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監禁区域レベルX~あの夢を越えて~

監禁区域レベルX~あの夢を越えて~

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監禁区域レベルX ~あの夢を越えて~ 第9話

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2022年01月17日

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(それで、何とか修平君と涼花ちゃんは操られてない事も確認出来たけど………)

まだ残る問題点。それは

(…彰君の安否確認が出来てない)

彼だけでも涼花達に合流してくれれば良い。

そうすれば、頭の回る彼の事だ、生き残る為の方法も見つけてくれる筈。

(だけど、前回のループで操られてた彰君が操られていない線は薄い……)

(なるべく操られてる事前提で動かなくちゃいけないのが辛いな……)

嫌でも思い出す、あの時の彼の顔。

(……最後まで私を助けようとしてくれた彼に、あんな顔はもうさせられない……)

(そして、私に託してくれた2人の為にも……向き合わなくちゃ……!)

私は怯む足を無理矢理動かして階段をゆっくりと登る。

1段1段、丁寧に。決して音を立てずに、ゆっくりと。

………っ!

Xの幼虫だろうか、ゆっくりと階段を下りている。

私は息を飲んで、どうかバレないように願った。

(神様……どうかお願いします…)

するとXは、くるりと階段を下りていった。

(………危なかった……)

そして階段を上がってたどり着いた、12階。

(……お願い彰君、無事でいて…!)

私はゆっくりと彰君の部屋の扉を開けた。

一方その頃、涼花達は………

涼花

……修平、翠お姉ちゃんからの連絡は?

修平

まだ入ってない………もしかして、Xにもう………

涼花

そんなわけない!翠お姉ちゃんが、死ぬわけ………!

修平

落ち着け涼花。合図が出るまで待機だから、もう少し待てばきっとくる。

修平

来なかったら……俺が囮役をするよ。

涼花

…………ぇ

修平

……涼花、大丈夫。俺は足には自信があるし、もし襲われても木刀で殴って蹴って抵抗するよ。だから……

涼花

…大丈夫なわけない!!

涼花は身をもって知っている。

1度夢でも死んだ記憶がある涼花。

――あんな化け物には、Xには敵わない。

涼花

あんな……あんな化け物なんかに生きて逃げられる訳ない!!

涼花

私達はきっとこのままこのマンションで死ぬんだ……もうあいつから逃げられないんだよ………

修平

涼花………

涼花はその場に崩れ落ちる。

また死ぬ恐怖と絶望で溢れ出る涙も堪えず、静かに泣いていた。

修平

……ごめんな、涼花……

涼花

………修平?何を……っ!?

鈍い衝撃と共に、まるで死んだ時のように意識を手放した。

どこまでも深く落ちていくような、そんな感覚を覚えて。

彰君………?

極力小さな声で呼びかける。だが、無音の部屋に小さく響くだけ。

彰君、もう居ないの……?

リビングの扉を開けようとドアノブ手をかけたその時、

あり得ない力で後ろに引っ張られ、受け身もままならない状態で床に身体を叩きつけられた。

っ、ぅ……まさか

まさか殺してしまった龍斗がまだ生きていたのか。

不気味な笑みが脳裏をよぎり、恐る恐る目を開けた先には。

彰?

……ね、ぇ……さ………

彰、君………!?

もう既に操られた、彰君の顔が写っていた。

一方、修平達は……

修平

…何とか外は見えるのに………!!

目の前の外にはXの幼虫らしき生物と、ミミズのような触手が彷徨いていた。

今のまま行っても、すぐに見つかってXの餌食になる。

修平

クソッ、俺にあいつらを倒す力があれば………!!

修平

奈央も龍斗兄さんも、皆死なずに済んだのに……!!

だが、現実は無情で。

大切な幼なじみ達も操られて死んでいって。

皆操られている状況で、倒せないと分かっていても命懸けで立ち向かおうとして。

修平

俺達だけ守られて……そんなのってありなのかよ……!!

こんな絶望的な状況でも、決して諦める訳にはいかない。

修平

命懸けで今Xと戦おうとしてる翠姉さんの為にも、Xに操られて死んでいったあいつらの為にも………そして

奈央の部屋にあった衣服で固定されている彼女……涼花を見る。

修平

あいつらが託してくれた涼花を、助けてくれた命を、絶対に無駄にしない……!!

規則正しい寝息をたてている彼女の赤く腫れた目を見て、頭を優しく撫でる。

修平

涼花だけは、絶対に………何があっても俺が守るから…………

彼女を背負う衣服を改めて強く固定し、“合図”の時を今か今かと待った。

監禁区域レベルX~あの夢を越えて~

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コメント

1

ユーザー

怖ぇ…

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