小説の力を借りて

私は、売れない小説家だ。

ただ、売れないけど、書くのが楽しいから書いてた

そんなある日

今書いてるのは、恋愛小説

とある、人気小説家を目指す女の子とその女の子の幼馴染の恋愛物語

ほとんど、私に似せた

私は、きっとこんな素晴らしい恋愛は出来ない

たしかに、幼馴染で雄助っていう、モテモテ男子も現実にいるけど、

私の片思いだ

チャラン！=着信音

ーチャットー

あれ？

なんか、

私の小説と似てる…

もしも、小説通りなら…、

雄助が、ここで、私に「それは、ダメ！！」って言ってくるはず…

…、間違いない、

小説と同じことが起きてるんだ！！

やばい…そうなったら…

ならベく、小説と違うこと書き込まないと…！

やばい、

やばいやばいやばい

小説と違う返事をしても、…雄助が小説通りに事を進める…

このままじゃ、

雄助の気持ちを勝手に操るみたいになっちゃう…

それだけは、ダメ！

そうだ！小説を消しちゃえば！！

ガッガッガッガッガッガッガッ！！=勢いよく小説に書いた文字を消す

なんで…？

もう、小説は、白紙なんだよ？

一度書いちゃったから、消えないの？

こんなことなら小説なんて…

書くんじゃなかった…

ごめんなさい…

雄助…

貴方の気持ちを操るみたいなことして…

ごめん…なさい…

やめてよ…

それ以上は、…

…、小説通り…だ

嬉しいけど…、だけど…！

雄助は、私のこと…

好きじゃないのに、…好きにさせられたみたいじゃん

あ…れ？

違う…小説にこんな言葉書いてない…

何が起きてるんだろ？

小説に、頼らない…？