後を追ったバスケ部男子は仲間を失った ショックを隠しきれずその顔は悲しげだった。
○○
私が、貴久を追い込んだから。
そのせいで、貴久はバスケを……。
男子
○○
男子
男子
まだ、私と貴久が笑いあっていた頃、 もしかしたら貴久はすごく辛かったのかも。
スランプに陥るって、すごく苦しいだろう。
そんな時でも貴久は私をずっと心配してくれた。いつも笑顔を絶やさなかった。
そんな貴久を思うと、後悔しかない。
だって私は貴久を傷つけるような事しか出来なかったから。なんて…バカなのだろう。
男子
男子
多分……そんなことない。
貴久はきっと悩んでても誰にも相談しなかったと思う。誰にも弱さを見せなかったと思う。 辛くても無理矢理笑って、私たちに心配させたくない、それが貴久の優しさ。
スッキリしないまま数日がたった。
あれから貴久はクラスで目立つこともしなく なって、別人のように大人しくなった。
その背中は寂しそうで悲しそうで。
だけど、私には話しかけることが出来ない。
拒絶されるのが怖かったから。
女子
放課後の昇降口。 またそんな声が聞こえた。
そう、文化祭で貴久に告ってた女の子。
女子
増田
女子
声だけでも伝わる女の子の真剣さ。
胸が押し潰されるように痛む。
貴久はなんて返事をするんだろうか。
気になってしまって立ちすくむ。
盗み聞きなんて最低。
でもこの場から離れることは出来なかった。
増田
女子
増田
ズキンと心にヒビが入った。
全速力で、昇降口から離れて校門を出る。
どうしてこんなに苦しいのだろうか。
“考えさせて欲しい。”
なんで 文化祭の時にはキッパリと断っていたのに。 でもそれは、 貴久の気持ちが揺れていってるってこと。 手越くんのことで、 私の気持ちが前に進んだように、 貴久の気持ちも前に進んでいる。 それは私が望んだ事。
貴久の幸せを願って、突き放したはずだった
なのに、なんで涙が溢れるんだろう。
こんな自分が本当に嫌。
自分勝手すぎるよね。
もうこんな日は来ないって分かっていても、 笑い合える日々に戻りたい。 そんな気持ちが強くなっていく。
貴久のいない世界は色のない世界だって、 今初めて気がついたよ。
つづく…
コメント
4件
どうなるの!? 続き楽しみです😊