初兎
りうら
夕日もすっかり落ちた午後7時 俺とりうちゃんはレイの捜索をしていた
りうら
初兎
りうら
うちの母さんは怒ると怖い だからとりあえず俺ら2人でどうにか見つけて後で誤魔化すことにした...のに!
りうら
初兎
りうら
初兎
今日いきなりできた妹、レイ
レティシアの記憶改変により俺の中にはあるはずもない妹と過ごした日々の記憶がある
気が強くて、わがまま、んでもってうるさい...それが俺の記憶の中のレイだ
初兎
りうら
???
声がして振り返る 青い柔らかな髪の青年がいた 学校帰りなのか制服姿だ
初兎
りうら
猫宮いふ 俺と1個違いの先輩 いむくんのいとこにあたる人で、親の出張があり今は稲荷家にお世話になっているらしい
仲良いくせに不仲な振りをするある意味と俺たちと同じ義兄弟だ
りうら
if
初兎
いむくんと俺が幼なじみなこともあってまろちゃんも俺と一緒に遊んでいた
そしてその記憶の中にはレイの姿もある
りうちゃんも「妹」という単語を使っているのだから、まろちゃんの記憶でもレイの姿があるはずだ
初兎
if
初兎
りうら
if
if
初兎
遊んだのは小さい頃、しかもまろちゃんはいむくんのいとこって言う立場だから遊んだのも時々だ
もしかしたら忘れているだけかもしれない
初兎
見せたのは昨年の写真
りうらの卒業式に家族全員で写ったものだ。もちろん記憶改変後はレイの卒業式でもあったので彼女も写っている
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初兎
初兎
タッタッタッ
ドンっ
初兎
背中に衝撃が走る 後ろを向くとレイが俺の背中に突っ込んでいた
レイ
りうら
突然のことに驚きながらもレイを叱るりうちゃん、俺より兄ちゃんしてねぇか?
レイ
りうら
if
それまで黙っていたまろが口を開いた、もしかしたら声を聞いて思い出したのかもしれない
レイ
初兎
初兎
りうら
レイを探し始めてもう1時間 時刻はもう8時をさしていた
レイ
初兎
りうら
初兎
if
if
-hotoke-
稲荷家 両親が出張中の今、お世話になっている家
珍しくほとけが洗い物をしていた
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-hotoke-
-hotoke-
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ふとシンクの中が目に入る
客人用のカップが入っていた
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-hotoke-
「レイ」と言う単語に上着を掛けていた手が止まる
if
-hotoke-
洗い終わったのだろう、水を止め手を拭きながらマヌケは声を出した
-hotoke-
-hotoke-
俺の後ろを指さしながら答える
そこにある棚の上の写真には確かに、幼い頃の俺とほとけと初兎
そして先程の少女が映っていた
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-hotoke-
if
-hotoke-
それはこっちのセリフや
あの写真を撮った時のことは今でもはっきりと覚えている。 有栖家と稲荷家と稲荷家に遊びに来ていた俺でキャンプに行った時だ
ほとけとしょう、その2人は確かにあの時いた。遊んだ記憶だってしっかりとある
レイだって言うやつの記憶は確かにある、でも何故かその記憶を薄っぺらく感じ疑ってしまう
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-hotoke-
-hotoke-
本気で心配されている
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あれから早く風呂に入り、いつもより1時間も早くベットに横になる
その間レイという少女について考えていた
ほとけも初兎もりうらも覚えていて俺だけが忘れている、そう考えるのが妥当だ
俺は頻繁にこっちにいるわけじゃない
高校は一緒でも、家の場所は稲荷家と真反対だ。それが幼い頃なら確かに忘れていることもあるだろう
だからって一緒に写真を撮るほどの仲である人を忘れるとは考えにくい
しかも妹だ、好きな人の血縁関係くらいはわかって当然
if
if
if
-hotoke-
初兎
-hotoke-
初兎
バンッ!
りうら
教室の扉が強く開かれ、昼休みだったこともありうるさかった教室が静まりかえる
走ってきたのだろう、いつも整えられている髪を乱した状態でりうらが入ってきた
叫びながら呼びかける、いつも落ち着いているりうらからは考えられない様子だった
初兎
ただならない雰囲気、だが俺がそれで取り乱したら悪化する可能性がある
なるべくいつもどうり聞いた
りうら
初兎
りうら
頭の中が白くなる
あのレイが、レティシアが刺された?
-hotoke-
俺の隣で一緒に聞いていたんだろう、言葉が出ない俺の代わりにいむくんが聞いてくれた
りうら
りうら
初兎
-hotoke-
初兎
初兎
りうら