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燐
燐
燐
燐
僕のクラスでは今、りんご様と言うものが流行っている。
それはなんでも、死んだ人に会う儀式らしい。
「りんご様、りんご様」
「私の○○を代償に」
「○○に会わせてください」
これだけで、死んだ人に会えるなんて、正直バカらしかった。
けど
信じてないならできるでしょ?
なんて、友達に勧められてしまった。
燐
燐
去年死んでしまった、僕の恋人。
僕を一人、置いていって…
燐
燐
ぼすん、とベットに倒れ込む。
燐
本当は僕だって、悲しい。
寂しくて、たまらない。
だからあいつに、もう一回会いたかった。
りんご様
燐
燐
りんご様
りんご様
燐
りんご様
りんご様
燐
りんご様
りんご様
燐
嬉しくて、堪らなかった。
燐
燐
燐
燐
燐
しかし
死んでしまったとはいえ、もと恋人だ。
完全なる部屋着姿。
燐
タンスの前で、部屋着を脱ぐ。
燐
燐が服を見つけた瞬間。
ジリリリリリリリリリ!
燐
スマホのアラームが、大音量でなった。
燐
燐
下着のまま止めに行き、ふと、何故アラームをつけたのか思い出す。
燐
さっと振り返る。
かなた
無言でこちらを見つめる、かなたがいた。
燐
触っちゃ駄目だ!叩いちゃ駄目だ!
燐
僕の絶叫が、辺りに響いた。
僕の喉が落ち着いてきた頃、要約、かなたが喋れないことに気がついた。
燐
かなた
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
燐
かなた
ずっと口を閉ざしていたかなたが、急に喋りだす。
かなた
燐
かなた
燐
かなた
燐
燐の後ろに回った。
燐
燐の細い背中に、かなたが手を突っ込んだ。
かなた
かなた
かなた
燐
ズブズブと手が沈んでいく。
吐き気がした。
燐
かなた
かなた
燐
かなた
確かに、たちが悪いや。
これ、僕の体を、乗っ取ろうとしてるんだよね?
でも、かなたが頼んでる。
僕に、頼んで…
燐
燐
燐
燐
燐の体にはもう、かなたが半分ほど埋まっていた。
気持ち悪い
かなたは、こんなことしない…!
でも
かなた
そう言うとかなたは、体のすべてを僕に預けた。
燐
今は何時だろう。
時計を見ると、午後8時を過ぎていた。
燐
燐
かなた
かなた
燐
かなた
燐
かなた
燐
かなた
燐
頭がパンクしそうだった。
でもそれと同時に、喉の奥に刺されたような痛みを感じる。
燐
燐
燐
席が出たため口に当てた手に、血がベットリとつく。
燐
かなた
かなたが平然とした顔で言う。
かなた
燐
ピコン
瞬間、大音量でスマホがなった。
開くと、97件という恐ろしい数が見える。
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
りんご様
燐
かなた
燐
燐
燐
かなた
燐
僕の無理難題な救いを求める声に、かなたは悲しそうに呟く。
かなた
燐
もっと怒ってよ
お前のせいだろうがって、叱ってよ
でないと、僕、頭がおかしくなっちゃう
かなたが悪くないのは、僕が一番知ってるのに。
かなたは、悪くないのに…
燐
燐
かなた
燐
燐
かなた
かなたは、病気で目がやられていた。
かなたが生きているうちに、僕の顔を見ることは、たったの一度もなかったのだ。
かなた
燐
僕はかなたが死んでから、一度も泣けていなかった。
それはあまりにも、あまりにも。
日常に、溶け込み過ぎていて。
かなた
僕は、かなたに抱き締められた。
暖かい、何てことはなくて、水に飛び込んだような感じだった。
僕は、かなたと出会ったときのことを思い出していた。
そうしないと、ひとつの思いでとして、溶けてしまいそうだったから。
嘘だ。
本当は、少しずつ、溶けていってしまっていた。
かなたとの、思い出を、失いたくなかった。
燐
燐
どうやら僕は、かなたとの出会いを、話さなければいけないみたいだ。