 俺は真上に広がる真っ青な空を見上げた
etさんと出会ったのは高校2年生の夏
初めて言葉を交わした時の印象は 多分お互い最悪だった
それがまさかあんなにもかけがえのない 存在になるだなんて想像していなかった
普段は難しい顔をしてるくせに 本当は表情豊かだったり
1人でいようとするくせに 俺が困ってると助けてくれたり
新しい一面を知るたびにetさんのことが 気になって気づいた時には好きだった
初恋だった
etさんと過ごす時間は いつも愛おしかった
幸せだった
幸せすぎて気づけなかった
etさんが砂浜に倒れ込むまで
etさんが必死に隠し続けていたことに 俺は気づくことができなかった
しゃがみ込んだまま 打ち寄せる波に視線を移した
波と波の間で砂や貝殻が踊っている
yan
yan
etさんが抱えてる事情なんて知らずに のうのうと過ごしていた俺は....
etさんの重荷になっていなかったか?
あの日々に俺は後悔していない
でもetさんはどうだったんだろう
etさんの死を少しづつ受け止めて来た けどそれだけはずっと気がかりだった
ur
ur
呆れたように笑うurに なんだそれと言葉を返す
そのときびゅうっと 巻き上げるような風が吹いた
hr
風に乗って聞き覚えの ある声に名前を呼ばれる
振り返ると遊歩道から砂浜に向かって 手を振るhrくんの姿が見えた
ur
こちらに向かって走ってくる
yan
hr
hr
hr
いなかったら後で連絡するつもりだった と言いながらhrくんが爽やかに笑う
hr
目を伏せてhrくんがカバンから 取り出したのはオレンジ色の封筒だった
表面には【yanくんへ】と書かれている
yan
hr
hr
震える手を伸ばして 差し出された封筒を受け取る
手元に来て確信した
筆圧が弱くて頼らないけどわかる
これは間違いなくetさんの字だ
hr
hr
yan
hr
hr
そう言ってhrくんは 手を大きく振って去って行った
3年前の今日、窓の外は 土砂降りの雨だった
放課後、松葉杖をついて病室を訪れた 俺を出迎えたのは弱ったetさんだった
虚ろな目で俺を見て
"17歳になったよ"
と言って笑った彼女は その数時間後に息を引き取った
ur
ur
yan
ur
ur
urに背中を押されて 微かに震える指で封を開ける
二つ折りの便箋を開くと目に飛び込んで きたのは懐かしいetさんの字だった
yanくんへ こんにちは、夕日etです。 いきなり手紙なんてびっくりしたかな。 私は今、病院のベッドにいます。 yanくんに病気が知られてしまった時、まだ伝えられてないことがあったような気がしたんだけど、面と向かってははっきり言えないから、手紙を書くことにしました。 脳腫瘍が見つかったのは高校一年生の時でした。 なんで私なんだろうってたくさん泣いたし、関係のないことに無理やり原因を見出そうとしたりもした。 毎日が真っ暗だった。 転校して学校に通うと決めた時も、本当は希望なんてどこにもなくて、なんてことない学校生活を送って、誰にも気づかれずに死んでいくんだと思ってた。 でも、そんな私の世界に光が射しました。 yanくん、あなたです。 あまりに突然だったから眩しくて眩しくて、初めは背を向けてしまっていたけれど、本当はとても嬉しかった。 ダメだってわかっていても、手を伸ばすことをやめられなかった。 urがいて、rnがいて、クラスメイトがいて、何よりyanくんがいるその場所が、私が本当に欲しかったものだったのだと思います。 そんな場所をくれたyanくんに、私はたくさんの嘘をつきました。 守れない約束もしました。 そのせいで、いっぱい傷つけたよね。ごめんなさい。 バイクの免許を取ったら一番に後ろに乗せてって約束は、忘れてください。 ちゃんと言っておかないとね。 yanくんのことだから、律儀に守ってくれそうだもん。 yanくんに出会えてよかったって、心から思う。 毎日がこんなにも楽しかったのは、yanくんのおかげです。ありがとう。 どれだけ言っても伝えきれないけど、本当に本当にありがとう。 一緒にいられて、私は幸せでした。 またいつか、どこかで会おうね。 バイバイ。 夕日etより
頬を伝った涙が、砂浜に ポロポロと落ちる
嗚咽を漏らす俺の肩に手を置いて urが穏やかな声色で言った
ur
ur
返事の代わりに、何度も何度も頷いた
俺はetさんの重荷にはなっていなかった
光とさえ言ってくれた
ur
ur
海に流した花はもう見えない
いや見えなくなったんじゃない
届いたんだ
時間がかかったけど、お互いの想いが
それぞれの元へ
yan
目元をゴシゴシと擦りながら ゆっくりと立ち上がる
yan
俺が言うと、urがくしゃっと笑う
ur
ur
yan
また風が吹いた
宝物みたいな日々を思い出すような 柔らかく優しい風だった
上書きされた
でも、忘れてなんかやるもんか
流れていく時間の中で 何度だって思い出すよ
かけがえのない日々を 精一杯紡いだ天使のことを
〜余命半年の私が最後に紡いだ物語〜
〜完結〜
流月
流月
流月
流月
流月
〜余命半年の私が最後に紡いだ物語〜
〜完結〜