彩葵
彩葵!
彩葵!!
「はっ!」
私の名前を呼ぶ声がして、目が覚めた。 目を開くと見えてくる見覚えのない天井、そして、聞こえてくる両親の声。
「彩葵!大丈夫?!!」
両親の心配する声が聞こえてきた。
私、死んでないんだ。
見渡せば、病室の中に知らない男性がこちらを心配そうに見ていた。
「海に落ちたところを、あのお兄さんが助けてくれたのよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえ、意識が戻られて良かったです。では、僕は用事があるので失礼します。」
男性が病室を去るのと同時に、白衣を着たお医者さんと看護師さんか入ってきた。
「意識を取り戻したようで良かったです。こちらも一安心です。ですが、最低でも3日間は入院しなければなりません。」
「娘はどこか悪いところがあるんですか?」
「いえ、悪いところはないのですが、長い間、海に入っていたので、体調に異常がある可能性が見られます。まずは様子見として、入院していただくのが最適かと思いまして。」
「わかりました。どうか娘をよろしくお願いします。」
お母さん達帰るからね「お母さん達帰るからね、ゆっくり休むのよ。」
「わかったよ、お母さん、お父さんも。気をつけて帰ってね。」
両親とお医者さん達が出ていった後、
私はまた目を閉じた。
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